Shelterのヘッドシェル「Model 1011L」をだいぶ前に注文しておいたのですが、品切れだったようでようやく届きました。
当初は1ケ月半くらいかかると言われて驚きましたが、結果的には20日ほどで届きました。
1011には穴の開いてないタイプもありますが、今回導入したのは軽量タイプで真ん中に穴があけられている1011Lです。
この穴のおかげで同じアルミ合金製ながら9.3gとかなり軽くなっています。
穴なしの1011もリード線と指掛けを入れて11gですから、わりと軽いほうですね。
もう一つの特徴は指掛け部分が分離できる板状になっている点で、ここに貫通穴とM2.6のタップ穴が用意されています。
カートリッジにネジが切ってる場合は貫通穴のほうでもタップ穴のほうでもOKですし、今回装着したAccuphase AC-2のようにネジが切ってないカートリッジでもナットを使わずに指掛けで留めることができます。
わりと薄めの板なのでこれだけで支えるのとナットで留めるのでは違いも出てきそうですが、せっかく軽量タイプを選んだことですし、なるべく軽く仕上げるべく指掛けで固定することにしました。
なお、ビスもステンレスっぽいですが、6/8/10/12/15/18mmの6種類が各2本、M2.6ナットも色違いで2個付属していて、なかなか親切です。
さらに、カートリッジにネジが切ってあるか、ナットを使うのであれば、指掛けなしというストイックな使い方も可能です。
ひとまず付属のリード線とビスで装着して聴いてみました。
これまでは急遽ピンチヒッターで割り当てたオーディオテクニカのを使っていましたが、それに比べてスピード感のある現代的な色合いのサウンドだと感じます。
意外とオーディオテクニカもクセがなくてAC-2にマッチしていましたが、それに比較的類似した傾向でありつつ、よりワイドレンジで濁りの少ないものになりました。
より軽量になったことでSAEC WE-407/23にミドルマスウェイトを装着した場合、ちょうどおいしい真ん中あたりを使える形になったこともあり、トーンアームの良さをうまく引き出せているという側面もありそうです。
また、トレース性能がなぜか向上していて、内周歪みが減っているのも軽量化が効いているのでしょうか。
余計な響きが乗らないのも良い方向に働いているのかもしれません。
穴開きなので強度不足を心配しましたが、共振は少なく剛性もあり、内部損失もしっかりあるようです。
指掛け部も固定強度は高くないでしょうが、カートリッジ、シェル、それに指掛け部が組み合わさることで、それぞれの素材で共振が抑えられている気がします。
ただ、最低域の伸びがあと一歩だと感じ、リード線はIKEDAのISL-1に交換してみました。
重さはほんの少し増えましたが、低域の伸びはスマホで簡易に計測してみてもハッキリわかるほどです。
付属リード線でも30Hzくらいまでは変化ありませんが、その下が伸びてきます。
単に周波数特性のみならず重厚さも出ましたが、やや大人しくなった部分も多少あります。
コストを考えれば付属リード線でも十分かな?という気もしますし、リード線交換時にECI-50を使った効果も出ているかもしれません。
総合的にはオーディオテクニカのAT-LT13aも善戦してたような印象もありますが、あっちはビスにチタンを使ってたので、その効果もあった可能性が…。
残りのビスにはちょうど良い長さのがなかったので、今度探して交換してみようかな。
ただ前述のように軽量でありつつ強度も確保できているという点では、なかなかおススメできるヘッドシェルだと思います。
入手性がいまひとつなのと、納期には注意が必要ですけどね。
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