171月
本体底にIECインレットがあるMark Levinson No.360Lですが変換アダプタ経由でも電源ケーブル交換の効果が大きかったので、ちゃんとしたプラグに交換することにしました。
そうは言ってもL型のIECコネクタは候補がかなり少なく、せっかくならばといちばん定番感のあるFURUTECHのFI-12Lにしました。
同じ型でも無メッキ、金メッキ、ロジウムメッキとあるんですが、ちょうどセールもあったのでロジウムメッキのバージョンをチョイス。
ちなみにFI-12Lはブレードはりん青銅のようです。
以前使ったことのあるFI-11-N1(G)と大差ないと思っていたので、持ってみるとその重さにちょっとビックリ。
ケーブルクランプ部がなにやらステンレス製になってるそうです。
IECの向きも最大8パターンの角度から選べるようになっていますので、とりあえず本体横からケーブルが出る形で。
後ろからが普通なのでしょうけど、そうすると音声ケーブルと近い部分を経由することになりますからね。
なお、交換対象の電源ケーブルはACOUSTIC REVIVEのPOWER STANDARD TripleC-FMで、元々はFI-15E(Cu)が装備されていました。
DAC本体はRMF-1で持ち上げてありますが、それでも高さは結構ギリギリでした。
逆に下支えは不要そうなのでちょうど良かったとも言えますが。
音は変換アダプタの時以上に澄んでいて淀みがありません。
ハイスピードというよりはクリアで見通しの良いサウンドです。
しばらく鳴らすとさらにエネルギーロスの少ないパワフルなサウンドになり、もうちょっと出ても良いかなと思っていた低域の力感がずいぶんガッシリした気がします。
底面につなぐ形態は取り扱いにちょっと困りますけど、それだけこだわって電源ルートを最短にしているだけに電源ケーブルによる変化の恩恵も大きいように感じました。
151月
Wadiaの代名詞的な存在でもあるSTリンクですが、AT&Tの部材だったのもあってか、今はもう使われなくなりました。
Mark Levinsonのほうも時代的に装備しているので、なんとかケーブルが欲しいなと思い、探してみることに。
当時のものはプレミア価格になっていますので、通信用でまだ出回っているST端子の光ファイバーケーブルを調達してみました。
LANで使う双方向のものだったので2芯になっていますけど、STリンクケーブルで使う場合は片方向ですから1芯だけでOKです。
平行線のスピーカーケーブルのように2本ペアになっているので割く必要がありますが、中身のファイバーは石英なので折らないように注意が必要です。
なお、シングルモードのものも稀に売られています。
長めのほうが反射が少ないようですが、ひとまず短めのほうでWadia23のデジタル出力とMark Levinson No.360Lのデジタル入力をつないでみたところ、無事に音が出ました。
ちなみにケーブルの色がオレンジなのは規格でいうとOM1もしくはOM2、最新はOM5です。
Wadiaの付属品はたしかOM1だったはずですし、そもそも通るのは通信用とは違って44.1kHzですから性能的には十分で、むしろ波長やファイバーの太さを考えると同じくらいのもののほうが不具合が出にくいでしょう。
音質としては個人的にはAES/EBUのほうが良い気もしましたが、マークレビンソンの入力系統を有効に活かす意味では便利ですね。
幸い、ケーブルもまだなんとか入手できるので、STリンクな機材をお持ちの方は今のうちに調達しておくと良いかもしれません。
071月
Mark LevinsonのD/Aコンバーター「No.360L」は底面に電源ケーブルをつなぐ形になっていて、純正のL字タイプのIECコネクタでないと純正脚の高さでは使用不可能な形式になっています。
思いっきり嵩上げすれば普通の電源ケーブルも使えないわけではありませんが、多少の嵩上げでなんとかするのであればIECコネクタをL型のものにするのはほぼ必須でしょう。
とりあえず電源ケーブルでどのくらいの変化があるのか確かめる意味もあって、L字変換のIECアダプタを入手してみました。
同じL字といっても縦に曲げるか横に曲げるか、さらには左右どちらに曲げるのかで各種あるわけですけど、その中ではいちばん高さを消費しないタイプを選びました。
ただそれでもオリジナルのインシュレーターのままでは無理そうですし、変換アダプタそのものの高さも少なめなのでオーディオ用にありがちな円筒型のプラグだとちょっと厳しそうです。
そこで、ACOUSTIC REVIVEのPOWER-STANDARD TripleC-FMにしてみることに。
これならプラグも高さがそこそこ抑えられているので問題なく装着できました。(ただし嵩上げはやっぱり必要)
肝心の音は思った以上に変わりましたので、やはりここがボトルネックだったのでしょう。
まだまだ伸びしろがあるとも言えそうで、余韻の表現力や楽器の実在感が全く違ってきました。
定位とか周波数の問題ではなく、簡単に言えばフレッシュでリアルになった感じです。
これまではやや淡白な印象もありましたが、しっかり濃い音も出てきて、ここに来てマークレビンソンの魅力が溢れ出してきた感があります。
それこそようやくハイレゾになったような感覚です。
ただこのままだと電源ケーブルの取り回しによってはIECプラグが下方向に緩んでしまうことがあり、下支えが必要なようです。
音質的に強化が図れることもわかりましたし、このままだと接点も増えていますのでプラグ交換も考えたいと思っています。(これを書いた時点ではもう交換していますが、それはまた次回。)
3012月
TEACのオープンリールデッキ「X-10R」を入手しました。
以前から10号リールテープ、そして先日は7号テープを入手していたので、いつかデッキが欲しいなと狙っていたんです。
ずいぶん昔にTEAC X-3(mkIIだったかも)を持っていて、せっせとエアチェックしていたのを思い出します。
