Shizukaブランドのターンテーブル「STS-300」を導入しました。
先日入手したケーブルノイズキャンセラー「CNC20-200」と類似で、カーボンファイバーと電磁波吸収マットの2層構造となっているボードです。
下側が厚さ1.0mmのカーボンファイバーと炭素繊維で、その上にカーボンマイクロコイルやフェライト等をハイブリッド化した厚さ0.1mmの電磁波吸収マットとなっています。
全体でもたった1.1mmしかなく、レコードが2mm程度ですからそれよりずっと薄いくらいです。
うちのBL-99Vは吸着式ターンテーブルで吸着しないとパッキンが浮いた状態になるのですが、それを回避できないかなという意図もありました。
重さも126gしかないので吸着したくなったら諸々の調整をそんなにしなくてもすぐ切り替えられるというメリットも出てきます。(厳密に追い込む方には異論もございましょうが。)
ただシートの外径が29.5mmとレコードよりちょっと小さいのでSTS-300自体を吸着できないのはやや予定外ではありました。
これとレコードを載せれば内側のパッキンは沈み込みますし、外側のパッキンはSTS-300の厚みで回避されているので実質問題ないですけど。
不安なら軽めのスタビライザーと併用が良いかもしれません。
ちなみにSK-FILTERも高さ調整が厳密には必要ですが、レコード盤も厚みに結構差がありますし、いつでも変更できるように下に鹿革を挟んで高さ補正しておきました。
吸着用のポンプもプレーヤー背面のswitchedコンセントから取る形なので、これを止める必要があるのですが、まずはそのままで使っています。
さて早速のサウンドの変化ですが、使用前と使用後ではぐっと音像が広がりを見せました。
この感覚はハイレゾの試聴をした折に、サンプリング周波数を上げて行った時に感じたものに良く類似しています。
余分な微少振動が無くなることによりピントのズレが無くなって、ビシッと揺らぎの無い音像が見通しの良い空間の中に広がっていく感覚です。
歪っぽさも皆無で生音のような柔らかな音に魅了されました。
低域のキレも良いようで、カートリッジのカーボンカンチレバーに似た音色の変化具合です。
高域のキツさがなく、スッキリと開放感がある鳴り方です。
やはり吸着のデメリットが解消する感覚なので、盤の反りによって使い分けるのが良いのでしょう。
ジャンルでいうとジャズやフュージョンが冴えた感じで、これまでだとやや閉塞的に感じる部分がなくなっています。
ただ過度に音が変化するというよりは欠点が埋まったような印象で、ギターやサックスなどの音色が生き生きとしています。
ジャズでは音がだいぶ前に出るようになっていて、低域の音階が明瞭です。
低域のキレが良く収束も速く、それでいてデッドにならないのでドラムの音色も抜けが良く自然になって、ソウルフルなサウンドに
なりました。
このシートの主なニーズは「外来ノイズの軽減」のようですが、静電気に関してもパチパチノイズが出にくいように思われます。
盤の表面が少し滑らかになったような印象でしょうか。
静電気に関してはACOUSTIC REVIVE RTS-30と2枚重ねを当初から想定していまして、STS-300でパッキンを回避しつつノイズ軽減、そしてRTS-30で静電気対策というのが最終目的です。
こちらは厚みがそれなりにあるのでトーンアームの調整が必須ですから、また後日調整を追い込んで試していこうと思っています。
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