Olasonicからテレビ用高音質スピーカー「TW-D77OPT」が6月下旬発売予定だそうで。
実は先日、東京出張の合間にちょっとだけ立ち寄らせていただき、発売前の製品を試聴させていただきました。
型番からお分かりのとおり、2011年発売とロングセラーモデルだった「TW-D7OPT」の後継的位置づけのモデルで、アンプ部はこれを踏襲しつつ、24bit/96kHzまでの入力対応と、スピーカー部変更に伴うアンプのチューニングが施されているとのことです。
そして細かいところかもしれませんが、表記が日本語に変わり、ボタンの配置も微妙に変更されて、よりわかりやすいものになっています。
個人的にはアンプ上面のパネルの色が輝きのあるシルバーから、落ち着いた色合いの反射の少ないものに変更されているのが良いなと感じました。
部屋を暗くしていたりすると、テレビの明るさで「光りもの」は視界に入ってきやすいですからね。
また価格は店頭予想価格で2万円台前半ということで、既発売のTW-D6TVとTW-D9HDMの中間くらいに設定されています。
スピーカーユニット部分はφ60mmのコーン型フルレンジ、背面にはφ70mmのパッシブラジエーターと、ほぼTW-D9HDMのものを踏襲していますから、コストパフォーマンスはおそらくいちばん高いのではないかと。
あえてアンプ部のデザインを変えずにもってきたのも、コスト配分をできるだけ音質向上につながるところに、という配慮の上だと思います。
もちろん、組み合わせるテレビによってはTW-D6TVで必要十分な場合もあるでしょうし、どこまでテレビの音質に投資するか、という配分で選べる候補が増えたと考えても良いかと。
ただ実際にその音を体感してみると、TW-D6TVとはかなり格の違いを感じました。
TW-D6TVはナレーションやトークなどを中心に改善してくるのに対して、TW-D77OPTは背景のちょっとした環境音やBGMまでしっかり分離しています。
言い換えれば、TW-D6TVの「しっかり聴き取れる」から、TW-D77OPTでは「しっかり聴かせる」サウンドにアップグレードできます。
特性上も前者の80-20,000Hzから45-20,000Hzに広がっていますが、スペック以上に帯域の広がりが感じられます。
アナログ入力を装備することも合わせて考えると、ミニマムコストなホームシアター環境と呼んでしまっても良いのではないかと思えるほどです。
実際、これからの4Kテレビやプロジェクターなどとの組み合わせにも最適でしょう。
逆に言えば、それだけ液晶テレビ内蔵スピーカーが、思っている以上に音が濁って混じっているのだということも最近痛感しています。
ちょっと前までは私も、なんだかんだで内蔵スピーカーでテレビの音を聴いていたんですが、引っ越しを機にTW-D6TVを接続しました。
それまでは「ながら聞き」(テレビ画面すら見ずに音だけ聞いてる状態)をしていて、番組のことが全く頭に入ってこなかったものが、TW-D6TVをつなぐと気にかかるトークやトピックがあると、ふと画面を覗くようになったんですよね。
今回、TW-D77OPTと内蔵スピーカーの音を比較させてもらうと、さらに驚いた発見がありました。
それはあんまり興味のないテレビ画面を眺めている時、内蔵スピーカーの場合は音を聞いているつもりが、実はテロップで情報補完していることに気づかされました。
そこまで言い切ってしまうと多少大げさかもしれませんが、内蔵スピーカーは小さなエンクロージャでテレビの筐体の振動も活用(?)して聞かせている都合上、どうしても混変調が大量に混じりこんだノイズのようなものに埋もれた状態になっているのだと思います。
そのため、雑踏の中で人の声を拾い聞きしているのに似たような状況になっているところがあるのかもしれません。
繰り返しになりますが、TW-D6TVはそこを脱却してくれ、TW-D77OPTではそこからさらに説得力のある音声+映像というステップに進むことができます。
さらに上を目指す場合にTW-D9HDMを選ぶかどうか、でしょうけれど、そこはむしろHDMI接続とBluetoothという部分にどれだけ重きを置くか、ということになるのではないかという印象でした。
アンプ部の性能差は当然あると思いますが、まずは入力ソースや操作体系による「文化」の違いみたいなもののほうが大きいように感じられます。
TW-D7OPTを検討された方なら御存知の通り、TW-D77OPTでも音量調整には付属のミニリモコンを使う形になります。
TW-D9HDMはオーディオ・リターン・チャンネルに対応したテレビならテレビ付属のリモコンで音量調整が出来るというメリットが出てきますので、お手持ちのテレビの対応状況にも大きく影響されるかと思います。
予定ではTW-D77OPTを発売前後くらいにお貸し出ししていただくことになっています。
その際には、手持ちのTW-D6TVとの比較はもちろん、テレビやPS3などに直接つないで、じっくりレビューさせてもらいたいなと思っています。
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