NOBUNAGA Labsの2.5mm4極MMCXケーブル「篠波」を導入してみました。
Campfire Audio DORADOに使ってきたPW AUDIO The Flashがすっかり緑化してしまったのと、2.5mmのケーブルも1本くらいは本気なのを持っておきたいなと。
篠波は4N純銀・金メッキ、4N純銀、6N OCCの3種を組み合わせた4芯構成となっています。
金メッキ純銀はちょっと細めで7本x3、4N純銀と6N OCCはそれぞれ3本x2というかなり凝った構成で、合計33本x4というものです。
金メッキのケーブルはイヤホン界隈では最近良く見かけますが、透明シースで見えるからという視覚的な部分も多少はあるのかもしれないですね。
メーカーサイトでは「優れた解像度と奥行、高さといった立体的な音場空間を実現。明瞭で広がりのある中高域とタイトに締まった低域、自然で広がりのある豊かな音」を生み出すべくこの構成になったんだとか。
早速DORADOに装着して聴いてみると、穏やかで自然だなというのがファースト・インプレッションです。
俗に言う銀っぽいキツさは感じられず、手持ちのケーブルではALO AudioのCopper 22に似ている気がします。
Copper 22と違って取り回しはとても良いので、扱いやすさも良い感じです。
また、位相の乱れが少ないので脳内でぐるぐるする感が少ないのが印象的でした。
静寂感が高いのは歪みが少ないからでしょうか。
DORADOはどうしても低域が暴れがちなのですが、ここが穏やかにバランス良くまとまりつつ、力強さもしっかり引き出されてきます。
艶やかさも癖を強く意識させない範囲の優雅さを感じるもので、弦楽器がとても艶やかです。
銀線っぽさが薄い分、中高域は見た目の雰囲気よりは少し控えめで、その影響か、女性ボーカルは少し鼻詰まり傾向が感じられるケースがありました。
ただこれは当初、Opus $1Sを使っていた影響もあったようで、そういう点ではDAPの性能差もしっかり表現してくれるといえるでしょう。
なお、iPhone周りでも一応試しましたが、スマホからのノイズは拾いやすい傾向ですし、当たり前ではありますが、しっかり性能を活かすにはDAPのほうがオススメです。
次はDAPをAK300+AK380AMPに変更してみます。
こちらはボーカルがとても近く感じるのが印象的で、距離もそうですが純度が高いので「密接感」が高まります。
2.5バランスでありがちな中抜け感も少ないですし、楽器の分離や音色も良好で申し分ありません。
アコースティックギターの音色が特筆ものでした。
そこでアンプをやめてAK300単体でも試してみました。
こちらでも繊細な細やかさは出ますし、空間表現も豊かなので、Opus #1Sより現代的な表現力があるようです。
これで十分な気もしたのですが、やっぱりAK380AMPの有無を比べてみるとやはりパワフルさが違っていて、とりわけ低域の芯の強さが異なってきます。
イヤホンも含めてケーブル以外の違いがあるので当然違って当たり前なのですが、このケーブルに変えてからDAPやアンプの違いに敏感になっていて、それだけ今回のケーブル変更でイヤホン自体の潜在能力を引き出せたような気がします。
ただ、さらに上を目指せば…という話でして、どの環境でも素直でクセはないので、その点でも扱いやすいケーブルです。
最近はワイヤレスの利便性に流されていて、本格的にはヘッドホンという使い分けになりつつありましたが、リケーブルを楽しめるイヤホンの良さもまた再確認できました。
ただ以前のようにいろいろ試すというよりは気に入ったイヤホンを厳選して長く楽しめたら良いなと思いますし、そのためにも良質なMMCXケーブルを手に入れられたのは良かったと思います。
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