MAGICOからスピーカーシステム「S3」が国内発売されるそうで。
お値段がサテンフィニッシュのM-CASTで320万円、ハイグロスフィニッシュのM-COATで380万円(いずれもペア税別、送料別途)という高級スピーカーですが、基本的な構造にあまり変化のないスピーカーシステムの中では革新的な取り組みをしている同社製品なので、あえて取り上げてみようかと。
筐体にアルミを使ったものは他にもありますが、強靭そうなモノコック構造とポリカーボネートのサブエンクロージャーなど、箱鳴りを極力排したいという強い設計思想を感じます。
その分、コスト的にはとんでもないことになるんですけど、そういう存在がないと進化もないですからね。
スピーカーユニットもアルミニウム合金とナノテックカーボンのセンターキャップのウーファー、チタンボイスコイルのミッドレンジ、ベリリウム振動板のツィーターとなかなか独創的なチョイスですが、個人的には密閉型としている点も古くて新しいかなと。
最近はブックシェルフやトールボーイが主体になったことでエンクロージャーの容積がやや小さめになりましたから、バスレフが多い印象です。
これで低域はたしかに出るものの、ルームアコースティックの影響を受けやすいですし、昔のスピーカーよりもダンピングが上がっただけにポンポンと紙筒を叩いた時のようなバスレフくさい音が気になるケースが多いような気がします。
もちろん密閉型も良いことばかりではないんですけど、しっかりしたエンクロージャーだからこそ、現代的な密閉型が作れているのかなとも感じます。
あとはやっぱりお値段ということになりますが、雰囲気だけ真似して他社から出たとしてもやっぱりMAGICOと同じにはならないんでしょうねぇ。
スピーカー全体が無理だとしても、それこそサブエンクロージャーで中域やツィーター部分だけでもモノコック構造を取ったスピーカーがあったら面白いかもしれません。