MacBSの日常生活的日記

NANO-NP1を聴いてきました

久しぶりにOlasonicさんを訪問させていただき、NANOCOMPOシリーズのニューモデル「NANO-NP1」を聴いてきました。

話に夢中で写真を撮ってくるのを忘れてしまいましたが、少し模様替えされた試聴室にNANOCOMPOが一堂に設置されていました。
ちなみにスピーカーはKEFのLS50が用いられています。
#そういえばケーブル類もvan den Hulなどが使ってあったようでしたけど、聞いてくるのを忘れてたなぁ。

まずは気になるサウンドですが、一言でいえばやっぱりOlasonicらしい実直なサウンドです。
私自身、実はネットワークプレーヤーには環境面でも音質面でも懐疑的な印象が強めで、USB-DACと比した場合のメリットも以前はあまり感じられなかったんです。
その辺りの話をちょっと長すぎるほど熱弁してしまいましたが、音質的な不安感は完全に払拭されたと言って良いかと。

実はNANO-NP1、購入を検討していて、まさにその観点からも(ちょっと偉そうですが)「これならイケる」と感じました。
後述しますがギャップレス再生や細かな使い勝手、様々なネットワーク環境との相性などの問題は残存するにせよ、音質的な素性はまさにピュアオーディオのソレだなと。
NANO-NP1も純正アプリの完成度やNASとの相性などでまだ課題はあるようですが、最初にその壁を乗り越えれば、あとはひたすら快適に音楽に没頭できそうだなというサウンドを奏でていました。

Voyage MPDなどは頑張れば相当廉価に環境構築できますけど、やはり敷居が高いですし、DACとの同期が外れたり、音が途切れるといった「音質以前」の問題に直面することもありますから、やっぱりオススメしかねる部分があります。
そもそも私の場合、色々チューニングする間は別として、普段聴く際にはリラックスして心やすらぐ時間を過ごしたいですから、そういう余計な心配はないというのはやっぱり必須条件です。
もちろん、他社の市販製品も候補に入ってくるわけですが、DAC一体型のフルコンポサイズのものが多いですから、USB-DDC感覚でちょっと追加したいという私のニーズに合うのはやっぱりNANO-NP1なわけです。
組み合わせるDACでグレードアップも図れるという、オーディオコンポーネントらしい楽しみもありますし。

先ほども書いたように、もちろん良いところばかりではなく、課題もそれなりにあるようで、試聴室の環境は当然ながら万全なわけですが、NASとの相性やアプリについてはまだ解決すべき課題もあるみたいです。

まずNASとの相性については、NAS製造メーカーさんとも密に情報交換して対策を進めているとのことでした。
幸い、NASメーカーさん側も最近はオーディオを意識していますし、協業しやすい状況にあるのでしょう。
またNANO-NP1は最近の情報家電みたいにファームウェア更新が可能な構造になっているそうです。
相性問題などの不具合対策はもちろん、場合によっては機能拡張などもある程度、ファームウェアで可能な構造になっているとのことでした。
元々、Olasonicブランドを展開されている東和電子さんはオーディオ向けマイコンソフトウェアに多数の実績がありますし、当然ながら本機も自社開発ファームウェアが実装されているそうです。

ソフトウェアで言うと、コントロールアプリの「ナノコントローラー」も社内開発だと聞いて、ちょっと驚きました。
それだけにいきなり高機能なものは難しいようですが、外注任せでないおかげで、よりスピーディーで細かな対応が可能なんだとか。
iOS版はすでにバージョンアップがこまめに進んでいますし、他の汎用DLNAアプリとは違ってシンプルで分かりやすいUIをさらに洗練させていくのだと思います。

現状の不具合は以下の3つのソフトウェアで改善していく、ということで、すでに購入された方もこれから買おうかと迷ってる私もだいぶ安心感があるのではないかなと感じました。

・NASファームウェア : NASメーカーと協業して
・NANO-NP1ファームウェア : 自社開発
・コントロールアプリ : 自社開発

もう一点、最初の環境構築での煩わしさとなるのが楽曲の用意です。
iTunes Storeのハイレゾ対応の噂も出ていますし、手持ちの配信サイトからの楽曲であればタグもそれなりに付いていて安心ですが、CD(やSACD)はリッピングが必要です。
リッピング自体は「もうやってるよ」という方も多いでしょうけど、これまではiPodやスマホ想定でMP3やAACというケースも多いのではないかと。
もちろんそのままでもそれなりに良いのですけど、やっぱりせっかくならロスレスで…となりますよね。
そこについてはまた後日、XLDを使ったリッピングを紹介してみたいなと思っています。

また、コントロールアプリで快適に楽しむにはタグ情報も重要になってくるのかと。
配信購入などであっても結構タグに揺らぎがあったりで、アーティストがひと纏まりにならなかったり、タブレットで見るにはアートワークが精細じゃなかったとかありますからね。
先日紹介した「CDレコ」みたいに、この辺も含めてサクッとパソコンを使わずに出来たりすると快適なんですけどねぇ。
配信側もブックレットなども含め、パッケージと変わらないコンテンツを提供してほしいなとも感じます。
その点、LINN RecordsはブックレットPDFもダウンロードできる仕様になっていて、
さすが先駆的な取り組みを進めているだけのことはあるなと感心します。

タグ情報という点でもう一つ気になるのがwavでの配信です。
今のところ、FLAC(iTunes StoreはALACかな?)などの可逆圧縮フォーマットが多いですが、wavでの配信も結構あります。
ただ、wavではタグ情報が基本的には保管できないですから、コントロールアプリでの快適さは著しく削がれることになります。
圧縮しないことによる音質差や再生できるアプリの多さはあるのかもしれませんが、さすがにちょっと厳しいかなぁ。
非圧縮に拘るのであればFLACにもそうしたオプションはありますし、それこそ後でXLDなりで変換しても良いのかなと感じます。

試聴よりもこの辺りの話に真剣になってしまったので、(音楽を)聴いてきたのか、(使い勝手を)聞いてきたのか分からなくなりましたが、単にてんこ盛りに多機能な機材を作れば良いというのではなく、音楽を楽しみたいという思いが製品やソフトウェアに込められているのだと感じたご訪問でした。
今後もネットワークプレーヤーはどんどん推し進めていきたいとのことでしたし、そちらにも期待したいところです。

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