MacBSの日常生活的日記

RATOC REX-Link2EX レビュー 音質編

RATOCさんのモニターキャンペーンでいただいたワイヤレスオーディオシステム「REX-Link2EX」ですが、少し間があいてしまいましたが音質についてのレビューをしてみようかと。

なお、DACチップにはAK4353が採用されてるそうで、チップ自体は24bit/96kHzまでの対応ですが本機はワイヤレス転送ということもあって16bit/44.1kHzのみの対応です。
ちなみにRATOCさんによると、AK4353を採用したのはデジタルボリュームやアナログフィルタ、さらにはS/PDIF出力用のDIFなどをチップ内に内蔵していることも理由の一つだとか。
シンプルな構成でデジタル部のコストダウンを測りつつ、オーディオ用コンデンサや電源ノイズフィルタなどにその分のコストを割いたようです。

音質レビューと言いながらハードウェアの紹介が続きますが、ACアダプタは5V2Aのものが付属しています。
差込口にアダプタがあるタイプでコンパクトなものですが、AMラジオを近づけても比較的ノイズも少なめでわりと良質なものです。
また、別売専用電源ユニット「RAL-PS0514」もありますけど、手持ちのアダプタを色々試してみた感じですとそれほど大きな変化はなく、むしろ通信状態を良好に保つのが音質の鍵かと。
音が途切れない状態を保てば、いわゆるジッターが少ないと感じる安定した音になりますし、低域もしっかり出てきますが、通信状態が悪いとノイズにまで至らなくてもゆらぎが出たような不安定な音になるように思います。

ということで前回の設置時はワイヤレス通信がかなり不安定でしたが、Bluetooth機器から遠ざけたり設置場所を検討することでそこそこ安定しましたので、その状態でのレビューとなります。
視聴環境としては以下のとおりです。

Player: Mac mini + Audirvana Plus
ワイヤレス・システム: RATOC REX-Link2EX
DAC: ATOLL DAC100
Amp: Micromega Minium Amp 2
Speaker: DALI Royal Menuet II

Audirvana PlusではDirect Mode、Integer Modeともに問題なく動作しています。
まずはアナログ出力で聴いてみると、音量がかなり小さいなと感じます。
ATOLL DAC100が出力レベルが多少高めというのもありますが、先日お借りしたRAL-DSDHA1はそれ以上に大きかったので、かなり違うなぁと。
公式サイトの定格には記載がありませんが、ATOLLと比べてアンプのボリュームで4目盛り以上小さいですから、1.5Vrmsくらいでしょうか。

音量を揃えながらATOLLと比較試聴してみますと、高域はやや華やかですが全体的にまとまりのある落ち着いた音です。
これが初めてのUSB-DAC的な機材だったりすると、過剰な期待感から場合によってはちょっと地味に感じてしまうかもしれません。
傾向としては以前モニターさせてもらったRAL-2496HA1に似ていますが、音質だけで言えば機能がシンプルなだけにRAL-2496HA1のほうが優秀かな。

この機種は光デジタル出力も持っていますから、これでATOLL DAC100に繋いでみると今度は真面目なガッチリした音になりました。
ワイヤレス転送がしっかりされていればDDCとしての性能はかなり高いもののようです。
我が家ではAirMac ExpressでAirPlayも良く使ってますが、これはアナログ出力だとそれなりですけどデジタル出力をDACに繋いでみるとジッターがかなり多いんです。
AirMac Expressのデジタル出力はあまりにジッターが多すぎてDACによっては音がプチプチと途切れてしまうケースがありますけど、REX-Link2EXではそうした現象が起きづらいのはデジタル信号の安定性の高さを物語っているのだと思います。

また、これは音質そのものとは関係ありませんが、USB-DACとは比較にならないワイヤレス転送のレイテンシですけど、REX-Link2EXではそれが比較的少なくて動画視聴もギリギリでリップシンクを維持して見られるというのは意外でした。
AirMac Expressだと下手すると秒単位で遅れますから、REX-Link2EXでは音声が非圧縮で伝送されている恩恵かも。

反面、これを見ても音声バッファは小さめなようで、それが通信状態を不安定にすることにもつながっているのではないかと。
せっかく双方向通信で受信状況確認機構が搭載されていても、バッファが小さいと結局は出音が途切れてしまいますからねぇ。
バッファを調整できる機能や送信側のアンテナ強化がされれば、本来の性能がフルに発揮できるのではないかというのが、唯一残念に感じた部分でした。

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