• 083月

    ずいぶん前にもオーディオチェック用音源をまとめたCDを作ったりしていましたが、最近はチェックに使う曲もかなり変わってきたのでこの機会に紹介してみようかと。

    以前はCD-Rに焼いてありましたが、最近はもっぱらDELAのNAS経由で聴くことが多いです。
    ついついどんどん飛ばし聴きしてチェックしてしまうのは音楽を楽しむ意味ではあんまり良くないところもありますけど。
    それはさておき、再生回数の多い曲もチェックできるので、それも参考にうちでメジャーに使っている音源とチェックポイントを簡単にご紹介してみます。

    まずはEmma Blackの「The Privileged Oboe」です。
    むしろCDのほうが輸入盤のみで入手しづらく、配信やストリーミングのほうが聴きやすいかと思います。
    テレマンやバッハの楽曲をオーボエ主体にアレンジしたもので、オーボエとヴァイオリン/ヴィオラ、チェロ、ハープシコードで構成されています。
    録音はオーストリアのクロスター教会で収録されていて、かなり豊かな響きが特徴的です。
    おそらく教会は違うところだと思いますが、YouTubeの動画でもう少し大きな編成のバッハを聴くことができます。

    チェックするポイントはオーボエの音色と大きさ、それぞれの楽器の前後関係といったところです。
    上手く調整するとまさに上の動画のような場所にトリップしたような感覚が得られます。
    また動画でも分かるように結構オーボエの位置は動きますし、セッティングがイマイチだと反響した余韻が不自然になったり音域で奏者の動きとは違って飛んでしまうような感じが出てきます。

    かなり似たような音源になりますが、Dan LaurinのTelemann Recorder Sonataも最近良く聴いています。
    こちらはリコーダーがメインで、やはりヴァイオリンやチェロ、ハープシコードなどのアンサンブルです。
    ドゥボ教会での録音で、楽曲や場所は異なると思いますがYouTubeで似たような雰囲気のものが確認できます。

    こちらのチェックポイントもやはりリコーダーの音色と体の動きが主体にはなりますが、ハープシコードやチェロの配置、大きさなどの再現性を確かめる事が多いです。
    古楽器はどうしても細い音になりがちですし、音量も出しづらい楽器が多いですけど実際の出音はナチュラルでやさしいものですので、妙なキツさが出たり余計な付加がないかを知るには分かりやすいのかなと思います。
    また個人的には音源に入っている残響を最大限活かして、あまり部屋の響きを足しすぎない方向で調整しているので、録音時の場所の感じが自然に感じる音源を重視する傾向にあります。
    Accuphaseの頃はちょっとキンキンした感じで薄く感じていたので、そこまで聴かないジャンルだったんですけどね。

    フルートとハープの「ア・ラ・ファンタジア」も良く使っていて、フルートの音色はもちろんですが、意外とハープの大きさ、音色再現が難しいなと思います。
    以前はピアノでのチェックが多かったような気がしますが、どうも最近は管楽器が気になるようです。

    女性ボーカル系で昔から多用しているところでは手嶌葵さんの「虹の歌集」から1曲目の「虹」でしょうか。
    出だし部分、結構オンマイクでデッドなボーカルから始まるので、その大きさやセンター定位、揺れずにすっと前に抜けていくか、といった部分を確認する時はこれを使うことが多いです。
    全体としてはあまり高音質な音源というわけではないですが、そこもあまり神経質に聴かせ過ぎないようにという配慮もあります。

    Daniel Hopeの「The Romantic Violinist」もずっと長いこと使っている音源です。
    オーケストラ編成のものから、シンプルなピアノとの合奏までバリエーション豊かなのもチェックには向いているかと。
    また、曲によってホールリバーブや配置が異なるので、それぞれの楽曲マスタリングの意図が汲み取れるかもチェックポイントです。
    どの曲でも編成がブレたり、音がふらつかないようにするのは意外と難しいように感じられる音源です。

