またまたいつものご好意で、Olasonicさんから発売前のHiViに付いてくる予定の、SUPRAのUSBケーブルをいただきました。
なにぶん進呈いただいたものではありますが、SUPRAとOlasonicさんは資本関係などはありませんし、ケーブル自体の評価はあくまでも中立的な立場で思ったままを書いてみたいと思います。
なお、接続した機材ですが、以下の通りです。
パソコン:Apple Mac mini
USB-DAC:TEAC UD-H01
アンプ:Micromega Minium AMP2
スピーカー:DALI Royal Menuet II
まずはケーブルとしての使い勝手ですが、前々号に付いてきたzonotoneさんのUSBケーブルよりもさらに少しだけ短く、ケーブル自体も太くてやや固めということもあり、かなり接続する状況は限られるなぁという感じです。
Mac miniとUD-H01は一応重ねることもできますが、それぞれの機器からの放熱の問題もありますし、やはりいくらなんでも短すぎるというのが正直なところです。
もちろん、そのくらいの「お試し」要素がないと、製品版が売れなくなってしまいますけどね。
そんな使い勝手はさておき、次は気になる音質です。
一聴して感じたのは刺激の少なさです。
かなり聴き慣れたヴァイオリンのCDを聴いてみましたが、高域が滑らかになり、低域の厚みが増しているように感じます。
高域が出なくなったのかな?と一瞬思いましたが、どうやら最低域の伸びが違う印象です。
また、聴き慣れたはずの曲が、なぜかテンポがゆっくりになったように感じる不思議な感覚があります。
シャープさは少し減った気もしますが、その分、シルクのような滑らかさが加わって、響きが豊かになった気がします。
透明感重視な音とは方向性が違う印象なので、好みや機材との相性はあるかもしれませんが、少なくともUD-H01を含む、うちの環境や嗜好にはマッチしている感じです。
全体的な音の変化の傾向としては、少し前にTIGLONのスピーカーケーブルを導入した時のような雰囲気です。
どちらも介在綿による空気層があるわけですが、これによるものなのだろうか?などと勝手な推測をしましたが、どうなんでしょうね。
ゾノトーンの時は、変化自体は意外と少なめで、むしろ音のグレード自体を底上げする感じでしたが、SUPRAのほうは音の傾向そのものを変える方向性のように感じます。
どちらが良いかは好みやUSBケーブルに求めるものの違いもあるでしょうが、正直、冬眠がちだったUD-H01を復活させても良いかという変わり具合を見せてくれた点ではSUPRAに軍配が上がるかな、というのが私の感想です。
UD-H01はわが家では新しい機材ということもあり、古いARCAMと比べると歪みの少なさなど、特性的に優れた面がありましたが、それに音楽性が伴ったというのはうれしいところです。
なお、参考までに、直後にzonotoneのほうに変更してみると、低域の厚みがやはり減った印象で、バイオリンの弦の擦れ音が目立つ、以前同様のUD-H01の音です。
高分解能で明快な音の傾向が好みであれば、こちらのほうがハイファイっぽいんですけどね。
さらにhiFace+ARCAMとの比較してみると、こちらは今となっては少し古臭い音かもしれませんが、やはりオーディオ的な表現力が魅力的です。
機器そのものの違いに比べれば当然ながらケーブルの差はさすがに少ないですが、SUPRAを使うことでUD-H01もちょっとそれに近づいた感じがします。
USBケーブルで音が変わるの?と懐疑的な方もきっと多いかと思いますが、すでにUSB-DACを愛用されていらっしゃるのであれば、手持ち機材の底上げ程度の気分でちょっと試してみる価値は十分あるかと思います。