• 226月

    Shizukaブランドのターンテーブル「STS-300」を導入しました。

    先日入手したケーブルノイズキャンセラー「CNC20-200」と類似で、カーボンファイバーと電磁波吸収マットの2層構造となっているボードです。
    下側が厚さ1.0mmのカーボンファイバーと炭素繊維で、その上にカーボンマイクロコイルやフェライト等をハイブリッド化した厚さ0.1mmの電磁波吸収マットとなっています。

    全体でもたった1.1mmしかなく、レコードが2mm程度ですからそれよりずっと薄いくらいです。
    うちのBL-99Vは吸着式ターンテーブルで吸着しないとパッキンが浮いた状態になるのですが、それを回避できないかなという意図もありました。
    重さも126gしかないので吸着したくなったら諸々の調整をそんなにしなくてもすぐ切り替えられるというメリットも出てきます。(厳密に追い込む方には異論もございましょうが。)
    ただシートの外径が29.5mmとレコードよりちょっと小さいのでSTS-300自体を吸着できないのはやや予定外ではありました。
    これとレコードを載せれば内側のパッキンは沈み込みますし、外側のパッキンはSTS-300の厚みで回避されているので実質問題ないですけど。
    不安なら軽めのスタビライザーと併用が良いかもしれません。

    ちなみにSK-FILTERも高さ調整が厳密には必要ですが、レコード盤も厚みに結構差がありますし、いつでも変更できるように下に鹿革を挟んで高さ補正しておきました。
    吸着用のポンプもプレーヤー背面のswitchedコンセントから取る形なので、これを止める必要があるのですが、まずはそのままで使っています。

    さて早速のサウンドの変化ですが、使用前と使用後ではぐっと音像が広がりを見せました。
    この感覚はハイレゾの試聴をした折に、サンプリング周波数を上げて行った時に感じたものに良く類似しています。
    余分な微少振動が無くなることによりピントのズレが無くなって、ビシッと揺らぎの無い音像が見通しの良い空間の中に広がっていく感覚です。
    歪っぽさも皆無で生音のような柔らかな音に魅了されました。

    低域のキレも良いようで、カートリッジのカーボンカンチレバーに似た音色の変化具合です。
    高域のキツさがなく、スッキリと開放感がある鳴り方です。
    やはり吸着のデメリットが解消する感覚なので、盤の反りによって使い分けるのが良いのでしょう。

    ジャンルでいうとジャズやフュージョンが冴えた感じで、これまでだとやや閉塞的に感じる部分がなくなっています。
    ただ過度に音が変化するというよりは欠点が埋まったような印象で、ギターやサックスなどの音色が生き生きとしています。
    ジャズでは音がだいぶ前に出るようになっていて、低域の音階が明瞭です。
    低域のキレが良く収束も速く、それでいてデッドにならないのでドラムの音色も抜けが良く自然になって、ソウルフルなサウンドに
    なりました。

    このシートの主なニーズは「外来ノイズの軽減」のようですが、静電気に関してもパチパチノイズが出にくいように思われます。
    盤の表面が少し滑らかになったような印象でしょうか。
    静電気に関してはACOUSTIC REVIVE RTS-30と2枚重ねを当初から想定していまして、STS-300でパッキンを回避しつつノイズ軽減、そしてRTS-30で静電気対策というのが最終目的です。
    こちらは厚みがそれなりにあるのでトーンアームの調整が必須ですから、また後日調整を追い込んで試していこうと思っています。

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    2023/06/22 2:30 pm | Shizuka STS-300 はコメントを受け付けていません
  • 186月

    Mark LevinsonのD/Aコンバータ「No.360L」を導入してから出番がめっきりなくなったDENAFRIPS ARESIIを活用してみても良いかなとRoonを試してみることにしました。

    といってもRoon Readyな機材はないので、Mac miniにDENAFRIPSをUSB-DACとしてつないで使うだけですからRoonの本領発揮ではないと思いますけど、そこはまあお試しということで。
    No.360Lは24bit/96kHzまでで、DELA側でDSDはPCM変換(32bit/44.1kHzになる)してGUSTARD U16経由で入れてますので、DSDでは有利になるはずという思惑もあります。

    早速聴いてみると正直やっぱりUSB-DACという感じのサウンドがしています。
    ROON+DENAFRIPSは明瞭で安定感はあるのですが深み、沈み込みが少なく軽く感じてしまいます。
    また余韻が薄いようにも感じられました。

