HIFIMANのDAC内蔵ヘッドホンアンプ「EF400」を導入しました。
パソコン周りでは長らくFOSTEX HP-A8を使ってきましたが、そろそろ入れ替えても良いかなと。
主に使っているヘッドホンがHIFIMAN ANANDAとSENNHEISER HD800なので駆動力ももうちょっとあって良いだろうし、相性も悪くないだろうという判断です。
R-2RのヒマラヤDACもさることながら、4.4W/chと高出力のアンプ部分や暖色系らしい音色もFOSTEXとは異なるので、いざとなれば別PCと使い分けても良いですし。
気になる点としては入力がUSBのみで、しかもDSD非対応というところですけど、YouTubeや動画視聴は当然PCMですし、DSDもroon経由なら変換もお手軽なので特に問題ありません。
ちなみに出力のほうはヘッドホン端子が6.3mm,3.5mmのアンバランス、4.4mm,XLR 4pinのバランス、さらにRCA,XLRのライン出力(ボリュームは非連動)もあってなかなか充実しています。
電圧は220Vと110V切り替えが底面にあり、電源部はリニア電源です。
昇圧して使ってる方も多いようですけど、私は面倒なのでそのままですが動作に支障はありません。
ヒューズは110Vだと250V1A(20mm)指定ですからそこだけ気になったのでリテルヒューズのに交換しておきました。
さてまずはHIFIMAN ANANDAを6.3mmで動作確認しますと、たしかに暖色系な感じで中低域は少し柔らかいです。
NOSとOSそれぞれローゲインとハイゲインが左のダイヤルで選択可能で、意外とOSのほうが先鋭度がやや高めでNOSは少しもっさりした第一印象でした。
ANANDAはそこまで鳴らしづらいヘッドホンではないですが、ハイゲインのほうが若干良いかなという感じです。
ただ小音量だと角度にして10°くらいまでギャングエラーや音漏れがあるので、その点でローゲインを選んだほうが良いという部分はあり、ボリュームの品質はいまひとつです。
HD800は後日書きますけど動作確認用にXLR 4pinケーブルを入手しておいたので、こちらで動作確認しました。
こちらはHP-A8の時と比べて圧倒的に良くなったように感じられるので、バランス出力のほうが力が入っているのかも。
空間はやや狭めでダイレクトな印象で、HD800の場合は意外にもローゲインのほうが良いみたいで、バランスの場合はゲインが高くなるのかもしれないですね。
ちなみに3.5mmと4.4mmが高感度向きに設定されているらしく、4.4mmをMacbeth Tiで確認しました。
ただこの場合のローゲインでもかなりゲインは高めなので、高感度イヤホンにはあまり向かないかも。
やはり低域は少し柔らかめで、やはりNOSよりOSのほうがやや硬調にできる印象です。
HD600はACOUSTIC REVIVEでリケーブルしてますので通常6.3mmですが、確認も兼ねて3.5mm変換と6.3mmそのままで軽く鳴らしました。
当たり前な部分もありますけども、6.3mmのほうが端子の品質やアダプタの影響か、かなり良い印象です。
ベースはNOSのほうがキレがあって、ここまで聴いた感じだと意外にもSENNHEISERと相性が良いように感じられます。
管楽器の奏者の呼吸などもしっかり聞き取れて、音楽を聴くにはそういうのは不要とはいえ、ヘッドホンはモニターという要素もあるのでそうしたニーズにもしっかり使えるのは助かります。
ちなみに残留ノイズやPC由来のノイズというのはほぼ聞き取れず、そのあたりは意外と(失礼)しっかりしています。
なおパソコン側の出力はデフォルトだと32bitが選ばれてることが多いですが、24bitのほうが安定するらしいのでそのようにroon等設定変更して使っています。
NOSとOSですが、海外の計測事例を見る限り、OSのほうが良いはずですが、実際に聴いた印象としては意外にもNOSのほうが濁りがない感じがして良好なことが多いです。
低域の音階もNOSのほうが明瞭で、OSの場合には若干音のエッジにザラッとした感じがのることがあります。
わざわざボリュームと同じ大きさのダイヤルまで用意されていて簡単に切り替えられるので、音源で切り替えても良いでしょう。
ANANDAに関しては以前入手したヘッドホン側が2.5mmのをプラグ交換したものを当初は使っていましたが、ANANDA(といっても前期モデル)純正
の6.3mmに交換したらこちらのほうが音がぼやけなくて良いようです。
HIFIMANのケーブルはやや頼りない部分がありますし、せっかくならXLR 4pinにしたほうが良さそうではあります。
またヒューズをLittelfuseにした件も前述しましたが、音が明らかに硬調に変化しました。
本当はオーディオ用のがあるともっと変わるかもしれず、特徴を活かすならISOCLEAN、少しカッチリさせたいならFURUTECHが良さそうです。
ただFURUTECHはもう20mmで1Aのがなかなか見当たらないと思いますが…。
RCA出力もスピーカー経由で試しました。
他のDACに比べて若干高めの出力で、やや大雑把な感はあるが予想外に十分実用になるものです。
こちらでもNOSのほうがモヤがかからなくて良いですが、あえて言えば空間表現がやや雑で高域にややざらつきがあります。
クロックやDDCを投入したMark Levinson No.360Lはやはりシルキーで空間が広がる部分では勝りますが、そこに対等とは言わないまでもある程度ついていけるならそこそこ廉価な複合機としては十分でしょう。
同じR-2RのDENAFRIPS ARES IIとも比較しましたが、DENAFRIPSは同じR2Rでもかなり繊細な描写です。
ただ録音の良い室内楽などだとやはり空間描写が多少粗く、そこがMark Levinson No.360Lとの差が大きくなるのはEF400と同様でした。
そういう意味ではEF400はUSB接続のみで何の工夫もされてないことを考えたら案外健闘していると言えるでしょう。
他はDELAからDLNA経由で、EF400はroon出しだったので、そこの良さが出てるのかもしれないですけども。
全体としてはボリュームのギャングエラー以外は満点クラスの出来に個人的には感じました。
どことなく危うさがあるのがHIFIMANではありますけど、最近の中華系メーカーの成長とやる気はなかなか侮れないなと思った次第です。
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