LINNのパワーアンプ「LK140」ですが、トランス唸りは以前よりは気にならなくなったものの、まだ続いてるのでさらに対策を探ってみることにしました。
前回は自室内の暖房器具をノイズフィルター付きの電源タップ経由にしたわけですが、冷蔵庫も怪しそうなのでこちらにはELECOMのT-H32Nを付けてみました。
前回同様、これで唸りが皆無になったわけではないですが、地味に改善したというところです。
さらに唸りそのものを無くすのではなく、トランスの振動が他に伝わらないようにと、トランスを一旦外して下にNRスポンジゴムを挟んでみました。
トランスの裏側には元々から下の写真のような薄いゴムが付いていて、これに追加する形にしましたが、唸り音の大きさはあまり変わらなかったですねぇ。
ただ、再生音のほうに影響があって、全体的に歪みが少なくなったような印象を受けます。
改めて見てみると筐体の強度も意外とラフな部分があって筐体の底面や横などが共振しているような気もします。
さらにいろいろと検証していると、アースループによる悪化の可能性も出てきました。
電源プラグだけを接続した状態だと唸りが少ないんですが、RCAプラグを挿すと唸りやすいような気がするんですよね。
上の写真のように3Pプラグのアースがボディに接地してあるんですが、一時的にこれを止めてみることに。
これを外してもシャシー電圧には変化はありませんが、これまた出音に大きな影響が。
なんとなく出音が不安定に揺らぐように感じますし、音が丸くなって低域が薄くなってしまいます。
別に故障につながるようなことはないでしょうけど、これでは唸りがなくなっても肝心のサウンド面で落ち着きませんから、結局元に戻しました。
ただ、こうした試行でAC電源の汚れだけでなく、評判通りLINNはアースの影響で変化を受けやすいようですから、この際に仮想アースも外してシンプルな構成に戻しました。
他の機材との兼ね合いもありますから、アースを取れば解決という単純なものではないのですね。
多少の唸りはどのアンプでも多少はあるわけで、ここは唸りそのものを無くすのではなく制振の方向でいくことに。
何度か筐体を見ているうちに弱い部分も分かってきましたから、筐体の横壁に少しだけNRスポンジゴムを貼りました。
本来は基板の揺れも抑えたいところなんですが、放熱や絶縁の問題もあるので今のところはそこは未着手です。
また、トランスへの配線(ACインレットからと基板まで)も筐体の側面に触れないようにトランス自体の向きを変更して、とりあえずの対策は完了です。
ここまでいくつか対策をしてみると、唸りよりもむしろ音への変化がさらに高まります。
歪みが減って低域も量感が増えたように聴こえるのはどうやらプラシーボだけではなさそうです。
曲のテンポがゆっくりになったような錯覚もあって、このパターンはサウンドのバランスが良くなった時に感じがちな現象なんですよね。
制振対策は音にも影響大なようで、これがあるから各オーディオメーカーさんはどうしても重厚長大な方向に行ってしまうのでしょう。
そんな副次的効果はありつつも、唸り音もさらに耳障りなレベルから遠ざかったので、ここでひとまず集結にしておこうかと。
唸り音改善自体もうれしいポイントですが、今回の対策で改めてアースの重要性や筐体などの作りを知る上でも良い勉強になりました。
なお、今回のような施策はどれもメーカー保証の範囲外ですし、故障や火災などの重大な問題を引き起こす可能性もありますので、くれぐれも安易に真似しないようにお願いいたします。(誰もやらないと思いますが。)
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