audio-opusのデジタルオーディオプレーヤー「Opus #3」を入手しました。
Opusシリーズは#1、#1sと使ってきて、ほぼつけっぱなしで放置しておいても良いという部分や曲スキャンの速さなど、とても使い勝手が良く気に入っています。
ただバッテリーにやや難があって#1sはバッテリーが膨らんで蓋を押し開けるほどになり、互換バッテリーに交換しました。
容量がちょっと少なめなので実質駆動時間が短くなったのと、さらなるバッテリー交換にはAliくらいしか調達場所がないのもあって別個体を入手しようと思ったわけです。
#1sとの大きな違いは筐体が金属製というところでしょう。
#1や#1sのプラスチックな筐体も扱いが気楽で良い部分もありますけど、DACチップがPCM1792Aになったこともあって放熱の問題もあったのかも。
ちなみに#1はCS4398のデュアル、#1sはCS43198のデュアルです。
PCM1792AというとPLENUE Sと同じで、どちらもDSD256までネイティブ再生です。
イヤホン端子は3.5mmアンバランスと2.5mmバランスの一般的なもので、4.4mmじゃないのが気になる方もいらっしゃるかも。
見かけは独自OSですが実際はAndroidのカスタムなので、ストリーミングやDLNA対応もしています。
DLNAの標準アプリだと曲順がおかしい場合があったりしてお世辞にも使いやすい感じではないですから、そのあたりはオマケと思ったほうが良いですけどね。
Bluetoothはコーデックが不明なのが残念ですが、電波の状態は安定していて音切れはないみたいです。
PLENUE Sは結構熱くなるので心配でしたが、そこまでではありません。
再生時間は8.5時間(#1sで11時間)とやや短めですけど、ハイレゾ再生時で2.5バランス使って実測だとだいたい10時間くらいでした。
44.1kHzなら14時間くらい保ちそうです。
スタンバイが長持ちなのも健在で、夜聴いてそのまま翌朝9時間後にチェックしても2%くらいしか減ってないのは本当に便利です。
ファームウェアは届いた時点で1.00.06と最新になっていました。
音質は大まかに言うと上品で低歪みという印象です。
広がりがあって中高域はほんの少し強めですがキツくならず華やかさを感じる程度の味付けです。
低域の分解能は高めで、とりわけ弦楽器では下が伸びるので厚みが出る印象です。
またS/Nも良くピアニシモの描写も細かいですし、ボーカルに艶があって、シンバルなど楽器の分離も良くて音階も明瞭、さらにベースの音が深みがあり、ゆとりが感じられます。
音の隙間の静寂にハッとさせられることがあるのはとりわけS/Nのおかげかなとも感じました。
そうしたスペック的な背景もありつつ、ラテンのようなノリの良さも持ち合わせていてバランス取りが上手いです。
世評を見るとアナログ的と言われるようですが、なんとなく分かる気がします。
他の手持ちのDAPとも少し比較してみました。
iBasso DX160はオンマイクな雰囲気でボーカルが近く、若干硬質でドライな印象です。
低域は量感はあるものの、ややボヤけるところがあります。
少しエコー感というか、特に弱音部で滲む感じが出るのはAndroidを通した音という先入観もあるかもしれませんが、少し上っ面をなめたような心に刺さりにくい表面的な印象は受けます。
表面のザラつきのような感覚があってピアノにもエコー感があり、やや装飾的にも感じられます。
特に不満があるわけではないですけど、喩えるならばテープモニターを聴いているような雰囲気を感じることがあります。
PLENUE Sは同じDACチップですが、若干新しい上の2モデルと比べると少し古くさい部分も感じ取れます。
喩えるなら据え置きオーディオのCDプレーヤーっぽい雰囲気です。
音数は他より多いのですが、なんとなく分離が不明瞭になる時があって意外と硬めの音調です。
OSの影響は受けてない印象の音でオーディオ的ゴージャス感もありますが、それが逆にオーディオ的ケレン味と感じられる部分もあって音質評価なら優秀だろうなぁと。
良い点でいうと、ピアノは硬質さが合って生に近い質感が出ていると感じました。
同じチップでもこれだけ印象が違うものだというのはちょっと面白いところです。
こんなにDAPばかりあっても仕方ない気もしますが、少なくともOpusシリーズは手放すことなく使い続けるだろうなと思います。
できればこの路線のプレーヤーでニューモデルが出てくれると良いのですけど、OpusもPLENUEも出してくれそうもないですね。
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