TakeTのサウンドステージ・アクティベーター「TakeT-SA(u)」なるものを入手してみました。
簡単にいいますと左右のスピーカー出力のクロストークをほんの少し悪化させて中抜けを防ぐようなものです。
アンプがアンバランスの場合だとこのモデルで対応できて、左右の+端子をこの機器に接続するだけです。
BTLの場合にはバランス用のが出ていて、それだと-側も同様に接続する形になっているようです。
混ぜ合わせ具合はボリュームで調整できて、実際にテスターで計測してみるとオフで無限大、1で1.2MΩくらい、最大で200kΩくらいでした。
3くらいまでは変化が少なめで、そこから急速に混ぜ合わせられる感じですけど、最大にしたからといってモノラルになってしまうわけではありません。
メーカーでは1のポジションを推奨しているようですので、それでお試ししてみました。
音がぐんと前に出てくるのが印象的で、左右差も均等化されるような気がします。
単純に中抜け防止だけでなく、立体感のある音場再現を謳ってありますが、たしかにそんな雰囲気はあります。
余韻も自然で音色もこころなしか整ったような気もします。
試しに5くらいまで上げてみても、セパレーションが悪くなったような印象は薄めで、楽器の音色がより滑らかで艶やかになった気がします。
調子に乗って11くらいにするとさすがにモノラル的になってきますが、音質面では5の時とあまり変わりません。
最大の12にしても前述の通り完全にモノラルになるわけではないですが、プリのモノラルモードより自然なセンター寄りの定位になるので、モノラル音源のCDやレコード再生時には有効な手段かも。
ある程度聴いてからオフにしてみたところ、たしかにステレオならではの広がりというのはそのほうが高まりますし、セッティングをきっちり追い込んでやれば、より高精度に細やかな音場が形成されます。
ただ音源によって不安定だったり、聴取位置に影響されやすいところがあり、そういう部分を少し鈍らせてくれる効果がサウンドステージ・アクティベーターにはあるような気がします。
ひとまず2くらいが効果を体感しやすくお試しには良いポイントかなと。
CD音源がアナログレコード的になるとも言えるでしょう。
音像の安定感が増し、楽器の音色に厚みが出て響きが豊かに聴こえます。
ボーカルはオフの時よりも前に出てくれる傾向に変化します。
後方定位が正解の場合もあるでしょうけれども、やや神経質になりやすい印象は回避できるようです。
一旦少し長いケーブルにして、手元まで伸ばしてリスポジで可変させてみるのも試しました。
総合的にバランスが良さそうなのは、1.8くらい、抵抗値にして1.28MΩあたりでしょうか。
もちろん機材や配置、音源でも変わるでしょうし、アンプにも負担がないとは言えなそうですから、あまり積極的に薦められるアクセサリではないかもしれませんが、発想としてはなかなか面白いアイテムです。
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