OlasonicさんからUSB接続のパソコン用スピーカーシステム「TW-S9」をお借りました。
先日のTW-D9HDMと大きく異なるのはスーパーツィーターを装備し、ハイレゾ対応を謳っている点と、USBバスパワーによる駆動という部分です。
スピーカー自体のサイズはほぼ同じですが、こちらはアンプ部が独立しておらず、スピーカーに内蔵されています。
ですので、配線もL-R間をつなぐステレオミニケーブルとUSBケーブルのみというシンプルさです。
まずは私のメイン機であるMac mini Mid 2011につないでみることにしました。
このマシン、まだUSB3.0未対応ですので、USB2.0での接続となります。
USB2.0接続の場合は最大出力が10W+10W(ダイナミックパワー)に制限されます。
ちなみにUSB3.0ですとこれが15W+15Wとなります。
さらに最初はお試しということもあって、外付けHDDなどをつないでいるセルフパワーのUSBハブにつないでみました。
この状態でひとまずAudirvana Plusで軽く鳴らしてみます。
まずDirect Modeですが、問題なく再生できました。
ただ、先日のTW-D9HDMが非常に好印象だったのに較べて、こちらはなんとなくシャカシャカしていて、もう少し下が出てほしい感じで、先日、Olasonicさんを訪問させていただいて試聴した時とずいぶんイメージが異なります。
また、Audirvana PlusのDirect Modeに限らず、iTunesでも、パソコンにCPU負荷がかかると音切れが発生してしまい、「これは何かおかしい」と感じて、USBハブ経由からMac miniそのもののUSB端子へとつなぎ変えました。
すると、さっきまでとは全く音の印象が変わって、シルキーな歪みの少ない再生音へと変貌しました。
高域のキツさも減って、低域の量感も増します。
外付けHDDの中に入っている音源を鳴らしているから、というのもあるのでしょうが、それ以上に電源の質に大きく影響を受けているのではないかと予測されます。
これまでもUSBバスパワーのスピーカーやUSB-DACを使ってきましたが、USBハブ経由でもここまで音切れが出たものはなかったので、もしかすると多少バッファ不足とか、ハードウェア的な違いもあるのかもしれません。
USB3.0での使用が「本来の姿」だというのもあるかもしれませんが、それ以上にUSB端子自体の質に影響を受けやすいようです。
ということで直挿しで本来の性能を発揮し始めたTW-S9ですが、色々と試聴していくと、フルレンジ+スーパーウーファーという構成になっていることで、高域がやや強調され気味なのかな、とも感じます。
TW-D9HDMと比較した場合に、低域の伸びがそこまでないのに高域側が強化されているからかもしれませんが、私自身としてはTW-D9HDMのほうが素直なバランスのように感じる場面もありました。
ただし、そうは言ってもそれはTW-D9HDMや本格的なオーディオシステムと比較した場合の話でして、そのサウンド自体は余計な付帯音もなく、定位も明瞭で良質なものです。
ややボーカルが鼻にかかっているように感じるところもツィーターのクセかなと思いますし、ややPCスピーカー的な色付けがあるような印象も受けましたが、それでもTW-S7とは比較にならないほど、高い次元で「ピュアオーディオ」として捉えた場合の話です。
TW-D9HDMとの差についてはアンプ部が独立している点もあるでしょうが、なにより電源の重要さを感じるところです。
ハイレゾ対応も重要ですが、やっぱり基礎的な部分へのコスト配分の重要性も改めて感じました。
基本はUSBバスパワーでも良いと思いますが、USB2.0で使用する方のために、できれば外部ACアダプタも使用できるようになっていれば、より良いのかなと。
電源入力端子はTW-S9にはありませんが、電源別供給のUSBケーブルを出してもらえれば、それでも良いかもしれませんし、他社のそういったグッズを活用するのも音質改善につながるかもしれません。
USB3.0に対応したMac miniもありますので、後日そちらでもレビューしてみたいと思います。
また、今回からアナログボリュームが装備されたのも大きな進化点でしょう。
デジタルボリュームで音量を変えるのと、右スピーカー横のアナログボリュームでの音量調整で比較もしてみましたが、どちらでも特に音質的な優劣はないようです。
サクッと音量を絞りたいときに便利なのはやはりアナログボリュームのほうですし、パソコンで作業中だとOS上のボリュームなどのほうが手が届きやすい場面もあるでしょう。
そこはうまく使い分けても問題ないと思います。
今回も2週間ほどお借りできることになっていますので、ノートPCでのハイレゾ音源再生、そしてUSB3.0接続での音質差、アナログ入力の活用などをレポートしていきたいと思います。