オヤイデ電気さんからお借りしているレコードスタビライザー「STB-MSX」とマルチユースカーボンパイプ「STB-CM6」ですが、色々と使いこなしも試してみたのでそろそろ音質に触れてみようかと。
せっかくカーボンパイプもお借りしたのと、YAMAHAのレコードプレーヤー「YP-D51」はそれほど強力なモーターというわけでもなさそうなので、まずはカーボンを3個使い、中間の重さで聴いてみます。
この状態で200g+40gx3+4gx3=332gということになります。
なおホームスケールで実測してみたところ、ほぼ同じ332~333gでしたし、フルウェイトでも定格の440gに対して441gでした。
さて音の変化ですが、これは一聴して分かる程度のものがあるかと思います。
アナログプレーヤーはどこを変えても変化が分かりやすい傾向ですけどね。
高域の尖りが減ってしなやかになり、楽器の分離が非常に良くなっています。
また、フォルテシモ部分での歪みが目立たなくなったような気がしますが、ちょっとうるさい音になった印象もあります。
比較のため、STB-MSXを下ろして再生してみると、音のバランスがグッと高域寄りになり、浮足立った印象が出てきます。
それが普通にイメージされるレコードっぽい音とも言えるわけで、STB-MSXはやはり現代のレコード再生を意識したスタビライザーと感じました。
次に全てカーボンに変更して224gで聴いてみると、低域とのバランスという点では中間くらいの印象になります。
反面、高域のしなやかさはスタビライザーの良さが出ていますが、全体にややカーボンの響きが出ているように感じる部分もあります。
スタビライザーの底側にはウェイトスペーサーとしてEPDMゴムが敷いてありますが、これとの相性もあるのかもしれません。
逆にフルウェイトで聴いてみると、こちらはよりしなやかなに静粛性が上がった印象のサウンドです。
こうやって聴き比べてみると、やっぱりカーボンを混ぜた場合には音にその響きが乗っているんじゃないかな、と感じてしまいますね。
もちろん実際には重さによる変化のほうが大きいと思いますが、別の材質を使ったスペーサーも試してみたい気がします。
なお、ディスクによっても重さとの相性があるようで、オルガンのディスクではSTB-MSXのフルウェイトが非常に良い相性を聴かせてくれます。
スタビライザー無しの場合にどうしても出てくる微妙な揺らぎが減り、安定感抜群のサウンドになってくれるのが功を奏しているのでしょう。
ここでカートリッジを別のものに変更してテストしてみると、こちらはフルウェイトのスタビライザーを載せると高域の伸びがやや減ってしまうようです。
さきほどのディスク同様、カートリッジでも相性があるみたいで、そうした変化を楽しむのもアナログディスクの醍醐味でしょう。
うちのプレーヤーの場合、全般的にオールマイティーなのはカーボンを3つに入れ替えた中間重量のバージョンかな。
ちなみにSTB-CM6はスタビライザーの用途だけでなく、ケーブルスタビライザーやインシュレーターなどに流用することもできるとのこと。
交換ウェイトとしてだけで捉えるとややお値段が高めの印象を受けますけど、パイプ状のカーボン素材はそうそう入手不能ですし、アイデア次第で色んな場所で活躍してくれるチューニング材となりそうです。