    最近の楽曲は音圧が高いものも多いのでそちらにもなるべくは対応させようとしています。
    自然な音源のほうを重視していますけどね。
    コンプ強めなものとしては、池田綾子さんの「HIKARI」から「星降る森」を最近は良くチェックに使っています。
    前半は穏やかに始まってまだあまりコンプが効いてないので、1曲の中で双方のチェックができるということもあります。

    Diana Pantonの「Red」もどちらかといえばやや音圧は高めなので、こちらもわりと使っています。
    ジャズっぽいノリの良さ、各楽器とボーカルのバランス、配置なども確認する点でしょうか。

    SACD系は以前ほどチェックしなくなりましたが、Joe Beckの「Alto」は良く使うディスクです。
    こっちも音色に加えて、ノリの良さを確かめている気がします。
    もうちょっとチェックディスクっぽいものだと「Accuphase Special Sound Selection 2」の使用頻度が高いです。
    前半のクラシック部を主に使用して、チェック内容としてはまさにライナーノーツに記載されているような部分をチェックしていく感じです。
    AYAなども同様ですね。

    Dave GrusinとLee Ritenourの「Two Worlds」を出番は多く、フュージョンというよりちょっとクラシック寄りの楽曲なのも特定のジャンルに偏らない調整にはちょうど良い感じがします。
    中高域にキツさが出やすい音源な気がするので、そこやピアノとギターのバランス、キレの良さなどをチェックしています。

    最近はTwitterなどで拝見したものを追加することも多々あります。
    ムターは以前だとレコードで四季を稀に聴く程度でしたが、最近は「Acorss The Stars」から「Rey’s Theme」やコルンゴルトなどを聴くことが増えました。
    ヴァイオリンの大きさとオーケストラのバランス、ffでは中低域の膨らみが出やすい音源が多いのでそこに注意しています。
    後者はまだ完全には解決できていませんけど。

    アンセルメの三角帽子も以前は全く聴かない感じだったのですけど、最近はまず音源選びから始めています。
    舞台イメージが湧くかというところと奥行き感がポイントなんだろうと思いますが、今のところは普通のCDがいちばん自然に収録されているような印象です。

    まだまだ他にも要所要所細かくチェックしたりしますけど、あんまり調整ばかりしていても音楽が楽しめないですし、そもそも好きでもない音楽やデモ的に過ぎる音源も疲れますので、そこはバランス良く楽しく聴きたいなと思っています。

    Filed under: Audio
    2023/03/08 3:30 pm | オーディオチェック音源 2023 はコメントを受け付けていません
  • 272月

    HIFIMANのヘッドホン「Edition X」をパソコン周りのちょっとした確認用に最近愛用していますが、このモデルは古いこともあってヘッドホン側が2.5mm3極というちょっと変わったものになっています。
    実際には2.5mm2極でも大丈夫ですのでHD700用あたりが使えるようですが、それでもあまり出物が多いタイプではありません。
    ちなみに最近のHIFIMANは3.5mm3極になっています。

    以前、Crystalline Silver Cable−6.35mm Plugをゲットして、これがまさに適任だったのですが当時はEdition Xを持っていなくて3.5mmにプラグ交換してしまいました。
    最近まではこれに2.5mm3極-3.5mm3極の変換プラグを介して接続してたのですが、音質面ではやっぱり接点が増えるのは良くないですし、良質な変換プラグはほぼないので接触不良も起きやすかったのでした。

    こうなると自作しかないかなとまずはそのベースになるヘッドホンケーブルを選びます。
    手持ちのだとonsoのHD600用のをベースにするのが良いかなと最初は考えました。

    ただそもそもonsoからは2.5mm2極の製品も出ているので、これを切って加工するのもちょっと気が引けます。
    2.5mmプラグはとても小さいので上手くはんだ付けできるかも(自分の技量的に)不安だったというのもあります。
    そこでまずは実験台になってくれるケーブルを入手です。

