MacBSの日常生活的日記

SCD-777ESのデジタルフィルタ

DP-77が修理に出ている間、大活躍中のSONYのSACDプレーヤー「SCD-777ES」ですが、CDのほうは借りているDP-85で聴くことが多いものの、デジタルフィルタが5つも用意されている(CDのみ有効)ということで、それを比較してみることにしました。

用意されているのはSTD、それに1〜4の5種類ですが、ひとまずどれがどんなものか、説明書を見ずに先入観なく聴き比べてみました。
まずは2周ほど聴いてみた感想メモを列記してみましょう。

[ STD ]
やや定位が膨らむ
DSD変換しました、という印象
少しこもり気味だが、ある意味誇張がない
ややピラミッドバランスで当時のSONYらしい

[ 1 ]
音像がシャープになり、CDそのままに近い雰囲気
うちだとDC-81に似ている
センターが少し薄くタイトなので少し神経質か

[ 2 ]
広がりが付加される感覚で余韻が少し長めに感じる
ギターの弦の音がやや強調気味で、CHORDのDACっぽい
広がるものの、やや位相が乱れた感がある

[ 3 ]
センターが明瞭でありつつ、広がりが出る
DP-77に近い印象で、高域はややキツさがある
1に近いけれど、だいぶ広がりが付加されてセンターはやや薄め

[ 4 ]
3より広がりが狭くセンターが厚め
音色も比較的自然
ほどほどに空気感が出る雰囲気な仕上がり

方向性は違いますが、何度か聴いた感じでは1と4が好みかな、という感じでした。
少なくとも違いはかなり顕著に分かります。
とりあえずボーカルとギターでは4が良いかなぁという印象でした。

ここまで聴いたところで、取扱説明書からの抜粋で答え合わせしてみましょう。

[ STD ]
シャープ・ロール・オフ
情報量が多い

[ 1 ]
クリアー : スロー・ロール・オフ
エネルギー感がありジャズ向き

[ 2 ]
プレーン : スロー・ロール・オフ
鮮度が高くエネルギッシュでボーカルの表現力が豊か

[ 3 ]
ファイン : スロー・ロール・オフ
バランスが取れて残響表現が豊か

[ 4 ]
シルキー : スロー・ロール・オフ
繊細でクラシック、特に弦楽器向き

STDだけシャープロールオフだったんですね。
DAPでもスローロールオフを選ぶことが多かったので、そこは順当なところかと思われます。
それ以外が実際にどう違うのかは分かりませんけれども、そこそこ想定されているのと似たような感想でしょうか。
1はたしかにガツンと来るタイプですし、3はDP-77のように若干、残響付加されるような雰囲気なのは当たってるっぽいです。
4はギターと相性が良いから好きなのかもしれません。

今度はそれを分かった上で、あえてハイブリッドSACDのCD層で聴いてみます。
SACDに近い感じなのはどれか?というのも聴きどころでした。

STDはSACD層よりもちょっと大げさで、表情が硬く輪郭強調気味な印象を受けました。
1はSTDよりもさらに迫力は上がりますが、広がりもほどほどに出て、SACDとは違うストレートな感じでCDらしい音色です。
2は包み込む感じを演出されていて、SACDにだいぶ近づきました。
3は2よりも音場が奥行き方向に展開して奥ゆかしい表現になりますから、よりSACDに近いですが、実際の情報量はやや少ないのが気になりました。
4は厚さと広がりが両立していて楽器などの配置が見えやすいですが、やや大人しいところはあります。

結局、こちらでも1か4が良いのかなと。
CDをCDらしく楽しみたいなら1、SACDとの差を減らしつつ穏やかに聴くなら4といったところでしょうか。

そして最後にSACD層に切り替えて聴いてみました。
これはもう情報量からして、そもそも違うので楽器の音色表現などが違ってしまいますし、低域の伸び、キレも大差です。
マスタリングの違いもあるとは思いますが、こうやって聴くとCDらしさを素直に楽しむなら1が無難なのかな。
気分でいろいろ選べる楽しさもありますし、なかなか面白い機能ですね。
ピックアップの負担も考えると、DP-77が戻ってきたらSACD主体にして使い分けるんじゃないかなとは思っていますけどね。

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