MacBSの日常生活的日記

SONY XL-MC3SH

SONYのMCカートリッジ「XL-MC3SH」を入手しました。

1983年発売のこのカートリッジ、針交換ではないですが先端のユニット部分を交換できる構造になっていて、その後ろにリード線が一体化された本体(実際にはただの装着アダプタ)、そしてほぼ専用に近いユニバーサルシェルが付いています。
詳しい方はご存知かと思いますが、その後finalでも活躍された森芳久氏の手による製品で、8の字コイルとも呼ばれる空芯コイルが特徴的なモデルです。
当時もそんなに高級な機種ではなかったですけど、チタン蒸着アルミテーパードのカンチレバーに楕円針と今なら中級クラス以上といったところでしょうか。

シェル込みで13gとかなり軽くて、WE-407/23にミドルマスウェイトではそのままだと使えない(15〜25g)ので、クォーツレゾネーター2つ貼り付けてようやくバランス取れる範囲に入りました。

それまで常用していたZYX RS30から交換してみますと、雑味や淀みがない爽快なトランスデューサーという感じのサウンドが印象的です。
見た目は華奢な感じがしますが、最低域は意外と深いですし、なぜかS/Nが良いのに驚きました。
出力は空芯なのもあって0.2mVとそこまで高くはないのですけど、そういう数値とはまた違った静けさがあります。

針は楕円針なので内周歪みがどうかなぁと思いましたが、さほど神経質ではない私には問題ない感じです。
古いレコードにはかえって楕円針のほうが好ましい場合もあるそうですし、実際には盤の年代に関わらず特に歪みっぽく感じることはなかったです。

いつもは導入した時は良いなと思っても、結局すぐに元のカートリッジに戻すことも多いのですけど、今回はZYX RS30同様になんだかんだでそのまま使い続けていますので少なくとも聴き心地は良いのでしょう。
空芯は他にDL-103MとFR-2を持っていますが、どちらもちょっと繊細さがメリットにもデメリットにもなるようなところがありました。
XL-MC3SHだとそこがあまり気にならず、重厚とはならないものの、ダイレクト感が生っぽい魅力につながっているようにも感じられます。
もう交換ユニットは入手できそうもありませんが、上手に使い分けて愛用していこうと思っています。

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