OlasonicのNANOCOMPOシリーズのネットワークオーディオプレーヤー「NANO-NP1」ですが、サーバー側の環境も一応整ったので音質について書いてみようかと。
同軸や光デジタル入力もありますが、今回のレビューはあくまでもLAN経由、ネットワークオーディオとしての感想です。
またASRCはオフにするネイティブモードも用意されていますけど、今回は全て192kHzへアップサンプリングした状態で試聴しています。
なお、試聴環境は以下のとおりです。
[ デスクトップシステム ]
NP: Olasonic NANO-NP1
ルーター: Apple AirMac Extreme
パソコン: Apple Mac mini
USB-DDC: JAVS X-DDC(電源:第一電波工業 GSV500)
DAC: ATOLL DAC-100
Pre Amp: LINN MAJIK-IL
Power Amp: LINN LK140(低域側), LINN MAJIK-IL(高域側)
Speaker: DALI Royal Menuet IIUSBケーブル: ACOUSTIC REVIVE USB-1.0PLS
デジタルケーブル: Atlas Compass(NP), CHORD Signature Digital(DDC)
音声ケーブル: Atlas Cables Equator MKIII(ATOLL-pre), CHORD Chameleon Silver Plus(pre-LK140), QED Reference Audio Evolution(LK140-MAJIK)
スピーカーケーブル: QED Signature Revelation(高域側),CHORD Epic Twin(低域側)
電源ケーブル: KRIPTON PC-HR500+HUBBELL(ATOLL), Wire World STRATUS Series 5-2(MAJIK-IL), Accuphase APL-1(LK140)
まずはサーバーをLogitech Media Serverの状態で再生してみますと、いつもより音量が大きくなったように感じます。
そういったケースでは迫力があって音質が向上したケースが多いのですが、少々耳障りに感じるシーンも目立ちます。
同じソースをAudirvana Plusで同時に再生してみてもやはり全体的に音量が上がったように聴こえます。
単純にボリュームの違いというよりも低域の量感が増えているようです。
とりわけ、フォルテシモ部分で音圧感が強まる傾向で、それに比して高域はアップサンプリング特有の滑らかさと引き換えの丸みも帯びてきますから、やや好みが分かれるところかもしれません。
女性ボーカルは艶も乗って表現が上手い感じで、ここはASRCがデジタル信号の送り出しの正確性を高めているおかげかと。
ただ、ここでもアップサンプリングの功罪なのか、どうも輪郭が強調される傾向が全域にあります。
分かりやすくデジカメの写真に喩えるとすると、超解像をOnにしたような印象ですね。
もちろん前述のとおり、ネイティブモードを使えばアップサンプリングはオフにもできるので、これはあくまでもASRCの音傾向と考えて良いでしょう。
その証拠(?)というわけでもありませんが、元々からのハイレゾ音源ではUSB-DAC側との違いが薄まり、うちのシステムでチューニングされたバランスで鳴ってくれます。
むしろASRCでジッターが減った分、高域のキツさが収まり、よりオーディオ的な安定感を得ることができています。
あと、次回改めてレビューしますが、どうもサーバー側も音質面での影響があるのではないか?と感じ(使い勝手の面もありますが)、別のDLNAサーバーも試しました。
いくつか試したんですが結局、LINN MAJIK DSを導入されていらっしゃる@KAKU_corestudioさんにオススメいただいたMinimServerにしました。
操作性の件は次回に回すとして、音質面でもLogitech Media Serverに比べてMinimserverのほうが音がしなやかで上品な印象があります。
さきほど書いたような耳障りに感じるような部分がほぼ皆無になりました。
オーディオ用NASの存在が賛否両論だったりしますが、少なくともサーバーソフトウェアの影響は操作性や挙動だけでなく、音にもありそうに思います。
やや話が逸れましたが、以後はMinimserverで試聴しました。
こちらだとピラミッドバランスな低域の量感は相変わらずですが、国産オーディオらしい表現のされ方でPCオーディオ臭さが皆無なのは立派なものです。
USB-DACのほうはUSBケーブルや同軸ケーブルに拘ってみたり、DDCの電源を強化してみたりとかなり工夫を凝らしてようやくここまで辿り着いたんですが、同軸ケーブルでポンっと繋ぐだけですぐ同じ舞台に立てるというのは、まさに本機の実力を物語っていると言えるでしょう。
それだけにコントローラーやサーバー(こっちはNANO-NP1とは直接関係ありませんが)の操作性がまだまだ…と感じるのが残念です。
メーカー側で動作検証されたNASだとまた違った印象を受ける可能性もありそうですが、そもそもNANO-NP1にタブレットorスマホ、さらにNAS(場合によってはルーターも影響あり)というのは結構な敷居の高さ(お値段の面でもネットワーク知識面でも…)かと。
その観点から、次回は再度、Mac用でフリーのDLNAサーバーをいくつか比較しつつ、NANO-NP1との相性を紹介したいと思います。
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4 Responses
7月 21st, 2014 at 8:33 PM
今日はこちらから、こんにちは (^^;;
コントローラーのアプリも Olasonic のナノコントローラー以外にも試されてはどうでしょうか?
自分もナノコントローラーをダウンロードして、MAJIK DSをコントロールしてみましたが、うまく行きました。
iPadお持ちでしたよね?
無料で試せるアプリであれば LINN の Kinsky(iPhone か iPad で) と LUMIN の LUMIN App(iPad 専用)がいけるんじゃないかと思います。
7月 22nd, 2014 at 8:05 AM
KAKUさん、コメントありがとうございます。
コントローラーですが、Kinskyは曲送り以外は無事に動作しました。
使い勝手はちょっとクセがありますが、ナノコントローラー並み以上に軽快ですね。
LUMINはNANO-NP1が認識されず残念ながら使えませんでしたが、楽曲情報をアプリ側にキャッシュするような仕掛けみたいで良く出来ているなと感じました。
やっぱりどちらかと言うとサーバーのほうが鍵のような気がしますね。
有料ですが、Twonky Serverが安定しているのかもしれません。
7月 22nd, 2014 at 11:37 AM
なるほど、ナノコントローラーの組み合わせでは十分に動きませんでしたか。特にLUMINが動かなかったのは残念でした。
Twonkyは無料だった時のを試したことがあるだけですが、アートワークの表示に不満があったので、使うのを止めてしまいました。
サーバーが変わるとツリー構造とかが変わってきますから、お好みのサーバーが見つけられるといいですね。
7月 23rd, 2014 at 8:38 AM
KAKUさん、コメントありがとうございます。
LINNやLUMINは別にしても、DLNAと言いながら自社製品に限っているソフトも多く、やっぱりどうもDLNAには良い印象がありません。
NASに入っているのは大抵Twonkyだと認識してるのですが、アートワークは画像品質も含め、問題が多いようですね。
タブレットをリモコン代わりに気楽にという点も、iOSではコントロールパネルや通知をうまく活かしてあるソフトはまだ少なく、私の理想としてイメージするのとはまだだいぶズレがある感じです。
自分で作れ、と言われたら大変だろうなぁとは思うのですけどね。