ルームアコースティックでの左右の偏りはほぼ対策できたので、Matrix 802 S2の不安定さを減らす策をいくつか取ってみました。
まずは先日のトルクドライバーでウーファー、ミッドユニット、ミッドユニットのエンクロージャのネジを160cN・mほどで揃えました。
もう少し低い値というアドバイスもいただきましたが、あまり弄り過ぎてもネジがバカになってもいけませんし、揃えてあれば良いかなと。
これでかなり左右差は揃った気がしますが、それとは違うガタツキみたいなものがあるような印象のほうが強いようです。
そこでエンクロージャの上にTGメタルを置いてみました。
802はウーファーだけがエンクロージャに入っていて、その上面はスポンジっぽいものが入っていて布が貼ってあります。
正直思いつきでやってみただけなんですが、重心がグッと下がり、ベースのキレが抜群になりました。
逆に、この程度でこれだけ変化するということはスピーカーが揺れているということですね。
そうなると、いちばん怪しいのはサウンドケアのスパイクということに。
もちろん目に見えてガタガタするようなことはないし、水平も出してあるんですけど、ドシッと腰が据わっているかというとそうではないですね。
そこでサウンドケアを外し、クォーツアンダーボードに直置きとしました。
さすがに低域が被るかなぁと心配しましたが、むしろ濁らずに剛性感が出て上ずった感じが大幅に改善されました。
そもそも高さも変わっていますからRWL-3も相対的に高い位置までカバーできるようになるなど、他の要素も加わってきますが、それにしても不安定さがあるスパイクならないほうが良いみたいです。
802のスパイクはM6なのでサイズにしてはどうしても華奢なものになってしまいますし。
もちろん、それまでの対策が効いている上でやって気づけたことだとも思います。
具体的な音の変化としていちばん顕著なのは、ピアノの左手の音階がさらに明瞭になったところでしょう。
それはベースや打楽器などでも同様で、いわゆる音の抜けが良くなっている印象で、これは以前もスパイクで空いたスペースにWS-1を入れてみると似たような変化が感じ取れたので、背面からの回り込みがある種、バスレフのような遅れた低域として混じってしまうのかもしれません。
音像も膨らむのではなく、横の実体感がより増していて、これまでのように繊細でか細い縦線状の定位ではなく、ボリューム感がありつつ、音の退き際がサッと静寂を呼ぶ形になりました。
さらに調子に乗ってツィーターにシリコンゴムを貼り付け、背後にヒッコリーキューブを貼ってみました。
他のユーザーさんもこのキャビネットはプラスチックで弱いので補強してる方がいらっしゃいます。
内部からガチガチにデッドニングするのも考えましたが、異種素材でそこそこ振動を押さえれば良いかなと。
そもそもクォーツレゾネーターは使っていましたけれども、今回の対処で振動板がしっかりピストンモーションするようになったように感じます。
デッドニングされ過ぎることもなく、余計な濁りや響きが乗らないですね。
効果としては意外にもヒッコリーキューブが効いてるようで、加工ができるなら後ろに「ちょんまげ」みたいに取り付けたらさらに良いのかも。(見た目も。)
音色でいちばん変わったのは合唱で、女声の鼻詰まり感もなくなっていますし、それぞれのパートの位置関係とホールエコーがしっかり把握できるようになりました。
同様に補強ポイントに挙がっているのがバスレフポートで、ここもプラスチックで以後のB&Wのようなディンプルもありません。
ここもシリコンゴムをちょっとだけ貼りましたが、ツィーターよりは効果は薄めですけれども、バスレフ臭さは多少減ったように思います。
すっかり年代物のMatrix 802 S2ですけれども、こうやって試行錯誤をやってあげればちゃんと応えてくれるので、まだまだ愛着を持って使っていきたいなと。
やっぱり「オーディオは買ってからがスタート」だなと改めて感じた試行錯誤でありました。
これでDP-77が戻ってきたらオーディオはちょっと一段落にして、忙しくなってきた仕事に(さらに?)注力する時期にしようかなと思っています。