    実験台と言っても特に作りは悪くなく、ごく普通に良くできた最近のHIFIMANで使える中華なケーブルです。
    とりあえずの動作確認をそのまま変換プラグでやった後、いよいよプラグ交換に取り掛かります。
    プラグも意外と選択肢が少ないのですが、HD598用のものがあったのでそれにしました。

    銀入りはんだを使って予備ハンダもしておいたので思ったよりは簡単にはんだ付けできました。
    むしろケーブルが細く2芯ずつはんだ付けされているのもあって、元のプラグを外すほうが大変なくらいでした。

    左右が色分けされたプラグはなかったので、テフロンテープで左右が区別できるようにしておきました。
    内部もテフロンテープで巻いてあります。
    カシメ部がないので引っ張り強度がちょっと心配ですが、スリーブは一応付けてありますし、自分でまたはんだ付けすれば良いのでそんなに心配することもないでしょう。

    音質的にはちょっとそっけない感じもしますが、接触不良は減ったので良いかな。
    アンプ側が3.5mmなので結局そっちに6.3mm変換プラグが増えましたけど。
    将来的には出物があった時にちゃんとしたケーブルも見つけたいですが、そもそもHIFIMANのもうちょっと新しいモデルに切り替えがほうが良いのかもしれません。

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    2023/02/27 12:00 pm | HIFIMAN Edition Xにケーブル作成 はコメントを受け付けていません
  • 262月

    AcoustuneのMMCXケーブル「ARC31」の2本目を入手しました。

    final E4000に使って好印象だったので、耳掛けタイプじゃないケーブルとしてもう一本欲しいなと。
    候補としてはCampfire Audio DORADOに装着しようという目論見です。
    結局は耳掛けで使うんですがDORADOは挿し具合や装着角度が微妙なのでワイヤーが入っているとそっちに引っ張られて微調整しづらいのです。

    今回のも全体に変色してますが、導体自体の緑化というよりも被膜に色が移ったような感じです。
    一応拭いてみたりもしましたけど簡単には落ちないようなのでクリーニング程度に留めておきました。
    絶縁体も含めて記載が見当たらないようですが触った感じとしてはPVCっぽいんですけどね。
    今回も立派なケースが付属しています。

    肝心の音の変化ですが、DORADOらしい低域番長さは残しつつ、細部が明瞭でとにかくアレンジが見えるのが特徴だと思います。
    ただ若干ドライなところはあるので、リスニング向きのCampfire Audioがややモニター寄りになった感もあります。
    ボーカルの機微が明瞭に見通せたり、コーラスもこと細やかに捉えられて中域を重視した印象です。
    DORADO側の特性も大いに関係しているとは思いますが、中低域はやや厚めでベースラインも見えやすいです。
    高域のキツさは微塵もないので、その点ではリラックスして聴けるところは維持できています。

    他のイヤホンで使ってみるのも試したいところですが、数もだいぶ整理したし出番としてはDORADOが多めなのでここで良いかな。
    新しいイヤホンとかDAPなども気にならないわけではないのですけど、最近は試聴もできてないですし…。
    いつかはAcoustuneのイヤホンも試聴くらいはしてみたいところですし、イヤーピースも気になってきているところです。

    Filed under: Audio
    2023/02/26 12:30 pm | Acoustune ARC31、再び はコメントを受け付けていません
  • 122月

    Acoustuneの2pinケーブル「ARC21」を入手しました。

    先日のARC31が思いのほか良好だったのと、2pinのリケーブルは全然持っていなかったのでちょっと試してみようかなと。
    といっても2pinのイヤホンはOriolus Finschiくらいしか持ってないのでコレを純正から交換しました。
    立派なケースに惹かれた部分もありますけどね。

    音は想像以上の変化で、まるで別のイヤホンくらいに変わりました。
    Finschi自体、その後にHifiにモデルチェンジして高純度銅線になったらしいので、元がちょっとクセ強めのケーブルだったとも言えるのでしょう。
    そもそも音圧が上がったようで損失が少なくなったんだろうなという印象がします。
    低域が厚めになりましたが、全体的な音の雰囲気としては意外と柔らかく音の広がりも良くなりました。

