• 0610月

    SONYのMCカートリッジ「XL55Pro」を入手しました。

    先日ゲットしたXL-MC3SHが思いのほか良かったので上位モデルも気になったという、いつものパターンです。
    8の字発電コイルは同じですが、マグネシウム合金ダイキャストシェルと一体構造になっています。
    XL-MC3SHも専用シェルに取り付けられているので似たようなものではありますけど、重さがずいぶん違ってこちらは22gほどとむしろ重い部類に入ります。

    ベリリウム/アルミニウム/炭素繊維を使用した3重構造カーボンクラッドカンチレバーだそうで、説明書を見るとほとんどの部分はベリリウムで根本の太くなったところがアルミ、その内側にカーボンファイバーという構造のようです。
    針は超楕円で、そこはXL-MC3SHと同じです。

    写真で見る以上にかなり大きなボディで、大きめのスタビライザーだと内周でぶつかる可能性もありそうです。
    それに対して針やカンチレバーはかなり繊細で細めで、空芯ということもあって出力も若干低めです。

    音は爽快な雰囲気や鮮度はXL-MC3SHに近いものを保ちつつ、スケール感が大きく、もう少し大らかにゆったりと鳴るようです。
    クラシックにはこちらのほうが合いそうですし、盤の音質差を如実に表す感はあります。
    ジャズでは誇張が少なくハイファイ基調で、ベリリウムの音色ゆえか、ブラシの音がとても鮮明です。

    ダンパーが弱った個体も多いようですが、後ろからテンションワイヤーが張られていることもあってか、底を付くようなこともなく、再生時のVTAで見る限りはまだまだ大丈夫そうです。

    一体型ということもあってオーバーハングの調整はほぼできないですけど、あまりそんな細かいことを気にせず楽しめるカートリッジかなと。
    正直、手持ちの他のカートリッジの出番がなくなるんじゃないかと思うほど気に入っているので、XL-MC3SHとうまく併用しながら長く使えたら良いなと思います。
    できればSONYに再びカートリッジを出してみてほしい気もしますけど、どう考えてももう無理でしょうね。

    Filed under: Audio
    2023/10/06 3:00 pm | SONY XL55Pro はコメントを受け付けていません
  • 0110月

    audio-opusのデジタルオーディオプレーヤー「Opus #3」を入手しました。

    Opusシリーズは#1、#1sと使ってきて、ほぼつけっぱなしで放置しておいても良いという部分や曲スキャンの速さなど、とても使い勝手が良く気に入っています。
    ただバッテリーにやや難があって#1sはバッテリーが膨らんで蓋を押し開けるほどになり、互換バッテリーに交換しました。
    容量がちょっと少なめなので実質駆動時間が短くなったのと、さらなるバッテリー交換にはAliくらいしか調達場所がないのもあって別個体を入手しようと思ったわけです。

    #1sとの大きな違いは筐体が金属製というところでしょう。
    #1や#1sのプラスチックな筐体も扱いが気楽で良い部分もありますけど、DACチップがPCM1792Aになったこともあって放熱の問題もあったのかも。
    ちなみに#1はCS4398のデュアル、#1sはCS43198のデュアルです。

    PCM1792AというとPLENUE Sと同じで、どちらもDSD256までネイティブ再生です。
    イヤホン端子は3.5mmアンバランスと2.5mmバランスの一般的なもので、4.4mmじゃないのが気になる方もいらっしゃるかも。
    見かけは独自OSですが実際はAndroidのカスタムなので、ストリーミングやDLNA対応もしています。
    DLNAの標準アプリだと曲順がおかしい場合があったりしてお世辞にも使いやすい感じではないですから、そのあたりはオマケと思ったほうが良いですけどね。
    Bluetoothはコーデックが不明なのが残念ですが、電波の状態は安定していて音切れはないみたいです。

    PLENUE Sは結構熱くなるので心配でしたが、そこまでではありません。
    再生時間は8.5時間(#1sで11時間)とやや短めですけど、ハイレゾ再生時で2.5バランス使って実測だとだいたい10時間くらいでした。
    44.1kHzなら14時間くらい保ちそうです。
    スタンバイが長持ちなのも健在で、夜聴いてそのまま翌朝9時間後にチェックしても2%くらいしか減ってないのは本当に便利です。

