茶楽音人さんとeイヤホンさんのコラボイヤフォン「Donguri-鐘 Re-Cable」ですが、ご厚意によりもう少しお借りしておけることになったので、先日追加したiBassoのDAP「DX90」を使って試聴してみることにしました。
まずはDX90直挿しで使ってみますが、インピーダンスなどの鳴らしやすさという点では本体で十分すぎるほど駆動可能です。
ただ、ちょっと面白いことに「耳の間にトンネルが通ったような」独特の定位が登場します。
DX90のヘッドフォン出力に独特のクセというか味付けがあり、それがDonguriの音場と重なった結果だと思われます。
ある種バイノーラルのような雰囲気ではありますが、やはりちょっと独特なのでソースによって良い具合に働くこともありますが、相性が悪いケースも出てきて、安定して使いたくなる組み合わせではないかも。
それならばということで、LINE OUTから他のアンプに出すと、こちらはほぼ前回のレビューと同じ傾向が得られました。
DX90では情報量がかなり増えてくれますから、これまでのFiiO X1より音が溢れてくる部分は大きな違いです。
ライブ録音でこんな観衆の咳払いや鼻をすする音まで入ってたのか!と驚いたものもありました。
ジャンルとしては音場が広がる分、ジャズトリオや小編成のクラシックなどはステージが見えるような雰囲気になりますし、やはりDAP向上の効果は大きいと感じましたし、Donguri-鐘 Re-Cableの高さが伺えます。
DX90はLINE OUTでもまだ多少、音像が頭の両端よりも広がるような広大さを表現するところがあると感じていて、それとの相性が良いケースとそうでもないものは見受けられました。
ピアノもスタジオ録音や、ややデッド気味の自然な録音だと残響が程よく演色されていて心地よいサウンドが奏でられますが、無理に残響を強調してあったりすると過多になるケースも出てきます。
音質では断然DX90ですが、Donguri-鐘 Re-Cableの相性としてはFiiOなど、あっさりしたモニター系サウンドのDAPのほうが相性が良いかもしれません。
アンプに関しては、手持ちの中ではやはりDigiFi No.22付録アンプが相性が良いです。
据え置き機と繋いだ時と比べるとやはり出音の腰の座り具合が違っていて、あの迫力は捨てがたいですが、ハイレゾでの繊細な音の溢れ方などはDX90もなかなか魅力的です。
それにしても、こうやっていろんな組み合わせを聴いていくと、どうもDonguri-鐘 Re-Cableのレビューというよりも、DX90のクセをチェックしてるような感じになってきます。
それだけDonguri-鐘 Re-Cableのポテンシャルの高さが分かるというものです。
ただ、DX90もヘッドフォンでは全般的に好印象な結果を出してくるので、Donguriのクセが減ったとはいえ、最初のほうに書いたとおり、音場表現が被ってしまうところがあるのかもしれません。
私が知る限りでは、やはりFiiO X5 2ndあたりと組み合わせてあげるのがベストマッチなのかなと感じたレビューでした。
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