    DELA+Mark Levinsonの悪いところを捉えるとやや曇りがある感じもありますが、柔らかさと自然な雰囲気が両立していて場の空気感が出てくる印象です。
    穏やかだが深みがあり、音に滲みが少ないので実体感があります。

    ピアノ、ボーカルではROON+DENAFRIPSが歪みは少なく透明感があってスッキリしています。
    中高域はややキツめでしょうか。
    こちらも再びマークレビンソンにしてみるとシルキーな柔らかさがあります。
    ボーカルだと口先でなく腹式呼吸での発声を感じて艶やかになり、やはり実体感に差を感じてしまいます。
    ピアノもMark Levinsonのほうが打鍵がしっかりしているように思います。

    実は先日のネットワークハブのポート無効化などの設定はこの試聴をした後にやったのですが、これでさらに差が広がった感があります。
    音像のシャープさ、音場の正確さ、広さがかなり違っていて結局また出番は減ったままです。
    ただRoon自体はHP-A8では便利でして、音もそれまで使っていたmconnect Playerと比べるとずいぶん良くなっています。
    とりあえずそっちのニーズでは採用ということになりそうですが、据え置きオーディオ側はやっぱりRoon Readyな環境が整ってからかな。
    最近はごく短時間しかスピーカーで音楽を楽しむ時間は確保しづらいですし、そんな時くらいはパソコンの電源を切りたい(スリープだけど)気もするので、そっちの路線にはあまり積極的にはいかないとは思いますが、試さないのも面白くないですからトレンドとしては追っておこうと思っています。

    Filed under: Audio
    2023/06/18 1:00 pm | Roonを試す はコメントを受け付けていません
  • 176月

    先日はDELAにSATAノイズフィルタを付けましたが、さらにSATA信号ケーブルも交換してみることにしました。

    Pachanko Labs serenity silverの20cmのを見かけたのがきっかけでしたが、それだと短すぎたので軽く調べた結果、実績もありそうなSilverStoneの50cmに。
    ちなみに元のはMEILUというところの40cmのものが装着されていました。

    給電ケーブルもどうやら同じMEILUのもののようで、公式サイトに載ってるのがまさに5pinみたいですけど、PC系では普通ペリフェラルの4pinでつながるのが通常のはずです。
    5pinのはユニバーサルコネクタならあると思いますが、ピンアサインも好評されておらず(どうせGNDと各電圧でしょうけど)、そこは当面そのままでいくことにします。
    やるとしたらRAIDに改造する時でしょうけど、そもそもシングルドライブの製品でRAIDがちゃんと動くのかな?

    だいぶ話が逸れましたが10cmほど余裕ができた分、取り回しはちょっと自由度が増しました。
    一応ケーブルにはカーボンチューブっぽいものが付いてるのは良さそうですが、コネクタにロック機構がないのが難点かな。

    音としてはやや上品になったようで、厚みが少し出てキツさが減っている感じがします。
    静寂感があるためか、余韻の部分が明瞭になって音数も増えています。
    とはいえ、なにせNASの中のSATAケーブルだけですから「劇的」とかいうものではないですけど、曲中の楽器の音が転がるような感じがより明瞭に出るようになったとは思います。
    もう少し具体例を挙げると、ハープシコードの低域側がしっかり感じ取れるようになり、これまではやや浮き足立っていたように感じられることがあったところががっちり実体感を伴ってくれるようになったあたりが違いでしょうか。

    かといってぼわぼわせず明瞭さは保てているのも良い部分です。
    爽快感と抜けの良さはおそらくSATAノイズフィルタとの相乗効果っぽく、そこをさらに強化できたのは良いところかと。

    当然ですが本体の改造行為にあたりますので、DELAの保証は受けられなくなります。
    すでにSSDに換装してノイズフィルタ付けてインシュレーターも交換とやっていますから今さらではあるんですが、これをご覧になって試した結果、動作しなくなったといった問題には対応いたしかねますのであくまでも自己責任でご実施くださいませ。