    ファームウェアは届いた時点で1.00.06と最新になっていました。
    音質は大まかに言うと上品で低歪みという印象です。
    広がりがあって中高域はほんの少し強めですがキツくならず華やかさを感じる程度の味付けです。
    低域の分解能は高めで、とりわけ弦楽器では下が伸びるので厚みが出る印象です。
    またS/Nも良くピアニシモの描写も細かいですし、ボーカルに艶があって、シンバルなど楽器の分離も良くて音階も明瞭、さらにベースの音が深みがあり、ゆとりが感じられます。
    音の隙間の静寂にハッとさせられることがあるのはとりわけS/Nのおかげかなとも感じました。
    そうしたスペック的な背景もありつつ、ラテンのようなノリの良さも持ち合わせていてバランス取りが上手いです。
    世評を見るとアナログ的と言われるようですが、なんとなく分かる気がします。

    他の手持ちのDAPとも少し比較してみました。

    iBasso DX160はオンマイクな雰囲気でボーカルが近く、若干硬質でドライな印象です。
    低域は量感はあるものの、ややボヤけるところがあります。
    少しエコー感というか、特に弱音部で滲む感じが出るのはAndroidを通した音という先入観もあるかもしれませんが、少し上っ面をなめたような心に刺さりにくい表面的な印象は受けます。
    表面のザラつきのような感覚があってピアノにもエコー感があり、やや装飾的にも感じられます。
    特に不満があるわけではないですけど、喩えるならばテープモニターを聴いているような雰囲気を感じることがあります。

    PLENUE Sは同じDACチップですが、若干新しい上の2モデルと比べると少し古くさい部分も感じ取れます。
    喩えるなら据え置きオーディオのCDプレーヤーっぽい雰囲気です。
    音数は他より多いのですが、なんとなく分離が不明瞭になる時があって意外と硬めの音調です。
    OSの影響は受けてない印象の音でオーディオ的ゴージャス感もありますが、それが逆にオーディオ的ケレン味と感じられる部分もあって音質評価なら優秀だろうなぁと。
    良い点でいうと、ピアノは硬質さが合って生に近い質感が出ていると感じました。
    同じチップでもこれだけ印象が違うものだというのはちょっと面白いところです。

    こんなにDAPばかりあっても仕方ない気もしますが、少なくともOpusシリーズは手放すことなく使い続けるだろうなと思います。
    できればこの路線のプレーヤーでニューモデルが出てくれると良いのですけど、OpusもPLENUEも出してくれそうもないですね。

    Filed under: Audio
    2023/10/01 2:00 pm | Opus #3 はコメントを受け付けていません
  • 239月

    ACOUSTUNEのイヤホン「HS1300SS Verde」を入手しました。

    先日のお試し入手の「RS ONE」が良好だったので本命に手を出した感じです。
    残念ながら近隣では試聴できる場所がないので実物も見ないままの購入でしたが、見た目の金属感とは違って自然な出音です。
    重さも見た印象ほど重くはなくて装着感も良好です。

    RS ONEの時もそうでしたが、エージングというべきか、少し鳴らしたほうが音が馴染む印象があるので多少鳴らし込んでから本格的に聴いていきました。
    全体としては軽快でもたつきが少なく、ベースはタイトでドライな傾向ではありますが、振幅が正負ともしっかり描写されているのはさすが最近の製品という印象で、無駄がなくクールな音傾向だと感じます。
    かなり強めのベースが入っても背景のパーカッションや管楽器がにじまなかったり、音圧高めの音源でも破綻しづらく細部も出てくるところは現代的なまとめかただなと思います。

    ケーブルはイヤホン側がPentaconn earということもあって手持ちにはありませんが、ARC61という8芯の高純度OFCのものが付いているので3.5mm3極で良ければ交換は不要でしょう。
    ケーブル自体がやや太めですけど取り回しは若干よじれがちな以外は扱いやすいです。
    イヤホンの接続部がかなり「斜め上」に刺さるような形なので耳掛けはやや慣れが必要なくらいでしょうか。

    主にiBasso DX160で試聴してみましたが、どのDAPでも自然な音色で管楽器の抜けが良く、付帯音も少なめです。
    いわゆる多ドラと比べればワイドレンジというわけではないですが、欲張り過ぎずに音の濁りを最小限にするような方向性です。
    若干中域が厚めなのでボーカルとの相性は良いようで、かといってそれを強調し過ぎてくどくなったりしすぎない程度にまとめてあります。
    どんな楽曲でも全体に少し澄んだ感じに仕上げてくれる感じは、とても分かりにくい喩えで恐縮なのですがうちのROKSANのスピーカーの音に似ています。

