VPIの変な置き物(?)「Magic Brick」を入手してみました。
国内にはほとんど情報がなく、海外もDB-5のほうの情報が多いですが、今回のはDB-10です。
両者の違いは結局良く分かりませんでした。
いわゆる「Shakti stone」と呼ばれるものらしく、機材に接続したりはせず、ただ上に載せるだけという、なんとも説明しづらいものです。
ただ構造はトランスと同じように薄い鋼板を積層してあるもののようで、それ自身もトランスの上辺りに載せると効果があるとされています。
大きさもかなり小さめですが、重量は結構なものです。
周りは枡のような木材で囲われていますが、質感はそんなに高級感のあるほうではないかな。
まずは試しにSONYのSACDプレーヤー「SCD-777ES」の上に置いてみました。
だいたいこの辺りがトランスだと思いますが、このプレーヤーはトランスが2つ載っているので、縦に置いたほうが良かったかもしれないですね。
ただ、不思議なことに音の変化はかなり大きく、ボーカルがとても生々しいのが印象的です。
音楽全体もステージがその場に浮かぶようで、思ったよりも変わるものだなと。
最近のうちのシステムはだいぶ煩さが減ってきたのですが、さらに穏やかかつ自然になり、とりわけボーカルが心に訴えるようになりました。
次はAccuphaseのパワーアンプ「P-550」のトランスの上辺りに置いてみます。
1個しかありませんからSCD-777ESのほうはなくなったわけですが、こちらだと情報量が増して静寂感が向上する方向の変化が感じられました。
ピアノの音階がより明瞭になっているのが特徴的で、純粋にオーディオ的な聴き比べでハイファイ寄りに捉えるとこちらのほうが適所かなと思います。
その日はあまり時間がなく、そのまま放置しておいて改めて後日聴いてみましたが、やはりオーディオファイルが好みそうな風合いに感じる部分があります。
グッと腰が据わった印象を受けますが、かといってドンシャリではなく、表現性が豊かな傾向に変化しました。
喩えるならばちょっと大画面のテレビに買い替えたような感覚で、細部まで見えるのに迫力があるように感じるのに似ているかなと。
ただ、SCD-777ESの上も捨てがたかったので、再度そちらにも戻してみました。
こちらはずっと繊細寄りで、やはりボーカルがとても細部まで描写されます。
現代的なシステム寄りの音の風合いにしたいのであれば、こちらのほうが相性が良いかもしれません。
ただ、低域では効きが薄めになってしまう傾向なのは、単純に重さでアンプの天板の振動抑止効果があったのではないかと感じます。
そこで鳴らしながら移動させてみたり、いろんな音源を試したりしましたが、やはりアンプの情報量の増加のほうが効きとしては大きいかなと。
ベースはスッキリしつつ、音像はより見通し良くなりますし、パイプオルガンは重低音の音階の明瞭さもさることながら、高域が濁りなくズバッと天高く突き抜けていくところまで表現されてきます。
天板の振動は以前の計測でも見受けられましたし、内部構造から来るトランスへの間接的な作用も電源供給などに何らかの影響があるのかもしれません。
特にSACDでは空間表現がとても良くなっているのが目立ちます。
単に残響が増えたりタイトになり過ぎるのではなく、音源から本来の音色が湧き出してくるようです。
やや残響が多めの録音の場合、以前は片側からやや遅れて届く残響が直接音と明瞭に区別できず、定位が引っ張られるような感じに聴こえてしまうことがあったのですが、それがしっかり解消しました。
ちゃんと残響として遅れて届いていることが空間的にも時間的にも認識できるようになっているのですから、不思議なものです。
正直、内部構造がどこまで効いているのかは未知数ですけれど、単純な「重し」としても金属と木材を複合して使ってる点で優秀なのかなと思った次第です。
入手性は限りなく悪いと思いますが、お安く見つけられたら試してみる価値はあるかと思います。
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