    イヤホンそのものが1DDで高級モデルでもないですから超高解像度とはいきませんが、長く聴いていて耳疲れしないバランスでありつつ、細かな音のニュアンスもしっかり描写できるようになっています。
    Forsteniも以前持っていてこういう傾向であるものの低域が薄めだったので、アレにも合いそうですね。
    少し馴染んでくると高域も伸びてきましたが、その分、やや4kHz付近にキツさが出る場面もあるのもイヤホン側の特色が目立ったようにも感じられます。
    中低域もやや盛ってあるので、そういう意味ではモニター用途よりリスニング向きですが、ベース領域が明瞭に出てくる傾向で楽しく聴けます。

    音傾向はARC31とまたちょっと違いましたが、これもなかなか良いケーブルでした。
    スピーカーは昼間が出番で夜はヘッドホン主体なので、イヤホンとなると出番は寝る直前くらいしかないのですけど楽しく聴けるのはやっぱりうれしいものです。
    Acoustuneのイヤホンも気になっていますので、機会があれば試聴してみたいところです。

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    2023/02/12 4:00 pm | Acoustune ARC21 はコメントを受け付けていません
  • 092月

    VictorがTwitterで実施していたプレゼントキャンペーンで波佐見焼のペアマグカップが当選しました。

    以前はよく懸賞に応募していた時期もありましたが、最近はなかなか当選しないので久しぶりですね。(ヨドバシさんのポータブルテレビ以来?)
    Victorのロゴもオシャレですが、波佐見焼というあたりもかなりこだわりの一品です。

    当然ながら日本製で、こういうこだわりはオーディオ製品でももっともっと生かしてもらいたいです。
    本格据え置きオーディオへの再参入とかないのかな?
    LaboratoryシリーズやSXなども人気でしたが、とりわけカートリッジとかターンテーブルなど出したら喜ぶファンは多そうです。

    ちなみにVictorのロゴはさすがに入っていませんが、製造元のマルヒロさんで同じ形のマグカップは購入できるようです。

    Filed under: Audio
    2023/02/09 2:00 pm | Victorマグカップ、当選 はコメントを受け付けていません
  • 052月

    AcoustuneのMMCXケーブル「ARC31」をゲットしてみました。

    3.5mm3極タイプで今さら感もあるのですが、紗羅が愛用しているfinal E4000の付属ケーブルが断線気味になってきたため、なにか変わりになるケーブルを物色していて見つけました。
    ちょっと緑化している部分があるのでお安くなっているのもありましたけどね。
    ちなみに今のAcoustuneのイヤホンはPentaconn Earが主流になっています。

    2重ツイスト構造を持つ8芯ケーブルを3重にシールドしたものだそうで、元々は結構な高級ケーブルです。
    当初はそこもそんなに考慮しておらず、条件となったのは「3.5mm3極でイヤホン側にフックや金具がないこと」くらいです。
    それが意外に選択肢としては少なくて、手持ちのものもほぼ該当せず、適合するとすればALO audioのPure Silver Litz IEM Cableやfinalのシルバーコートくらいでした。
    そのあたりはもう他のイヤホンで使ってありますし。

    単に条件を満たしたから選んだという消極的な理由からの導入でしたが、音は柔らかな感じで上位のE5000に近い雰囲気に仕上がって良好です。
    それでいて楽器の分離はとても良く、気づかなかったような細かな描写はしっかりと浮かび上がってきます。
    やや中低域寄りかなという印象はありますが、それもかえって聴き疲れせず良い塩梅です。
    Acoustuneのイヤホンにもちょっと興味が湧いてきましたが、うちだとそこまでもうワイヤードイヤホンの出番は多くないのと試聴の機会が最近はめっきり減ってしまいましたので…。
    でも同社の製品はこれからいろいろチェックしておきたいなと思った次第です。

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    2023/02/05 2:00 pm | Acoustune ARC31 はコメントを受け付けていません