吸音材の見直しを終えたスピーカーセッティングですが、Twitterで以下のようなアドバイスを拝見しました。
解像度の高い再生を目指したスピーカーの調整で最も効果が期待できるのは左右差の最小化。特に見落とされがちなのが水平。
壁からの距離、内向き…幾らやっても気に入らない人はぱっと見では気がつかないレベルで角度差が生じていると思います。
— KSY (@yoidonki) July 3, 2019
いつもはレーザー距離計でツィーター、ミッドユニット、ウーファーのエンクロージャーの各点をリスニングポジションから測って左右差を調べていますけども、水平自体を測ったことはありませんでした。
以前の地震の影響なのか、部屋はほんの僅かではありますが傾いているのは知っている(0.5度もない程度)ので、リスポジとスピーカー位置でも異なる可能性もありますし、正直半信半疑ながら「まずはやってみる」がモットーですから試してみました。
B&W Matrix 802 Series 2は真四角のエンクロージャーではないですので、どこで水平を出すかというのも課題ではありましたが、指向性の観点や取付構造からすると団子部分の上面を最優先としつつ、いろんな角度で測ってみます。
さらにスピーカー前後を優先して測ってみますと、右が思ってた以上に前のめりに傾いていました。
かなり大きい水準器を使ってるので、レコードプレーヤー並みの精度で水平を出す気分でやった場合ではありますけども、これは合わせてみる価値はありそうかなと。
水平の調整にはサウンドケアのスパイクのねじ込み具合で調整しました。
なお、クォーツアンダーボードもさざれ石の敷き方で水平が出ない可能性もありますが、こちらは特に問題なかったので、床の問題でしょう。
あとは左右方向なども確認して、かなり満足できる水平具合になりました。
これで音がどうなるか、がいちばん重要なわけですけどね。
吸音材でかなり追い込んだつもりでしたし、とりあえず聴いてみようという気分で聴き始めましたが、予想以上に変化がありました。
音像が迷いのない定まり具合になっていて、良く言われる口の大きさ、ちょっと大げさにいえば表情のようなものまで感じる雰囲気に整いました。
聴く側の気分的な窮屈さがさらになくなりましたし、自然とリズムを取るような気分が高まったように思います。
前述のように家もそこまで水平ではないでしょうし、椅子や人間も曲がってそう…と半信半疑だったのですが、やってみると予想外に効果が高くて驚きました。
水準器さえあればコストも掛かりませんし、やはりこういう小さなことの積み上げが重要だと再認識しました。
もちろん、吸音材などのルームアコースティック、それにアース対策や単線ならではの精度の高さといった積み上げがあってこそ、この変化が顕著に表出したとも言えるとは思いますけどね。
スピーカーが曲面で構成されていたりして測れないケースもあると思いますし、水準器がない方も多いかもしれませんが、最近はスマホにもアプリやAR計測機能があったりしますし、試してみる価値は十分すぎるほどある施策だったと思います。
ご教示いただいたKSY様、大変ありがとうございました。