• 147月

    とかく「USBケーブルで音は変わらない」と言われがちですので、この機会に実際のUSB-DACの出音を録音・周波数解析して違いが出るものかどうか、確かめてみることにしました。
    そもそもLINNのネットワークプレーヤー「AKURATE DS」で試行錯誤している時に、これとは全く繋がっていないはずのUSB-DAC「HD-7A」のUSBケーブルを替えただけでも残留ノイズが変化しているわけですけどね。

    方法はいつもの通り、PCM-D100にアナログ入力してフルボリュームで20秒間ほど録音した後、Audacityで周波数解析しています。
    ただしHD-7AではUSBケーブルのみに着目すべく、C-280LのPRE OUTは使わず、HD-7AのRCA出力からPCM-D100を直結してあります。
    まずは普段のACOUSTIC REVIVEのUSBケーブル「USB-1.0PLS」とUSBターミネーター「RUT-1」をその隣のポートに挿した状態から試してみます。

    AKURATE DSよりはだいぶ状態が良いみたいですね。(苦笑)
    ここからUSBターミネーターだけを抜いてみた結果がこちらです。

    極端なピークやディップが減り、ピンクノイズ的な滑らかな残留ノイズになっているように思います。
    また同様の環境で混変調の計測もやってみました。
    こちらは再生する音声が60Hzと7kHzを4:1の比率で混ぜたものになりまして、録音レベルもPCM-D100で-8dBとなるように調整して録音してあります。
    まずはACOUSTIC REVIVEのUSBケーブル「USB-1.0PLS」とUSBターミネーター「RUT-1」有りの状態です。

    つづいてUSBターミネーターを外した状態です。

    こちらも高域にかけてのピークが滑らかな減少傾向かと思われます。

    さらにUSBケーブルを他社のものに替えてみました。(USBターミネーターは無しです。)
    まずは残留ノイズから。

    分かりやすくするためにアニメーションGIFも貼っておきます。(クリック表示するとアニメーションするはずです。)

    こちらも2kHz辺りから高域にかけてノイズフロアが上がってしまっているのが分かります。
    双方とも交換した状態では差異が認められると私は認識していますが、いかがでしょうか。
    同様に混変調の結果も。

    残留ノイズよりもdB表記では差異が見えづらくなってしまいますが、細かく見比べていただけると7kHzの高調波が繰り返してやや強めに出てくる傾向があります。
    またUSBターミネーターの有無で7kHz近傍のピークの立ち方も違いがあり、音の濁りにつながるのでは?と感じられる部分があります。

    あえて音質比較などは一切やっていませんが、予想以上に違いがあるなぁというのが私の主観です。
    USBケーブルはある程度使っていても違いを感じていましたが、USBターミネーターによる違いが思った以上に大きいのは私自身も驚きました。
    これがRUT-1をたった1個だけ使ったのみで空きポートも結構ある状態で…ですから、さらにしっかり対策すればもっと違いが出てくるでしょう。
    また最初にも挙げたように単にUSBで接続した機器だけでなく、実際にはインターコネクトケーブルや電源などを通じて他の機器に与える影響も相当に大きいものがあります。
    それを踏まえると「デジタルだから音は変わらない」というのは、個人的にはちょっと短絡的に過ぎるのかなと思う次第です。
    もちろん、あくまで個人の感想ですが、ご自身の環境でも簡単に計測できるはずですし、ぜひ実際にこういう実験をされた上で判断されても悪くないのかなと思います。

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    Filed under: Audio
    2018/07/14 12:00 pm | USBケーブルとターミネーターでノイズ計測 はコメントを受け付けていません

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