電源ケーブルが続きますが、WireWorldの電源ケーブル「AUP III」をゲットしてみました。
愛用してきた同社のSTRATUS Series 5-2が思った以上に今のシステムの傾向を大きく支配していた、ということに気づき、それならWireWorldをもう一本足してみようと思ったわけです。
最新世代からするとだいぶ古いケーブルですが、今のAuroraシリーズということになります。
今のような昆布みたいな形状ではなく、わりと普通の見た目になっていますが、ホットとコールドが別の同軸線になっていて、それぞれの網線がアースに落とされているという形で、構造も相当違っています。
コネクタも独自のものではなく、電源プラグはHUBBELLですし、IECはだいぶ質素なものが付いていて最近のものとはずいぶん印象が違いますね。
当初はプラグを交換してみようかとも思っていましたが、導体は一本ずつエナメル加工されていてIEC側はハンダ付けもされていますし、とりあえずこのまま使おうかと。
さすがにIECのほうはプラグ部分に力が加わっても大丈夫なように多少対処しておきましたが。
これをこれまでSTRATUSを使ってきたMAJIK-ILのところに入れ替えますが、わりと自然に入れ替わって気づかない感じなのはメーカーが同じだから、でしょうか。
しっかり聴いてみると高域がやや華やかで艷やかに変わっています。
パルシブにガツガツ来る感じではなく、インパクトは緩やかで余韻が静かに伸びていく傾向です。
ボーカルには深みが出ていますし、中低域もほどほどに厚みがあって、STRATUSに似つつもAccuphaseのAPL-1に似たような変化傾向ですね。
色んなケーブルの良いところ取りみたいな、良い意味でバランスの良いケーブルかと。
先日試聴用に使ったベト7では音場が奥に深く広がり、オーケストラの位置関係がしっかりして、広い音場、的確な音場表現になっています。
特に音場のスケール感がより正確になっていて、オーケストラだとスピーカーの外側まで広がり、ボーカルものなどは内側に小さくまとまりますし、録音による音場表現の違いも如実に出てきます。
STRATUSよりもゆったりしていて硬さがさらになくなった分、情報量は一聴すると減ったようにも受け取れますが、少なくとも中域以下はかなり増えているようです。
高域のキツさが減ったり歪みが減った影響もあるのでしょう。
迫力ある音源ではしっかりパワフルに鳴りますが押し付けがましくないのが個人的には好みです。
一過性の迫力に頼らず、着実に足元を固めた感じなのはプリアンプには向いているでしょう。
一方、完全な3P構成ですので、アースの扱いがやや気になり、一時的に仮想アースも復活させてみましたがこれは失敗で、低域が減って大人しくなり過ぎてしまいました。
手持ちのパワーディストリビューターから電源を取りたいので2Pで使う必要があるのですが、ここはまた変換プラグで検討したいと思います。
また、STRATUSはDACへの移動を当初考えていましたが、そこにはACOUSTIC REVIVEが入りましたから、こっちは紗羅のシステムへ移動させ、Micromegaのアンプに持っていきました。
こちらも大きく透明感が増し、メインのシステム以上にグッと良くなりました。
コストパフォーマンスや入手性でいうとSTRATUS 5.2はやっぱり意外と良かったんだなと再認識した次第です。
これでパワーケーブルもほぼ満足いく感じになってきましたし、先日からお借りしているSAECのPL-5800もいろんなケーブルと比較試聴してご報告したいと思います。