SONYのMCカートリッジ「XL55」を入手しました。
SONYのMCカートリッジはXL-MC3、XL-55Pro、XL-44Lに続いて4本目ということになります。
上位のXL-MCシリーズあたりを狙っていたのですが、中古の出物次第なのでそう上手くはいかず、独自路線初代をゲットという流れになりました。
シェルと一体のXL-55Proの通常形態かと思っていたのですが、実際にはかなり違っていてまず適正針圧が1.7g(XL-55Proは2.0g)となっています。
実際に扱ってもかなり上下に柔軟に動くダンパーという感じで、1.0~2.2g(XL-55Proは1.5g~2.5g)とハイコンプライアンス寄りなのだと推測されます。
カンチレバーの構造も微妙に記載が異なりますけど、3重構造というのは共通なのでまあこっちはほぼ同じなのでしょう。
本体は10gもあるのでむしろ重いほう(XL-55Proはシェル込みで22g)ですけど。
ちなみにヘッドシェルはENTREのES-12を使っています。
XL-55の最大の特徴は、その豪放かつ快活な音質にあるようです。
また空気を揺らす力が非常に強く、音楽に生命感を与えてくれている印象がありました。
先日入手したYAMAHA MC-1Xの上品で繊細な路線とは対照的に、XL-55は力強くエネルギッシュな音楽再生をしてくれます。
音傾向としては全般に明るく多彩な音色で溢れていて、ジャズの再生に適しているように思われます。
空間再現能力が高く、細やかな音の表現がなされていて、そのあたりは他の手持ちのSONY製MCカートリッジに共通するイメージです。
低域のキレが良く、若干ピラミッドバランス的な音質特性かなという気もしますが、これはダンパーの特性やヘッドシェルの重さなどが影響している可能性もあるでしょう。
ダンパーが柔らかめなこともあって若干低域で共振しやすい傾向がありますが、これも重量等で変わってくるものでしょう。
うちのヘッドアンプはSONY HA-55ですから当たり前ながら相性は非常に良く、ソニー製品ならではの統一感が感じられます。
ただXL-55Proと比較すると、ヘッドシェルやボディの材質などにもよるのでしょうけれどXL-55のほうが若干鳴きが残っている印象があります。
XL-55はGrace開発の後、森氏がソニーサウンドテックに移籍して最初のMCカートリッジということもあり、どこかGrace F-8Lに類似した「嫌な音を鳴らさない」という特色をほんのり残しているのかもしれません。
このところ1970〜80初頭にかけての国産MCカートリッジをいくつか集めた形になりました。
当時の日本盤レコードの保有数が圧倒的に多い我が家ではそれが相性が良いということでもあるのでしょう。
すでに針交換もできないロートルばかりですけど、上手に使っていければ良いなと思っています。
|
(当サイトでは、Amazonアソシエイトをはじめとした第三者配信のアフィリエイトプログラムにより商品をご紹介致しております。)