茶楽音人のイヤフォン「Donguri-楽」もそろそろ返却時期が近づいてきて最後のレビュー記事になります。
今回は手持ちの色々なオーディオプレーヤー、ポータブルヘッドフォンアンプとの組み合わせでどう変化するかをレポートしてみたいと思います。
またオマケでiPhoneの再生アプリによる変化もちょっとだけ書いてみます。
Donguri-楽のインピーダンスは18Ω、出力音圧レベルは106dBSPL/mWと、かなり扱いやすい設定になっており、iPhone 4/5Sのヘッドフォン端子でも十分に鳴らせます。
やや最低域が薄めに感じる傾向もあるので、そもそも低域が弱いiPhoneだともう少し下まで伸びてほしいなぁという思いが強くなりますので、その点だけが難点でしょうか。
ただ、その点を除けば巷の評判とは裏腹にiPhoneは意外と歪みが少なく特性的には優秀なので、Donguri-楽の音楽性の豊かさと相まって相性は良いかと。
iPod classicではさらに出力も多少はしっかりしているので、同じ方向の中で力強さも出てきますが、classic自身はそれまでの旧iPodの系譜と比べるとやや歪っぽいようなところがあって、そこもはっきり露呈しているように感じました。
またプレーヤーとは直接関係ありませんが、MP3のビットレートやALACなどによる音質の違いもかなりはっきり聴き取れる傾向で、音楽性重視と(私が勝手に)言いながらもモニタリング的な用途にもしっかり使える底力も兼ね備えています。
次にiPhone 4やiPod classicのDock端子からアナログ出力してiBasso D2+ Hj Boaに入れてみます。
他のイヤフォンでも大きく進化する組み合わせなんですけども、普段よりも歪みが少なく感じますし、ノイズも目立たず、ある意味でD2+ Hj Boaの粗を隠しつつ、良さだけが活きる形でグレードアップされました。
もしかすると6kHz周辺の共振を抑えてくれることで高域の耳障りな印象が減ることが関与しているのかもしれません。
さらにカメラコネクションキットを経由し、D2+ Hj BoaのUSB-DAC機能からの入力にすると、これはまた格が違ってきます。
それまでのモヤモヤとした霞のようなものが晴れて、透明感が高まります。
この辺りはもうイヤフォンのレビューというよりも再生環境の変化そのものなのですが、そうした変化を細やかに伝えてくれるというのはやはりDonguri-楽自体のポテンシャルの高さを示すものでしょう。
次に少し毛色を変えて、Olasonic完全読本に付いていたBluetoothヘッドフォンアンプ「OLA-BT1」で聴いてみます。
こちらは良い意味で昭和チックなバランスが心地よいです。
双方ともが、ある意味、行き過ぎた解像感を追求せず、雰囲気を味わわせてくれるタイプですから、ちょっと懐かしい楽曲をのんびり聴きたくなりますね。
反面、OLA-BT1のノイズは少し低域寄りに混じるせいか、やや気になる形となりました。
オマケでiPhone用の高音質アプリとして「HF Player」
結論から言うと、個人的にはあまり好みの音色ではありませんでした。
どうもこのプレーヤーの再生音自体が少しドライになる印象で、フラットと言えばたしかにフラットなのでしょうけれど、やや平板的になってしまい、せっかくのDonguri-楽の楽しい音場が削がれるように感じます。
UBiO 同様、このアプリにもイヤフォンごとにチューニングするような機構も用意されていますが、残念ながらどちらも茶楽音人や音茶楽には未対応ですし、グライコを使うような必要性もあまり感じなかったので、ハイレゾなどの必然性がなければ純正アプリで良いのかなと思います。
結論を軽くまとめると、iPhoneやiPod nanoなどに気楽に直挿しでも十分すぎるほど音楽が楽しめるイヤフォンですし、環境を強化していけばさらに実力を引き出せる底力も確認できました。
今回の内容とは外れてしまいますが、唯一気になる点とすれば「断線」でしょうか。
音茶楽や茶楽音人はどれもリケーブルには未対応で、ケーブルの付け根もやや細い印象があります。
茶楽音人は廉価モデルということで無理かと思いますが、上位モデルでは今後、音質に影響のない範囲でリケーブルに対応してもらえたら良いなと思います。
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