PLATANUSから新しいMCカートリッジ「3.0S」が発売になったそうで。
PLATANUSは助廣哲也氏のオリジナルブランドですが、最近の有名ブランド製カートリッジで彼の手によるものも多いと耳にしています。
特に若手のカートリッジ職人さんとしては稀有な存在と言えるでしょう。
今回の3.0Sは鉄心入りということで、空芯よりも力強さが期待できそうな気がします。
マグネットもN45ネオジムが使われていて、通常のN35やN40に比べると最大エネルギー積が高くなっているみたいです。
残留磁束密度や保磁力が大きいのは当然ですが、J-H減磁曲線の角型性が優れているので、コイルや外部からの磁界の変化の影響を受けにくく、発電の線形性も高くなるんじゃないかと予想されます。
ちなみに従来モデルは「ネオジム」とだけ記載されていますし、あえてサマリウムコバルトを使うメーカーもありますね。
サマリウムコバルトのメリットとしては耐熱性が高いようですが、音色的な意味合いもあるのかもしれません。
また、PLATANUS 3.0のほうはコイルコアとヨークの位置も改良されてトレース能力も改善しているとのこと。
カンチレバーはA2017アルミニウム合金のテーパー形状のもので、オーソドックスさを保ちつつも現代的な方向性の良さを上手くミックスさせているような気がします。
筐体もA6063アルミニウム合金とA7075アルミニウム合金を使っていますから、自重は11.5gとわりと重いほうかもですが、2.0Sなどと比べたらだいぶ軽量化されています。
針圧は標準2.0gなので、こちらは標準的です。
お値段は税別35万円なので、かなりの高級カートリッジなのは間違いありませんが、ブームといいつつも作り手はどんどん減っている業界でもありますし、良いモデルをじっくり作り続けてもらえたらうれしいなと思います。