    Filed under: Audio
    2023/06/17 4:00 pm | DELAのSATAケーブル交換 はコメントを受け付けていません
  • 146月

    finalのイヤホン「E4000」が徐々に左右差が激しくなってきていたので修復してみることにしました。

    だいぶ前からMMCXの接触不良があったり、純正ケーブルが断線しそうになったり、イヤホン本体のノズルの反対側の空気抜きキャップの接着が剥がれたりとかなり満身創痍な状態ではありました。
    ケーブルは別のものに交換して接点復活材を塗布したり、MMCXのリングを広げてみたり、キャップは接着したりと対策はずっと施してきたのですが、左右差だけはどうもこれらとは別の問題のようで、最初はもう諦めようと思っていました。
    どうせダメなら最後にノズル内のフィルタを剥がしてみてやれ!と剥がしてみると左右差がなくなったではないですか。
    見た目ではそんなに詰まったりしている感じはないのですけど…。(周辺の黄色い部分は接着面)

    finalは結構なモデルがこういうフィルタを駆使することで音決めされています。
    ですので剥がしてしまうと、この場合なら高域がキツくなったりと本来の音ではなくなりますが、左右差があるよりはマシです。
    もちろんそのままだとドライバに汚れが入り込むので対処は必要ですけどね。

    それで治るならばと同社のMAKEシリーズ用に出ているAフィルタ10種類の中からA-4とA-5、それに取り付けに便利なピンセットと治具を公式サイトから購入しました。
    MAKEシリーズは以前持っていてアレにも一式入ってたと思いますし、ピンセットと治具はなくてもなんとかならなくはないですがそう高いものでもないですので。
    ちなみにこういう小物だとゆうパケットで送ってくれるので送料はさほど高くありません。

    ネットで情報収集した感じではA-5が元々付いているフィルタに近いものらしいので、今回はそのままA-5を使いました。
    ちなみにA-4はもうちょっと透過度が高いものですから、こっちにすると若干高域寄りのバランスにすることもできるはずです。

    ピンセットはかなり先が尖っていて扱いやすく、ノズルのかなり奥まった部分にもわりと簡単に貼り付けられました。
    結果からいいますと左右の音の偏りはしっかり改善しました。
    MMCXの接触不良は相変わらず起こりやすいですし、背後のキャップ状の部品は改めて接着しなおしたので満身創痍なのはあまり変わらないですけど。
    ちょっとここまで来るともう主役を張れるような感じではないですから、半引退状態にはなってしまいましたが、もうちょっと早く手を打てば良かったかも。

    どうも類似の症状は結構多いらしいですし、そうなるとフィルタを綿棒などで掃除してもあまり改善しないみたいですから、他のEシリーズも含めて「そういえばなんか最近おかしいんだよなぁ」という方は試してみる価値はあるかもしれません。
    ただメーカーが推奨しているやり方では決してなく、本来はメーカー修理という形での対応だそうです。
    フィルタはあくまで最初から改造を前提にしているMAKEシリーズ用のものを勝手に流用しているだけですので、実施は自己責任でお願いします。

    Filed under: Audio
    2023/06/14 4:00 pm | final E4000の左右偏り改善 はコメントを受け付けていません
  • 116月

    Unique Melody Maverick用にイヤーピース「SpinFit W1」を入手してみました。

    Maverickはステムがやや太いので装着に不向きなイヤーピースも多めです。
    最初に適当にチョイスした以前のSpinFitが広がりがあって良好だったので、評判を調べるとW1が良いということでちょっと高いですけど入手してみた次第です。

    「ハイエンド有線イヤホン向けイヤーピース」と銘打っているだけあって作りはしっかりしています。
    サウンドチューブ内径は4.4mmでS/M/Lの3種類が付属してるので、Mを使ってみました。
    素材は昔のSpinFit(茶楽音人に付属だったもの)とは違って、医療用グレードのシリコンが採用されています。
    素材が普通のゴムっぽいものより伸びやすいとはいえないので、取り付けはなかなか大変でした。
    カサをめくって取り付けるとやりやすいと思います。

    以前のSpinFitと比べると音が近くなって高域はやや華やかになります。
    装着感が良くなった影響なのか、音量も大きくなって感じます。
    空間的な広がりはかなり弱まり、直接音が強まる印象です。
    ノーマルなSpinFitのほうが空間の広さがあって「開放型ヘッドホン」のような圧迫感のなさが良い部分もあります。
    ただ余計な音の色付けは少なめだと思うので、イヤホン本来の性能を引き出すという意味ではW1のほうが優秀でしょう。

