「IFA 2014」のプレスカンファレンスでテクニクスの復活が正式に発表されました。
まずは12月からヨーロッパに投入される形でのスタートですけどね。
今回発表されたのは500万円弱というネットワークプレーヤー主体のシステム「R1シリーズ」と、CDなども用意された「C700シリーズ」の2つです。
R1のほうは以下の3機種で構成されています。
ネットワーク再生対応プリアンプ :SU-R1
パワーアンプ: SE-R1
スピーカー: SB-R1
プリ・パワー間は「Technics Digital Link」という独自のものだそうで、製品写真を見る限りではLANケーブル2本を使って左右独立に接続するもののようです。
内容的には32bit/192kHzのデジタルデータとボリュームコントロールデータが渡される規格みたいで、DSDは最初から想定されていないみたいですね。
パワーアンプはフルデジタルでJENO(Jitter Elimination and Noise-shaping Optimization)”というのを採用しています。
結局のところはSRCを通ってPWN変換ですから、それならいっそのことDSDでやったほうが面白そうですが、PanasonicはSACD陣営ではないですし…。
スピーカーのSB-R1がいちばん力が入ってる感じで、登壇した小川理事がジャズピアニストでもありながら、SST-1やSB-AFP1000などの変わり種スピーカーの開発に携わっていたそうで、そうした経緯も反映されているのかも。
懐かしのリニアフェーズという単語が出てくるところがテクニクスらしいですし、平面同軸も同様に懐かしさを覚えます。
ただエンクロージャは曲面を持った側面だったりと、現代的な仕上がりで、これはヨーロッパでの開発じゃないかな?
それでもウーファーにはこれまた懐かしいアラミド繊維と竹繊維が使われていたりと、名ばかりではなく本腰を入れた復活を目指していると感じさせてくれます。
もうちょっと手の届きやすい現実的なC700シリーズは以下の構成での発表です。
CDプレーヤー : SL-C700
ネットワークプレーヤー : ST-C700
プリメインアンプ : SU-C700
スピーカー : SB-C700
CDプレーヤーはPCM1795を左右独立で搭載し、アップサンプリング技術の「High Res Re-master」を採用しているとのことですが、本体写真の背面には電源端子しか見えないので、まだ開発中っぽいですね。
ネットワークプレーヤーはDLNAで、こちらはなぜか最大5.6MHzまでのDSD再生に対応していますが、R1シリーズのように「Technics Digital Link」は搭載していませんから、普通にアナログ接続あるいは同軸・光デジタル出力前提ですし、DSDもおそらくPCM変換でしょう。
また、USB-DAC機能も搭載しています。
プリメインアンプはパワーアンプの上にプリアンプを載せちゃったようなデザインが印象的ですが、フルデジタルアンプのJENOはR1シリーズと同様です。
それもあってUSBやデジタル入力も用意されてます。
スピーカーはR1に採用されている平面同軸2way一本で作られたような感じで、これがいちばん人気が出そうな気もします。
実際のユニットはちょっと小さいようにも見えますから別物でしょうけども。
個別の価格は分かりませんが、全体で50万円弱らしいですので、それぞれ10万円前後という感じでしょうか。
想像していたよりは本腰を入れた製品群という印象ですが、今のPanasonicで一つの事業をなすのはなかなか苦難の道かもしれません。
ただ、テクニクス流の独自路線で、あまり流行や他社の動向に踊らされずに良い製品を出し続けていってほしいと願っています。