MacBSの日常生活的日記

Zonotone 6NAC-Granster 2000α レビュー

ゾノトーンさんの新製品ケーブルのモニタープレゼントに当選して、インターコネクトケーブル「6NAC-Granster 2000α」が届きました。

新導体を使ったケーブルは各社から出ていますが、この「6NAC- Granster 2000α」は超高純度6NCuにPCUHD、HiFCを含む4種の導体を使ったものです。
これだけ配合するとそのバランスが難しいと思うのですが、そこはさすがに有名ケーブルブランドとして名高い同社だけにしっかりしたポリシーのもとに仕上がっていると感じました。

試聴はATOLLのDACからLINNのアンプまでを繋ぐQEDの「Qunex 4S」からの変更で実施しました。
音の感想の前に使い勝手で言いますと、これは非常に良いものです。
プラグはしっかりしたものが使ってあって挿しやすいですし、いつも緩くなりがちなATOLLでもカチッと刺さるのは大変良いです。
ケーブル部分もかなり太めのものながら、柔らかく取り回しやすいものです。

サウンドの感想ですが、ファーストインプレッションとしてはとにかく高域がスッキリと伸びているというものです。
今風に言えば、まさに「ハイレゾ対応」的な表情が感じられます。
一聴してもQEDに比べて高域が伸びているのはハッキリしていますが、かと言って刺さる印象は全くありません。

音像についても立体感があるし、実像感もしっかりあるもので、透明な膜が取れたような印象です。
全般的な傾向としては軽快になりましたし、なによりオーディオ的な表現に長けているというのが強く感じた点です。

これはジャズとの相性が非常に良さそう、と実際に聴いてみても感じました。
現代的なまとまりで、スピーカーが少し新しいモデルにでもなったような印象すら受けます。
とりわけ低域を中心にダンピングファクターが上がったように感じます。
ボーカルも抜けが良く、リバーブの効かせ具合や声の表情も良くわかるようになりました。

ピアノの高域も軽くなりすぎず、節度のあるタイトさを持っていますが、艶はQEDに比べるとやや控えめです。
高域の歪みの少なさもその印象を強めているのではないかと想像しますし、ノイズ対策の効果が出ているのかもしれません。
複数の楽器が混じり合わず、独立して実像感を持っているのが特徴的でした。

チェロは定位が明瞭で、チェロ自体の中低域の下に、場の雰囲気を伝える低域がしっかり音場を表現している辺り、オーディオっぽいなとマニアながらに感じました。
ヴァイオリンはやや直接音が目立つものの、それだけに妙なクセがなく正確とも言えそうです。
伴奏のピアノとの分離はやはり素晴らしく、余韻がしっかり伝わってきます。
ピアノ自体は一回りグレードの上がったような雰囲気ですが、軽やかさ、というか、可憐さにはやや欠ける面があります。

オーケストラもこれまでの傾向通り、明瞭で分解能の高いサウンドですが、しっかり聴きこんでいくと表現が平坦になりがちで、長時間聴いているとやや単調な気分になるところがあります。
ポップスでは艶の部分がやや減った分、押しばかりが目立ち、ドンシャリに感じる場面もありました。

特性的には明らかにQEDより上だと思いますが、オーディオ的なケレン味もそこそこ含まれるため、それが相性が良い箇所とそうでない場合がありそうです。
とりわけ穏やかさや艶を強く求めると、やや情報過多に感じるかもしれません。

総評としてはオーディオ的で、まさにハイレゾ対応といった雰囲気の現代的なものでありつつも、長時間聴くにはやや飽きやすい傾向があるかもしれません。
同社の紹介ページに「BDレコーダーやBDプレーヤーのアナログ・インターフェイスでも真価を発揮」という記載がありますが、まさにAV用には相性が良いのではないでしょうか。

ここでQEDに戻してみると、高域はやはりダラっと減衰していますが、しっとりした感じになりました。
どこか主張するわけではなく、全体的なバランスと雰囲気で鳴らす傾向です。
特性ではどう見てもこちらのほうが劣ると思われますが、音楽的なバランスという点で一歩秀でたところがあり、私には捨てがたい魅力です。
他にもいろんなケーブルが手元にはありますし、接続箇所もテレビ周りも含め、他にもありますから、もうしばらくいろんなところで試してみたいと思っています。

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