    試しにDORADOにも装着してみましたが、中高域はやはり少しシャリつくわりにMaverickと比べてしまうと帯域が狭く感じて慣れるのに時間がかかりました。
    こちらは今のfinal Eのほうが自然かな。

    逆にMaverickにはSednaEarfitも試してみましたが、音が近くなり素直になる傾向はSpinFit W1に近いですが、やはり空間は狭くなりオーソドックスすぎる傾向で、これだとW1のほうが良いでしょう。
    この際にフォームタイプも試してみましたけども、フォームは普通だと低域が柔らかくなり過ぎることが多いのですがその点は問題ありません。
    音は適度に近いが広がりもそこそこあり、細かい音が聞こえてIEMらしさが増すようです。
    ただフォームはどうしても寿命が短いので常用は厳しいかなぁ。

    その後、しばらく通常のSpinFitで運用していましたが、装着によって定位がブレることがあるのが最大の難点です。
    Maverickは筐体がちょっと大きめで、ケーブルのワイヤーの曲がり具合などによって少しフィットが甘くなることがあります。
    サイズが合ってない可能性もありますけど、イヤーピース自体が薄手なのも多少関係していると思われます。

    そこで再びSpinFit W1に戻すと、やはり装着はしっかりしています。
    シリコンが体温に近づくとよりしっかりフィットした感じになりますし。
    やはり音の距離は近くて、いわゆるIEMらしい感じは強まってスピーカーでいうと聴取距離が近くなったような感じです。
    低域の音階はとても明瞭になるので、モニター感覚ならこちらのほうが良いと思います。
    またピアノの音色が自然なのはおすすめポイントかな。

    お値段がちょっと高めですし、結局は耳やイヤホンとの相性があるので絶対的なオススメとはしづらいというのが正直なところでしょうか。
    高域はキツめになる傾向があるので、やや低域が強めだったり明瞭度が不足しているかなと思うケースなら試してみる価値はあるかと思います。
    Maverick用のイヤーピースについてはもうちょっと試行錯誤が続きそうな感じです。

    Filed under: Audio
    2023/06/11 2:00 pm | SpinFit W1 はコメントを受け付けていません
  • 096月

    先日入手したUnique Melody MaverikのケーブルをLuminox audioの「LNA Reflection」でリケーブルしてみました。

    2.5mmもちょっと考えましたが、Hugoで使うことや他の機材もAstell&Kernを除くとまちまちなので3.5mmが間違いないでしょう。

    その前はAcoustune ARC21にリケーブルしてあって、それはそれで音に太さもあって悪くなかったのですがイヤホン側のプラグ部分がぼちぼち痛み始めていたのと緑化も少し進んできていたので代わりを探していました。
    ケーブル自体は取り回しやすいものが良さそうだということでLumixnox Audioをチョイスした次第です。

    今回は幸いまだ新品が調達できました。
    もうひとつ上位のBooster Blueも気になったんですけど、LNA Reflectionのほうが素直なのかなと。
    ちなみにReflectionは「銀メッキ銅線による6芯構成」、Booster Blueは「超高純度OCC線2芯に、銀メッキした超高純度銅線による4芯」という違いがあります。

    早速聴いてみると、まずは音が澄んでいるというのが第一印象です。
    Acoustuneと比べると高域が主に違っていて、サラサラして良く伸びています。
    低域には実体感のある重さを感じ、クセも少なく広がりがあります。
    「Pair Balancing Technology」というものでアンバランスでもバランス伝送に近い効果が得られるという謳い文句ですが、たしかにそれも分かる気がします。
    Acoustuneも穏やかさはあってそれはそれで魅力がありましたけど、少なくとも純正ケーブルよりはどちらも良好かと思います。

    Hifi-M8でも試してみましたが、このアンプはパワーがとてもあるものの、少しガサつくことがあるのですが、Reflectionではそれもあまり顕著にならず透明感を引き出せている気がします。
    Hugoの奥まった3.5mmプラグにもちゃんとそのまま刺さりますし、音質面ではやっぱりHugoが最適かな。
    現状、外に持ち出して使うような場面はなく(そういうニーズはAirPods Proが担っている)、主にリビングで夜にリラックスするために聴く程度ですが、気分良く音楽を楽しめてリフレッシュできる環境が構築できたかなと思っています。

    Filed under: Audio
    2023/06/09 3:30 pm | Luminox audio LNA Reflection はコメントを受け付けていません