iBassoのデジタルオーディオプレーヤー「DX90」をゲットしてみました。
国内モデルの「DX90J」でないからというのもあるかと思いますが、かなり格安の出物だったので少々心配しましたが、書いてなかった付属品も付いていて状態も良かったです。
購入を決めたのはお値段もありますが、Donguri-鐘 Re-Cableをレビューするにあたり、それまでのFiiO X1では限界があるなと感じたからです。
X1のLINE OUTはそれなりに優秀ですが、ハイレゾの恩恵をしっかり表現できるほどではないですし、据え置き機との実力差を痛感してしまい、もうちょっとグレードアップしたいなと。
これまで聴いてきた感じからすると、無難にLINE OUTも含めて安定してるのはFiiO X5 2nd、直挿し主体ならPLENUEかなと思っていたので、iBassoは正直、想定外ではありました。
ただ、ESSの音を聴いてみたいというのもありますし、なにせお値段が…。
届いた時点ではほとんどバッテリーが残ってなかったので軽く動作確認してから充電待ちして、次にファームウェアをアップデートしておきました。
当初は2.1.0になってたのでそこそこ年数は経ってるはずですが、しばらく聴いていると音が安定してきたのであんまり使われていなかったのかな?
2.5.1に更新しましたが、こちらで大きな不具合はないようです。
一度、電源OFFの時に終了画面のまま固まったりもありましたし、ギャップレス再生をOnにしておくと稀に曲のあたまでちょっとおかしくなることもありますから、FiiOよりはやや不安定ではありますけど、致命的なほどではありません。
バッテリーはそんなにヘタっているというほどではなさそうで、ハイレゾ再生でも8時間くらいは十分大丈夫なようです。
他のモデルと違ってバッテリーが交換可能なのもこの機種の良いところですね。
なお現状では純正のバッテリーが収納されていました。
早速エージングも兼ねて聴いてみますが、情報量はやはりだいぶ多くなっているようです。
ただしクセはやや強めで、特にイコライザをオフにしていると周波数特性だけでなく、リバーブのような空間の広がりが付加されている感じがあります。
DX90Jでは同様の報告が見受けられましたが、DX90でもイコライザはオンにしておき、カスタムでフラットにしておくのが良いような気がします。
またESSではおなじみのデジタルフィルタもシャープとスローでかなり音傾向が異なり、中間はないの?という気分になります。
DACチップだけで決まるわけではないと思いますが、全体的に空間表現や補間処理が過多になり過ぎている傾向は感じられました。
まぁ最近のDAC系は多かれ少なかれ、そういう傾向があるように思いますけどね。
LINE OUTとヘッドフォン出力が分かれているのはありがたいところですが、このラインアウト、可変出力になっていてラインアウト時はボリューム最大にしておくように、とマニュアルに書かれてました。
ボリューム自体、ES9018K2M搭載のものを使用しているので仕様的に仕方ないのかもしれませんが、フルボリュームにした状態でヘッドフォンを繋いだ時が怖いですよねぇ。
ちなみにヘッドフォン端子が底面側にあるのも、好みが分かれるところかもしれません。
上面側にもミニジャックがあって、これは同軸デジタル出力です。
これで据え置き機につないで試してみるのも良さそうですが、それはまた後日にでも。
内蔵メモリは8GBですが、microSDスロットもあり、ここにこれまでFiiO X1に入れてあった東芝の64GBをそのまま持ってきました。
曲のサーチもそこそこ速いですし、私の場合はどうせフォルダで選曲するので快適に使えています。
音質的な部分は現時点ではまだ確定的な評価ができてない、というのが正直なところです。
前述の通り、情報量はかなり増えていますし、エージングも少し進んできて使いこなしも分かってきたので、心地よく音楽を楽しめるようにはなっています。
一方で楽曲によっては残響音みたいなものが伴う場合があり、そのクセはどうもDAP側よりヘッドフォンアンプ側のほうで味付けされている傾向が強いようです。
ひとまずALO AudioのThe Nationalがベストマッチで、Rx MkIIも低域がやや薄いながらクセを打ち消す意味では良い選択肢のようです。
また、DigiFiの付録アンプも試しましたが、さすがに現状、据え置き機を上回るような印象ではありませんでした。
とはいえ、FiiO X1で感じられた限界は突破できたと思いますし、お値段や操作性にはとても満足しています。
ちょっと語弊があるかもしれませんが、ポータブルオーディオでは電源などの諸条件でやはりそれなりの限界があるとも思っていて、個人的にはこのくらいがバランスとしては良いのかなと思っています。
もちろん今後も使い続けてエージングや使いこなしを検討していって、都度、登場することになると思います。
さらに、もうしばらくお借りできることになった「Donguri-鐘 Re-Cable」もDX90で再度レビューしてみる予定です。