MacBSの日常生活的日記

YAMAHA MC-1X

YAMAHAのMCカートリッジ「MC-1X」を入手しました。

最近はすっかり空芯じゃないと不満が出てくるようになったところで、Victor MC-1と同じプリント基板ベースのコイルということで気になって入手した次第です。
通常タイプのもMC-1Sとして出ていますが、こちらはシェル一体型でそこはSONY XL55Proに近い形ですね。
本体の重さは18.5gだそうで、見かけよりは意外と軽めな感じですけどアルミダイキャスト一体成型の部分はなかなか強度が高そうです。
裏にあるはずのシリアルナンバーが見当たりませんが、シールっぽいので剥がれたのかな?

2層ラミネートIC空芯コイルはVictorとは違ってダンパーに近い部分にあり、サマリウムコバルトマグネットによるヨークレス差動磁気回路となっています。
カンチレバーはベリリウムのテーパードです。
ちなみに話は逸れますが、製品のケースがとても良くできていて90°回転させることで裏の板バネによりしっかり固定されるようになっています。
針カバーはシェル全体を覆うタイプなのでちょっと普段使いしづらいですけどね。

出力は公称0.2mVですが、意外と小さめに感じます。
ただとにかく出音が澄んでいるのが印象的で、セパレーションの良さからなのかスピーカーの外側まで広がる音場が他のカートリッジと比べて群を抜いているように感じられます。
海外の計測結果でもクロストークは特に中域でとても良好のようなので、発電機構やヨークがないことなどが効いているのかな。

一方で全体的な音色はやはり国産というかヤマハっぽさがちゃんと出ていて、爽やかに溜めなく鳴らす印象です。
評判よりは元気が良くノリの良さもありますが、なにより疾走感があるというのがいちばん良く当てはまる比喩かなと。
帯域でいうと個人的な思い込みでいうとベリリウムカンチレバーの影響なのか、やや中高域は強めに出ますが歪みっぽさはなく、低域はかなり下まで伸びています。
他のカートリッジでいうと「日本的なLyra」という風合いといったところでしょうか。
YAMAHA CDX-2200の音を思い出したようなところもあったので、基本的にはヤマハカラーもあるのでしょうね。

シェル一体型なのでセッティングを追い込むのには向きませんが、シェルリードやヘッドシェルで迷うことがないのはズボラな私にとっては好都合かも。
この手の極細コイルは消磁器を使わないように注意が必要ですけど、そこも空芯なのでそもそも気にする必要がないのも気楽で助かります。
MCカートリッジがだいぶ増えてきましたが、私にとってはこの時代の国産モデルが今は楽しいかなと思っているところです。

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