NordostのRCAケーブルが接触不良っぽいということもあり、代替要員としてQEDのインターコネクトケーブル「Qunex 4S」を導入してみました。
先日のスピーカーケーブル「SILVER ANNIVERSARY」でQEDの音傾向も分かっていましたし、コネクタ部分がLINN Black Cable同様、しっかり装着できる構造というのも選んだ理由です。
コレットチャックのほうがさらに確実ではありますが、あれはあれで奥の方に設置した機材から外す時に不便なところもありますし。
ケーブル構造としては純銀コート銅線の4芯、シールドはアルミと編組された純銀コート銅という内容です。
現行製品だとEvolutionに近い内容でしょうか。
届いたところで慣らし運転がてら、LK140からMAJIK-ILのパワー部に戻す高域側のインターコネクトとして使ってみます。
全般的な感想としてはやはり同じQEDだけあって、先日のスピーカーケーブルに似ている雰囲気で、解像度が高く意外と現代的な音色です。
ただ、スピーカーケーブルの時ほど鋭さばかりが目立つ感じではなく、滑らかさや艶を残しつつHi-Fiな現代調になった印象です。
とりわけ聴感上のセパレーションが良くなりつつ、楽器の輪郭が明確になったところが良いですね。
位相の乱れが減ったという雰囲気で、音の良い音源はさらに良くなる感じですし、そうでもない音源ではやや粗も目立つものの、ソツなくこなしてくれます。
システム全体としてはDALIがよりDALIらしく鳴る雰囲気になりました。
高域の情報量が増えた分、スピーカーの音傾向はそのままに改良版になったような感じといったところでしょうか。
とりわけピアニシモの分解能が上がっているので、楽器の細かな音使いが伝わってきやすくなりましたし、低域にも良い影響が出て滑らかでありつつ透明感の高い音色になった気がします。
楽器別にみると、ヴァイオリンでは情報量が増え、楽器ひとつひとつの表情がしっかり聴き取れるようになりつつも、弦の擦れも穏やかになって荒立った表情が薄まるように感じます。
他の楽器でもそうですが、全般的に暴れ馬なスピーカーやアンプを手懐けるのには良いケーブルなのではないかと。
逆にピアノでは音源の粗が見えるケースもあるのか、余韻が揺らぐように感じるケースがあります。
ただ、スピーカーセッティング上の背面反射が目立つようになった可能性も高く、そういう部分では音の変化を聴き取りやすくなっただけかもしれません。
これまで使っていたNordostと(もちろん調子が良かった時前提で)比べてみますと、QEDのほうはやはりよりDALIらしさを活かせているようです。
Nordostは穏やかで優しい表現ではあるのですが、まだラテン的な色合いを含んでいて、QEDのほうがLINNやDALIの暖色系の薄暗さにはフィットしているのだと思います。
もちろんNordostにも良さがあって、チェロはNordostのほうが響きが豊かで雰囲気が出ていた気もします。
QEDだと楽器自体の鳴りと言いますか、ある種のヤニっぽさが薄まって、音源そのものの響きになってしまうようなんですよね。
全般的には非常に優秀なケーブルで、当面は今の高域側で使ってみようかと。
そのうちNordostもプラグ交換したいですし、Mark Levinsonのケーブルとの入れ替えなどで適任の場所も探ったりして、しばらく楽しめそうです。
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