前回までで定位の改善は非常に良い具合となりましたが、左右の偏りが感じられる部分が気になり、さらに数日悩みました。
念のため、ピンクノイズを鳴らしてパワーアンプのメーターで確認もしてみましたが、音量としての差は見られないようです。
ただ、プリアンプのアッテネーターで調整すると最大1.5dBくらい、左に寄ったような感覚になるケースがあります。
さらにCDとレコードでも違いがあって、レコードのほうが酷いので原因は複数にまたがっているようです。
まずはレコードのほうから解決していきますが、結論から言うと水平管理が不安定になっていたのと、トーンアームの高さが厳密に合ってなかったことに起因していました。
特にAccuphase AC-2は非常にシビアでして、ちょっとでもセッティングが悪いとそんな具合になってしまいます。
カンチレバーがサファイアで固いことが原因なのか、はたまたダンパーがやや固着気味なのかは定かではありませんが、どちらかと言うと前者なのかなと推測しています。
水平に関してはRMF-1のメリットがとても大きいことは承知していますが、水平管理にはどうしても難しい面も多く、その強力な磁力もカートリッジに悪影響を及ぼしている可能性もあると判断して、泣く泣く純正の脚に戻しました。
RMF-1自体は近々、クリーン電源なり、別の場所に導入したいと思っています。
もう一つはやはり部屋の影響です。
スピーカー配置を左右シンメトリーに…と意識して設置したのですが、そもそも部屋自体はシンメトリーなわけもなく、やはり耳で調整すべきと気持ちを切り替えました。
音楽を鳴らしつつ、部屋の中のいろんな場所に様々な向きで立ってみて、音傾向が左右で大きく異るポイントを見つけていきました。
とりわけスピーカー近辺は影響が大きいはずで、WS-1を仮置きしたりしながら、結果的には右スピーカーの側面にWS-1を置くのが良いという結論になりました。
また右スピーカー手前のクリーン電源もちょっと移動させて、スピーカー前の空間もなんとか確保しました。
そこだけ床が出てる形なのでマットも敷いてみましたけど、かえってダメだったのでそのままです。
音自体はかなりヌケが良くなりましたが、偏りへの影響は少なかったですけどね。
それにしてもMatrix 802S2は801より鳴らしやすいと思って導入しましたが、周辺の空間がかなり必要ですし、気軽に鳴らせる代物ではないと痛感しました。
リビングの805のほうはわりと気楽に良い音がしていて、しばらくはストレスが溜まりました。
そしてまたまたTwitterで貴重な情報をいただきました。
肝心のMatrix 802 Series 2に内蔵されているAPOCという保護回路が悪さをしてるのでは?というご意見です。
たしかに時間帯などで偏りが違ったりしますし、中高域の鮮度もちょっと悪いかなぁとは感じていたんですよね。
APOCをバイパスする手法は海外で結構出回っていて、ダイオードを全部カットするとか、リレーをバイパスするなんてのが載っていますが、一旦手を入れてしまうと最悪ネットワークやスピーカーユニットを破損する可能性もあるので、なかなか手が出しづらい場所です。
そこで気休め程度にとヘッドユニット接続部の端子を清掃してみることにしたのですが、実はこれが大当たりでした。
最初は軽くECI-50を塗布した程度でしたが、それでも中高域の鮮度がまるで違いますし、偏りは当然のこととして音場の再現性もグッと高まりました。
そこで左右とも出来る範囲でクリーニングして問題は解決となりました。
ホントはかなり細いスティック上の端子クリンがあるともっとキレイにできるのでしょうから、そのうち導入しておいたほうが良いのかもしれません。
結果的にはスピーカーの問題の占める割合が大きかったと思いますが、各所を見直せたのは良い契機でした。
古い機器も混じってますからオーバーホールなどが必要になる部分も出てくるでしょうけど、あと一つ機材を追加したらオーディオは小休止かなと。
聴きたいソフトもたくさんありますし、気分良くリラックスして楽しめる音楽の時間をなるべく確保できるようにしたいなと思っているところです。