    イヤーピースは、AET02(F)、AET06(S+/M+)、AET07(S/M/L)、AET08(S/M/L)となかなかたくさん付属していて、当初はAET07を使っていました。
    他の方の感想で目にした低域が抜けるような感じというのは特に感じなかったので、私の耳にはフィットしていたみたいです。
    ただACOUSTUNEのイヤーピースはやや開放的な雰囲気で音の広がりを演出してくれるように感じますが、その分、耳に届くパワー感といいますか、押しの強さみたいなところがやや薄めだと感じて、SpinFit W1に交換してバランスを取りました。
    SpinFit W1は正直、これまではどのイヤホンに付けてもIEMっぽさが強まりすぎて圧迫感のような部分のほうが目立ったのですが、HS1300SSに関しては相性が良かったみたいです。

    手持ちのMaverickやDORADOも素敵なイヤホンだと思いますが、最近のイヤホンはやはり進化している部分も多いなと感じます。
    今はワイヤレス主流でワイヤードも廉価で優秀なものがとても多いですし、その中ではかなり「高級」な位置付けになってしまうかもしれませんが、それだけの満足感が得られる作り、音質を享受してくれるイヤホンかなと感じた次第です。

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    2023/09/23 2:30 pm | ACOUSTUNE HS1300SS Verde はコメントを受け付けていません
  • 169月

    ACOUSTUNEのイヤホン「RS ONE」をちょっとお試しで入手してみました。

    まずはどんな感じだろうということで中古を買ったのですが、フィルタが完全に消失していて大失敗。
    耳垢ガード程度なので音質への影響は少ないはずですけど、このまま使うと中にどんどんゴミが入っていきますからねぇ。
    ひとまず手元にあったFinal MAKEシリーズ用のA-4フィルタを装着しました。

    ちなみに未装着の状態ではゲーム用のヘッドセットのように高域がキツめなものの、音の距離が非常に近くて細かな音も聞き取りやすいようなイメージでした。
    A-4はE4000相当のA-5よりは透過率が高いものの、かなり厚めのフィルタです。
    元々付いていたのに近いのはA-0(これでもまだ透過率は低いくらい)ですから、RS ONE本来の音とはだいぶ異なるのは承知の上です。

    A-4フィルタ装着という非常にイレギュラーな状態だということをご承知いただいた上で、この状態で聴いてみますと能率はだいぶ落ちますが高域のキツさは抑えられて低域も深い感じです。
    最初の音出しの時はモコモコでこれはさすがに無理かなぁと思ったのですが、内圧が落ち着いたのか、しばらくするとだいぶ普通になってきました。(耳が慣れたとも言う。)

    フィルタの影響はあれど、ミリンクスELドライバーの素性は活きていて、歪みが少ない印象です。
    ハード系振動板の傾向のようなサウンドではありますが、それがフィルタでやや緩和されているのもあるのかも。
    ハウジングがプラスチックなので付帯音も少なめで、モニター寄りでありつつ、耳当たりもバランスが取れたみたいです。
    本来の音傾向も残すならA-2くらいが良いかもしれないなぁと個人的には思っています。

    また、左右の分離が良いのも印象的で、付属ケーブルが優秀なのでしょう。
    多少鳴き分かれっぽさはありますが、過度にリスニング的味付けがなく素直です。
    英歌詞が聞き取りやすかったり、テレビ番組も観る時に使ってもやはりセリフが聞き取りやすいのはステージモニターらしさが出ているのだと思います。
    かといってボーカル専用というようなことはなく帯域はちゃんと広く、ワイヤレスヘッドホンを使い慣れていると「こんなに音が良かったんだ」と思うくらいです。
    能率はフィルタで低下していますが、それでもパソコンの内蔵アンプでも十分です。
    フィルタなしの時はだいぶノイズに敏感な傾向を感じましたが、おそらく能率というよりケーブルやユニットの性質によるものなのでしょう。

    イヤーピース選びも試しましたが、結論からいうと純正で良さそうです。
    AET07は適度に広がりがあるのでステージモニターっぽさを多少和らげてくれる方向性かなと。
    SpinFit W1も悪くはないですが、楽しさはやや削がれてIEMっぽくなる傾向でした。

