電磁界強度テスタでいろいろ計測した結果を反映して、ACOUSTIC REVIVEの電源タップ「RTP-4 absolute」を中心に配置変更することにしました。
直前までの状態は上の写真のとおりで、アンプ用とデジタル系に分けて以下の配線になっています。
[ アンプ用 ] : (ACOUSTIC REVIVE POWER STANDARD TripleC 2芯NCF仕様)
Accuphase C-280L
Accuphase P-550 : (ACOUSTIC REVIVE POWER SENSUAL-MD)
庭からのアース
ACOUSTIC REVIVE RGC-24 TripleC-FM[ デジタル系 ] : (ACOUSTIC REVIVE POWER SENSUAL-MD 2芯仕様)
Accuphase DP-77 : (ACOUSTIC REVIVE POWER STANDARD TripleC 2芯仕様)
AKURATE DS : (ACOUSTIC REVIVE POWER STANDARD TripleC-FM)
AKURATE DSからのアース戻し
ACOUSTIC REVIVE RPC-1
その前にもAKURATE DSの電源ケーブルはCardas Golden PowerからACOUSTIC REVIVE POWER-STANDARD TripleC-FMに変更してありましたが、電源ケーブルも上記のカッコ内のように使ってありました。
変更を考えたのは電磁界強度テスタで磁界強度を測った際、大きな電流が流れるパワーアンプ、そしてアンプ用電源タップの接続部分を中心に高い値を示す傾向だったため、これを弱電系の電源周りやスピーカーケーブルも含めた信号系から可能な限り離そうという意図からです。
電源タップ自体はアナデジ分離しても、やはり物理的に電源タップを離したほうが良いのではないか?という推測を検証してみようという思いもありました。
もちろんそれに伴って電源ケーブルの使いどころや種類も強電系を主体に見直そうというわけです。
まずはパワーアンプの電源ケーブルを交換してみたらどうなるか?というところから試していきました。
APL-1やCardas Golden Powerなども使ってみましたが、ケーブル部分の磁界強度は下がる傾向だったものの、プラグ付近では逆に高めになってしまいます。
どうも電気抵抗が高くなった部分で高い値になるようで、ビオ・サバールの法則から単純に考えると電流と距離でほとんど決まりそうなものですが、実際の計測値はもう少し複雑な事情が絡んでくるみたいです。
ひとつには電源ケーブルは撚り線が基本でそれをさらにスターカッドなどにしてあるはずですから、そうした構造によってケーブル部分では打ち消されたように見えても、実際には複雑に入り組んだ磁界が生まれてしまっているのかもしれません。
ただCardas Golden Powerは短いため、暫定的にパワーアンプに近づけざるを得なかったのですけども、ここで大きく音が変わったことに気づきました。
Cardas自体はやや膨らんだ音像を生んでしまう傾向ですが、音の勢いが感じられます。
迷いがない感じで音が抜けてくる印象と言ったら良いのでしょうか。
そこでその位置のまま元のPOWER SENSUAL-MDに戻してみると、勢いそのままにMDユニットの切れ味とシャープな音像が戻ってきます。
正直最初は理由が良く分からなくて実際にはもうちょっと試行錯誤があったのですが、結果的には電源タップを離したことが功を奏したということに気づいたというわけです。
「よし、それならば思い切って動かしてしまえ!」とP-550の側にアンプ用の電源タップを持ってきました。
最初は右スピーカー横のスペースへの配置も考えたのですが、そうするとスピーカーケーブル近辺をパワーアンプの電源ケーブルが通らざるを得ず、電源タップ側面からの影響よりもそちらのほうが大きいだろうと推測した次第です。
さらにこれまで置き場所がいい加減だったRGC-24 TripleC-FMを本来使いたかったパワーアンプのトランスの下に置きたいというのもあったわけです。
実は以前もパワーアンプに繋ぐのは試行していて、どこよりも効果が高かったのですけども、P-550もご多分に漏れずシャーシにアースが落ちていない仕様のようで、シャーシにRGC-24 TripleC-FMを接続するとノイズが出てしまうという問題が起こり、使用を中止してしまった経緯がありました。
そのため、接続先は電源タップのグラウンドのままとし、仮想アース本体はP-550の電源トランスの下に置くという回避策を考えついたわけです。
この目論見は大正解で、アースの効果が一段と強化されて、音像がビシッとシャープに定まるようになりました。
スピーカーの駆動力までグッと向上したかのように、802の各ユニットが唄うように鳴ってくれています。
さらに電源ケーブルの配置を見直していって、結果的にはデジタル系に使っていたMDユニットをアンプ用の電源タップと入れ替えることにしました。
パワーアンプでは2つのMDユニットを通した形ですが、プリアンプの電源ケーブルが直生えで交換不可なこともあり、効果が上がったのかなと推測しています。
また電源タップのMDユニットを支えていたケーブルインシュレーター「RCI-3H」はスピーカーケーブルを電源ケーブルから離すためと出音への効果から移動させ、ヒッコリーボードの上にMDユニットを置くことで代替することにしました。
出音としては低域の力強さが増し、高域に多少出ていたキツさが減っています。
帯域バランスがナチュラルで繋がりが良くなったこともあってか、楽器の音に芯が通りつつ、ボリューム感も出て線の細さが解消されました。
もちろんアースが強化されたこともあって、定位も非常に安定しています。
ラック裏を通る電源ケーブルも細かく見直して、特にフォノ系の配線から電源ケーブルを極力離すようにも心がけましたし、CDプレーヤーも電磁波対策を強化しましたから、全てのソースで効果が高まったように感じています。
今回変えたのは電源ケーブル、電源タップと仮想アースの配置、それに電源ケーブルや信号ケーブルの取り回しのみで、一切のアクセサリや機器は追加していません。
むやみに機材を追加する前にやるべきことはまだまだ沢山あるのだなと思い知った次第でもあります。
もちろん良い素材あってこそ、ではありますが、趣味を極める中では「弘法筆を択ばず」の精神も忘れないようにしたいと感じた配置換えでした。
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