SONYのSACDプレーヤー「SCD-777ES」を追加導入しました。
実は以前も譲っていただくことになっていたのですが、原因不明の残留ノイズが発生して一度お戻ししたような形になっていました。
結論から言いますと今回は発生しておらず、どうやら原因は当時の電源環境(ほぼ間違いなくクリーン電源)に起因していたのだと思われます。
電源トランス周り等に追加対策された電磁波防止シートも影響している可能性はゼロではありませんけど、現状で起こっていないので当面そのままで行こうと思っています。
再度導入しようと思ったのはDP-77のピックアップ交換が3回目になりそう、という問題があったからです。
SCD-777ESのピックアップはさらに希少で、CDとSACDで別々に用意され、さらにメカも光学系固定方式となっています。
しかし以前聴いた際のSACDらしさというのはPCMベースのDP-77やDP-85では感じ取れない鮮度のようなものがあり、忘れられなかったというのもあります。
今のDACであれば遥かにハイスペックなDSDにネイティブ対応したものもあるわけですけども、ΔΣでネイティブと言えるのか?というのは難しいところです。
その辺りの賛否は置いておくとして、とにかくセッティングして聴いてみます。
最初は動作確認で適当なケーブルでつないでましたが、その時の感触からRCAケーブルはACOUSTIC REVIVE RCA-1.0 TripleC-FMに変更しました。
これがさらに大正解でして、低域がコレでもか!とガッツリ出てくるものの、音が一切混じらないのが印象的です。
ある意味、SONYらしい生真面目さはあるものの、SACDではとりわけ楽器の音が鮮烈かつ自然で、雄大さという意味でも等身大の精度という意味でもスケール感があるサウンドです。
DACもさることながら、トランスポートが優秀なのもあるのだと思います。
ただトップローディングだけに、当初のADKラックではディスクを入れることすらままならず、ラックをまるごとWAKATSUKIに入れ替えました。
それでもまだスペース的にはギリギリなので、やっぱり本来はラックの天板に置くのがベストなのでしょう。
レコードプレーヤーを2台並べる必要があるのか、ADKの下段を積むとか、もう少し考えてからまた見直しも考えたいところです。
ちなみにSCD-777ESは愛情を注いだ改造が随所に施されていて、たとえば脚はセイシンのRASENに交換されていますし、オーディオ用ヒューズやオペアンプ換装など、いろいろな対処がなされています。
SCD-777ESではディスクの上にディスクスタビライザーを載せるわけですが、こちらも純正とセイシンのDS-SCD1を付けてくださいました。
ちなみにセイシンはM2052合金というマンガンと銅主体の合金でできているそうです。
スタビライザー比較もやってみましたが、純正でも十分過ぎるほど良いサウンドですが、音が前に出るものの多少のキツさを感じる場合もありました。
セイシンのスタビライザーではそのキツさが減り、金管楽器の響きがより自然になり、楽器のサイズや奥行きが明瞭となります。
純正スタビライザーにも良さはあって、動作音は少し静かな気もするので、トランスポートへの負荷はこちらのほうが少ないような気もします。
さらにディスク状のDSL-1205SPもオマケしてくださってますので、こちらも使ってみました。
さらに力強さも加わってより制振効果は高まっているようにも感じますが、動作音はさらに大きめになるようです。
ディスクやセッティング時の偏心もあるのだと思いますけど、手間やメカへの負荷を考えると普段はDS-SCD1のみが良いかなと現状は思っています。
お次はDP-85とも比較してみました。
まずSACDからやってみましたが、DP-85は音の数は増えるのですが、なんとなく霞がかかっていて、とりわけ低域ほど濁りが感じられるようなところがあります。
上品に整える傾向も感じられ、音が遅いような印象もあります。
やはりSACDに関してはSCD-777ESのほうが合っているのかなという気がします。
CDに関しても試しましたが、こちらはそれぞれの良さがあるようです。
スピード感はむしろDP-85優位な印象で、SCD-777ESのほうがDSD変換したような音色の変化があるようです。
ただ音色自体は相変わらずSCD-777ESのほうが自然な部分もありますし、デジタルフィルタの設定が選べることもあり、これ次第でどうにでもなりそうな気はします。
試しにSCD-777ESのデジタル出力をDC-81に入れるというのも試しましたが、残念ながらDP-85も含めてこの2台の前ではDC-81の出番はなさそうです。
1999年発売ですし、ピックアップもとても入手困難なものですから気軽にオススメできるものではありません。
ただSACDを次世代フォーマットとして世に出そうと懸命だった当時のエネルギーみたいなものを感じるモデルです。
今となっては存在がなかったかのように放置しているSONYさんですが、ピックアップ供給や、それが不可能ならばせめてSACDのリッピング解放など、SACD層への救済措置をできればやってもらえたらなぁと願っています。
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