YAMAHAのMCカートリッジ「MC-4」を追加しました。
1982年発売ということで時期的にも先日のMC-11と同時期で、いわゆる上位モデルになります。
十字マトリックス方式は巻き方で音傾向を変えやすいということもあって雰囲気を変更するという意味合いもあるのでしょう。
MC-11より穏やかで厚みがあってふくよかな雰囲気に仕上がっていて、若干クラシック向きな印象です。
カンチレバーは素材こそアルミニウムテーパードパイプで同じですが、MC-4はかなり短めにしてあってそこも意図があってのことだと思われます。
スタイラスは8×40μm特殊楕円針(MC-11は8×20μm特殊楕円針)でそこまで大きな違いはありません。
ルーペで見た感じとしてはMC-11のほうが長めのダイヤだけど質感はMC-4のほうが良さそうに見えました。
針圧も1.2〜1.6g(最適1.4g)とかなり軽量寄りのセッティングです。
元々付いていたマグネシウムのヘッドシェルは腐食がかなりひどかったので、Victorのシェルと吟醸リードVocalに交換しました。
これでさらにまろやかになった感じもありますが、低域の音階は明瞭になりました。
当初は高域の伸びがいまいちでしたが、それはカンチレバーが短めなのでオーバーハングを合わせるにはその分前に出さないといけないのを忘れていた(適当ともいう)ので、ちゃんと合わせれば高域が伸びて厚みもあり穏やかさと鮮度がかなり両立してくれました。
またカンチレバーの上側がなぜか結構汚れていたので慎重に清掃したのも良かったかもしれません。
ただなぜかMC-4を装着してから聴く頻度が下がった傾向なので、ヘッドアンプもHA-2を使っている関係でちょっとヤマハ色が強くなりすぎたのかも。
意外とMC-11のそっけない感じも良いですし、MC-1Xはセパレーションや鮮度でやっぱり格が違うのでしょう。
とはいえ他の調整である程度どうにかなる程度で、そこは当時の大手メーカーが真面目に作っていたカートリッジは扱いやすいなと個人的には思っています。
そんな大手メーカーはプレーヤーは再開してもカートリッジを作る気配は全くないですし、針交換は実質もうできないことを考えればいろんなバリエーションを持っておくのは今のうちかなという思いもある次第です。