• 132月

    Oriolusのイヤホン「Finschi」を導入したばかりですが、あまりに気に入ってしまい、ついつい上位モデルの「Forsteni」をゲットしてしまいました。

    Finschiは1BAとダイナミックドライバーという構成でしたが、こちらはBAが2つになっています。
    見た目はわりと似ている感じですが、ケーブルがPWAUDIO The No.5 JP ver.になっているのがいちばん目立った違いでしょう。

    布袋が印象的でもありますが、それ以上に音傾向がだいぶ異なるなというのが第一印象でした。
    2BAになってもダイナミックドライバー搭載なので低域は量感は別にして同程度かと思いきや、30Hzくらいからかなり落ちていくようなチューニングのようです。
    そして2BAになったからというわけでもないでしょうが、中高域はかなり刺さりやすい傾向なので、まずはイヤーピース選びから迷いました。

    イヤーピースはひとまず二段きのこから始めました。
    基本的に純正と相性が良い傾向はFinschiと同様です。
    遮音性も上がるので、繊細な描写もしっかり聴き取れるところも最初に選んだポイントではありました。
    ボーカルが近くて濃密でして、これがまさにForsteniのいちばんの魅力とも言える点かと。
    かなり思い切ってリスニング寄りに振ったバランスで、ボーカル帯域を中心に、埋もれてしまいそうな細やかな描写を引き立たせてきます。
    もう少し低域が伸びても良いかなと感じますけれど、その特色を引き立たせるため、あえてそこを抑えてあるのかもしれません。
    良質なブックシェルフのようなバランス感覚です。
    その上で広がりや装着感などを総合的に考慮して、現在はまさに標準のイヤーピースに戻してあります。

    ただ環境によって表情をガラッと変えてくるのもまたForsteniの特徴でして、AK300単独だと1BAのような雰囲気だったり、ある時にはPiano Forteを彷彿とさせるような響きを感じたりといった具合です。
    とりわけHiFi-M8との相性がとても良くて、これで鳴らすと別人のような鳴りっぷりになります。
    また、HiFi-M8はゲインや出力インピーダンス等を調整可能ですが、この出力インピーダンスをやや高めに設定したほうがバランスが良い傾向を感じました。
    最近のDAPだと1Ωくらいとか低めのものが多いはずですので、むしろ据え置きくらいに高めのほうがバランスが良いかもしれません。

    女性ボーカルがお得意な傾向はやっぱり強いですけれど、アンプがHiFi-M8ならレンジも質感も不満がないどころか、とてもリラックスして楽しめるものになります。
    聴いているほどに、こんな音が入ってたんだ!という発見があるという点でもやはりハイエンド感のあるイヤホンと言えそうです。
    Forsteniをしばらく聴いた後でTWSなど別のイヤホンを聴くと、ただ音が流れてくるだけに感じるケースもあって、Forsteniは心に訴えるものが濃厚(濃い音という意味ではなく)なイヤホンなのかなと感じた次第です。

    Finschiとも比較してみましたが、正直こちらのほうがオールマイティなところはあるかもしれません。
    ただ、それだけに(Oriolusにしては)凡庸なサウンドでもあるでしょう。
    Forsteniのボーカルの近さと生々しさを味わうと物足りなく感じる部分もありますが、コストパフォーマンスを考えたら恐ろしく素晴らしいものですし、低域もガッシリしているのでジャンルを選びません。
    外に持って歩くなら迷わずこちらを常用すると思います。

    あとはケーブルの差がどれくらいあるのか…などを交換して試してみると良いのでしょうが、今回はここまでといったところです。
    Forsteniは予想より多少(かなり?)クセはあるようですけれど、それが気にならず音楽に引き込まれるところが不思議な魅力です。
    それぞれの楽器が瑞々しく引き立っているので、旋律の妙や音色にゆったりとした時を過ごせる気がします。
    双方とももう少し使い込んでみて、また比較や音質面ついては掘り下げて書きたいなと思っているところです。

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    Filed under: Audio
    2020/02/13 2:30 pm | Oriolus Forsteni レビュー 到着編 はコメントを受け付けていません

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