以前から欲しいと思っていたトルクドライバーを導入してみました。
東日製作所の直読式トルクドライバー「20FTD」です。
現行型番ですとFTD200CNとなりますが、違いはトルクの単位が「kgf・cm」から「cN・m」に変更になっている形です。
若干のズレはありますが、双方はおおよそ10倍にすれば良い(150cN・mが15.3kgf・cm)です。
2本も買ったのはジャンク的な扱いだったからでして、そういう意味では校正もされていませんが双方で同じようなトルクを示すので、当たらずとも遠からじといったところでしょうか。
トルクドライバーにもいくつか種類がありますけども、今回のは締付けもできますが検査主体のものです。
グリップが絶縁されていないと思われるので、通電中のものは要注意ですね。
なんのトルクを測りたいかと言えば、そりゃもうオーディオ関連なわけでして。
あまり明確な数値を示してある製品は少なめですが、たとえばFURUTECHの壁コンセントは結線部で150cN・mと指定されています。
スピーカーも100〜200cN・mくらいという記載が多く、ビクターはやっぱり150cN・mらしいです。
東日にも小ねじでM4くらいを想定してあるのが今回のFTD200CNですし、使い勝手はこのくらいのが良いでしょう。
なお、目盛りは0からありますが、精度としては40〜200cN・mくらいで精度確保されているようです。
真っ先に使ったのはB&W Matrix 802 S2のミッドユニット、ウーファー、それにミッドユニットのエンクロージャ背面です。
年数も経過していますし、自分で増し締めはしていましたが、この機会に160cN・mに揃えておきました。
合わせる場合は一旦緩めておいてその数値でプリセットしておくとかんたんに合わせられますが、使い方は説明書がないとやや分かりにくいかも。
肝心の音の変化ですが、増し締めすると音が締まるのは体験した方も多いと思いますけど、トルクを揃えると左右差が減って音像もシャープになりますね。
特にMatrix 802S2の場合はユニット以上にミッドユニットのハウジングの背面が蓋状になっているので、ここをしっかり均等に閉じたことが功を奏しているように感じます。
音はもちろん、無闇に締めすぎてネジ穴がダメになってしまうというようなことも避けられますし、持っておいて損はないですね。
お値段は結構なものですけども、うまく古い出物を見つければそこそこ安く見つかるはずです。
ちなみにドライバービットは付属しませんでしたので、あとでベッセルのを追加しましたが、ちょっとプラスが小さめ過ぎた感じです。
このトルクドライバーの場合は長いビットでないと奥に入り込んでしまうので、その点も注意でしょうか。
あとは壁コンセントの取り付けネジを試したくらいですが、こちらは音の変化が分かるほどではなかったかな。
どのくらいが最適なのか迷いましたが、70cN・m程度にしておきました。
他にもラックや機器の筐体のネジなど、いろいろ使えそうですけども、今のところはそのくらいにしておく予定です。