ACOUSTIC REVIVEのアコースティック・コンディショナー「RWL-3」ですが、どうもリスニング用の椅子に普通に腰掛けた状態より10cmほど下がったほうが音場や定位に安定感があることに気づきました。
通常の耳の高さはおよそ1mほどで、これがスピーカーでいうとスコーカーの下1/3くらいに相当します。
通常はツィーターあるいはツィーターとスコーカーの中間くらいが良いとされていますから、本来ならこれでも低いくらいのはずです。
10cmほど下がった90cmというとMatrix 802 S2ではウーファーボックスの天面くらいですから、音のバランスとしては低域寄りになるのですが、実際に聴いてみると「ここに音の世界が広がっていたのか!」と思うくらいの違いがあります。
RWL-3は高さが1160mmあり、Matrix 802 S2は1040mm、クォーツアンダーボードやサウンドケアのスパイクを入れても1110mmなので一応高さとしては足りています。
ただ、ACOUSTIC REVIVEさんに質問してみたところ、基本的にはツィーターの位置がRWL-3の真ん中になるくらいが良いのだそうです。
もちろんそうすると低域側がカバーできなくなりますから、Matrix 802 S2のように高さがあるスピーカーの場合は特注の長いバージョンが理想だそうです。
ただ低域より中高域のほうがやはり優先でしょうから、物は試しとその辺に転がっていたウッドブロックでかさ上げしてみました。
高さとしてはちょうど10cm程度しか上がっていませんが、これで普通に座った状態でもしっかり定位が安定し、首を動かしてもボーカルが動かなくなりました。
音のバランスもさきほどまでの90cm高で聴くよりも断然良くなり、ピアノの音色も厚みを増しつつ、鮮度のあるものになった印象です。
今のセッティングではやはり背面の窓であったり、右は壁と条件が違う辺りの影響が大きいのでしょう。
窓をなくすか、部屋を横使いすることも将来的には考えたいですけど、それはそれでまた別の問題が出てきますし、RWL-3のおかげでずいぶん助けられています。
これまではツィーター上部は5cmしか余裕がなかったわけで、それが15cmくらいになっただけでもずいぶんとルームアコースティック上の改善幅は大きいものでした。
実際には後ろの壁に反射して戻ってくるのは天井まで関係しているはずですが…。
それならばとダイヤトーンのウッドブロックも融通しまして、さらにかさ上げしてみることに。
これでRWL-3の上面の高さは1347mmほどになりました。
これでもっと良くなるはず…と思ったのですが、残念ながら低域が濁ってRWL-3を入れていないような雰囲気になってしまいました。
やはりアドバイスのとおり、低域でも影響があるようです。
ではその中間でかさ上げの素材も関係あるかも?と考え、ダイヤトーンだけにしてみました。
これだと高さは1277mmほどになります。
さきほどまでの低域の濁りは軽減され、ピアノの音色に芯が通った感じがしますし、低域の沈み具合も良さそうです。
ただしばらく聴いてみるとどうも全体におとなしい感じで、低域も濁りこそないものの、やや鈍い印象です。
これはどうもケーブルインシュレーターの時に感じたのと同じで、ブロックの音が乗っているのではないか?と感じました。
RWL-3や床を通じてブロックの響きが乗るのかもしれませんし、もちろん高さの問題もあるのでしょう。
結果的には最初の状態に戻すことにしました。
素材の異なる木材を貼り合わせて使っているからか、こちらの方が余計な響きが入ってこないですし、低域の被りも少ないようです。
やはり本来は低域から高域まで全体をカバーするのが理想ということなのでしょうが、この高さなら底上げした部分はクォーツアンダーボードとスパイク部分に入れたWS-1で対処できているようです。
今回の高さ調整で、定位や音場の改善といった特性的なものだけでなく、ボーカルの歌詞の伝わり方が大きく違ってきたように思います。
高さ調整のコツとしては、能の舞台で感じる、あの声がスッと通るような感覚に持っていくのが良いのではないかと勝手に考えています。
優れたルームアコースティック製品だけに、使いこなしでさらに改善できることも分かりましたし、単に導入しただけで満足せず、これからも微調整をしていきたいところです。
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