    無茶な比較で、Unique Melody Maverickと比較もやっていました。
    Maverickと比べると、フィルタの影響も相まってやはりちょっと高域は減退気味ですが、じゅうぶんワイドレンジでスピードも速いです。
    Maverickのほうが音色がより自然で、そこは価格差を感じる部分ではありますけども、淀みのなさやストレートな感じはRS ONEも結構、いやじゅうぶんいけると言えます。
    RS ONEは良い意味で軽快で素直な音で、「オーディオ的に調整しました」感が少ない印象です。
    最近のスピーカーと音傾向が似ている感じもあって、イヤホンも(?)だいぶ進化しているのだなと感じた次第です。

    Filed under: Audio
    2023/09/16 2:00 pm | ACOUSTUNE RS ONE はコメントを受け付けていません
  • 139月

    ABA(今のサンシャイン)のレコードスタビライザー「MAS REFERENCE」を入手してみました。

    スタビライザーはすでにマイクロ精機と山本音響工芸などを持っているのでもう必要なさそうな気もしますが、理由は2つあります。
    ひとつめはEPシングル、いわゆるドーナツ盤でも裏返して使えばアダプタを避けた形で載せられるという点です。
    うちはあんまりEP聴かないですけど吸着もEPアダプタの密着度が良い時じゃないと効きづらいのでその補助にもなるだろうなと。

    もうひとつはターンテーブルシートを使って吸着しない場合にパッキンで若干浮いてしまうため、軽めのスタビライザーがあっても良いだろうと。
    山本音響工芸も380gですが、MAS REFERENCEは250gとさらに軽いです。
    サイズは結構大きいのでマグネシウムが軽いんでしょうね。
    周りのゴムリングみたいなのもあるので若干大きすぎてヘッドシェルによっては内周でぶつからないか若干心配ではあります。

    肝心の音傾向ですが、あまり抑圧された感じにはならないようでそこは安心しました。
    少し重心は下がって余韻はややデッド寄りになるのはスタビライザーでありがちな方向性です。
    定位もややタイトになる方向性でした。

    吸着時も試しに載せてみましたが、こっちはないほうがバランスが良さそうです。
    載せないと少し膨らむがブライトな感じになり、載せるとタイトになるので少し神経質になり過ぎる印象で横の広がりが狭まります。

    肝心のパッキンの浮きはこれまた軽いShizukaのシートだとじゅうぶんに沈めきれない感じで、そこはやや期待外れでした。
    うちのプレーヤーは意外とフローティング系の脚なので、あまり重いとプレーヤーの水平調整、シートによってはアームの高さ調整も必要なので、頻繁に違う設定にするのはやや厳しいかも。
    最近入手している盤は微妙に反ってるのが多めなので、とりあえずしばらくは吸着優先のセッティングにしておこうかと思っています。

    Filed under: Audio
    2023/09/13 3:00 pm | ABA MAS REFERENCE はコメントを受け付けていません
  • 049月

    ISOCLEANの15Aヒューズがお安く出ていたので導入してみました。

    15Aってもうブレーカーのほうが先に落ちるんじゃないかという容量ですけど、KRELLの電源側ヒューズに自己責任で使ってみようかなと。
    ちなみに本来は12Aのファーストブローが定格です。
    また普通のISOCLEANはガラス管ですが、15Aのはセラミックっぽく見えたというのもあります。
    実際にはどうも何か塗料みたいなのを塗ってあるだけっぽいですが。

    KRELLの場合はスピーカー側にも保護回路がなくヒューズを使ってあるので、こちらは音への影響が非常に大きいですが、電源のほうもやはりパワーに余裕がある印象です。
    コンデンサ周りにもたしか4本使ってあったと思うので、そこの定格を調べて交換すると良いかも。(マニュアル類には記載がない。)

    電源に関してはいっそのこと、電源ケーブルにブレーカーそのものを仕込むと良いのかもしれませんね。
    ただやるなら信号側のほうが断然重要なはずで、こっちはMOSスイッチを使ったものを自作すると良いのかなと思いますが、結構大変そうです。
    マルツにスピーカープロテクション基板キットがあるので、それがいちばんの近道ではありそうですけど、とりあえず現状はヒューズでいこうと思います。

    Filed under: Audio
    2023/09/04 1:30 pm | ISOCLEAN 15A はコメントを受け付けていません