冬場になってLINNのパワーアンプ「LK140」のトランスからブーンという唸り音が気になるようになりました。
トランス唸りの原因としてはAC電源へのDC波の混入が原因の場合が多いそうで、まさにうちの場合もそれかと。
LK140の機材固有の問題ではなく、以前もmicromegaでもトランス唸りはあって、どうも暖房器具などを多用する時期になるとひどくなるようです。
自分の家の中の暖房器具はTDKのノイズフィルターで自作した電源タップを経るようにして対策していますが、古いビルですから周囲の影響もしっかり受けているのでしょう。
もちろん設計上配慮されていれば唸りにくくなるんですけど、海外製アンプはむき出しのトロイダルトランスですからねぇ。
ということでダメ元でとりあえず色々と対処方法を検討してみました。
まずは外側からネジで留めてあるトランスのネジの緩みを締めましたが、これは筐体に振動が伝わってむしろ逆効果でした。
留めてあるのはまさにそのネジだけで、筐体の底板に共鳴して耳障りなんでしょうね。
そこでまずは元々のゴム足から先日スピーカーから退いた真鍮円錐スパイクとinakustikのスパイク受けをLK140の足にしてみました。
トランス唸り対策だけでなくインシュレーターとしての効果も期待して…だったわけですが、効果としてはむしろそちらの音への影響のほうが大きかったですね。
スピーカーはともかくとして電子機器の足回りで音が変わるというのもかなり説明が付きづらいんですけど、音像が締まった印象です。
アンプといえどスピーカーからの振動を受けているわけで、それで部品が振動することで音に変化が出るんでしょうか。
そうなるとあとはもう内部ですから回復してトランス部分を指先でコツンと弾いてみると、なにやら唸り音に似た響きの音が聴こえてきます。
ただ、音はどうもトランスや筐体とは別のところから聴こえてきていて、それを辿って行くとなんと電解コンデンサーでした。
大きいコンデンサーだとステイ金具が付いていたり、足元をグルーガンなどで固めてあったりするんですけど、LK140はコンデンサーの足だけで立ってるようです…。
本来ならグルーガンや結束バンドなどで固定しちゃうのが良いのでしょうが、それもちょっと手を加え過ぎだと思い、とりあえずコンデンサーの上面に制振ゴムを貼り付けることに。
これも防爆弁を塞ぐことになるのでちょっと気が引ける部分もあるんですが、上カバーに少し両面テープを貼って取り付けることにしました。
あとは一時的にプリアンプ側に移動させていた仮想アースをLK140に移して、当面の対策は完了です。
厳密に言えばまだトランス自体は唸ってますが、トランスが唸っても実際のリスニングポジションでそれが耳につくことがなくなったのは何よりです。
さらに対処するとすれば、DCサプレッサーを自作することでしょうか。
パワーディストリビューターの前段に装着したら面白そうだなぁと思いますが、それなりに部品調達と電子工作が必要なのが…。
できればキット販売とかがあれば良いのですけどね。