当時も10号に憧れていたので、入手するなら10号が使えるデッキが良いなと。
REVOXやAKAIも良さそうと思いつつも、エアチェックのような録音ソースがなくなった今となっては出番がそれほど多くなさそうですし、そこそこ廉価なもので良いかなぁと思っているうちに結構時間がかかりました。
ただ結論からいうと思った以上に出番が多くて自分でも驚いています。
ミュージックテープを入手したから、というのも大きいんですけどね。
4トラック19cm/sということでまだまだ上には2トラ38がありますが、音もなかなか良い感じです。
単なる郷愁とかでもなく、厚みがあって初めて聴く音楽であってもワクワクする感覚があります。
リバースも案外便利で、ヘッドも往復でそれぞれ完全に独立した6ヘッドです。
デュアルキャプスタンでテープの状態にあまり影響を受けず安定して動いてくれています。
ただ古いテープを使うからというのもあるでしょうが、ヘッドクリーニングはかなり頻繁に実施したほうが良いようです。
消磁も腕時計用に持っているHOZANのものを使って手動でやりましたが、フォルテ部分の歪みが減って透明感が高まったような気もするので、こちらも再生主体だと重要かもしれません。
問題点とするとかなりデカイので置き場所をどうするか、というところでしょうか。
サブのプリメインやAccuphaseのDACなどの出番が全然ないですし、そこを片付けるのが良いかな。
あとはなぜか7号の空リールがないので、そういった部材も少しずつ揃えていきたいと思います。
2412月
GustardのUSB-DDC「U16」を追加してみました。
先日のU12が思いのほか良かったので調子に乗ってしまいました。
最新のU18やSingxerも気になったのですけど、お値段もそこそこになりますし、I2Sを使うわけでもないですし、外部クロックを接続する予定もないので。
もちろんその気になればU16も外部クロックはつなげますし、I2Sも使えますが。
こっちは電源スイッチが背面にありますが、やはり今回も基本的には電源オンのまま維持しています。
音はU12より前に出てくる感じで明るい気がします。
喩えるならば、ボケ味のキレイなハイスピードレンズのような印象でしょうか。
ピントが合ったような、という感想を見かけましたが、たしかにその通りで音像も少しタイトになります。
その分、ズバッと決まるとスピーカーが消える感覚は強くなりますけど、それだけセッティングにはシビアな傾向です。
U12のバランス感覚もなかなか良かったとも当初は感じられ、U16は若干真面目でどことなくアキュフェーズ的なところもあるように思えます。
チップがXMOSからESSになったことで、それっぽさが出ているところもあるのでしょうか。
ただ当初は少し軽い感じもありましたが、温まってくるとだんだん凄みが出てきて低域が力強く、濁らない現代的でハイスピードなサウンドになっていきました。
ファームウェアでも音が変わるらしいですし安定度の違いもあるようなのですが、現状は1.61になっていてそれが安定版の最新のようです。
1.72や1.77というのも出ていたようですけど192kHzでおかしくなったりしたそうで、ここはもう1.61で良いでしょう。
ヒューズを手持ちのリテルのセラミック管に交換した後、U12と取っ替え引っ替えで比べていきました。
ちょっと硬調なものの、やはりオーディオ的クォリティの高さはあるので、U16をチョイスしつつ、DAC側で対策することにしました。
具体的にはMark Levinson No.360LのインシュレーターをRMF-1に変更し、これで一気に柔軟さが出ました。
鈍ったのではなく、音色にトゲがなくなったようで、これならU16のほうが引き出せる音数も多くて有利です。
さらにDELAにクォーツインシュレーターを敷いて透明感も向上したので、とりあえずコレで運用してみることになりました。
DENAFRIPS ARES IIも同軸で接続しましたが、こちらも単体のUSB入力よりも透明感が高まった気がします。
ARES IIにI2S入力があればベストだったのですけどね。
ちなみに12th EditionではI2S入力が追加されているそうです。
AES/EBU接続でNo.360Lの豊富な入力を活用できるところも便利ですし、これでDELAとMark Levinson No.360Lを仲介する部分も当面確定で良いでしょう。
2212月
ZYXのMCカートリッジ「RS30」を入手しました。
ZYXはUltimate 100をメインで愛用していますが、最近ニューモデルも出ましたし、針交換もそれなりのお値段ですので延命的な意味合いも含めての入手です。
今のカーボンカンチレバーとボロンでの違いを聴いてみたかったというのもあります。
RS30は1987年発売でそこまで古いものではありませんが、ZYXとしてはかなり初期の製品です。
CDプレーヤーでいうと、うちにもあるSONY CDP-557ESDが出た年ですからもうすっかりCDに移行しつつある頃ですけど、その当時でも46,800円だったんですね。
ボロンパイプにボロンロッドのカンチレバーにマイクロリッジの無垢針と、今となってはかなりの上位モデルでないとありえないスペックです。
本体に6Nの記載があるので、おそらくコイルは6N銅線でしょう。
今もですけどZYXには銀や金のコイルの派生モデルもあったりします。
針圧は1.8g(1.5-2.0gとの説もあり)ですので、1.8gに設定しました。
出力は0.24mVですのでUltimate 100とほぼ同じはずです。
早速鳴らしてみると力強さがあって音楽的に豊かな印象です。
正直、Ultimate 100よりも快活とした楽しさがあります。
ボロンなのもあるでしょうし、KRELLのフォノイコとの相性もあるのかもしれません。
詳細をあぶり出すタイプではなく、雰囲気を楽しむタイプとは言えるでしょうが、デジタルとの差別化という観点でのみ捉えるとこのくらいのほうが良いかも。
予備のカートリッジはたくさんありますけど、メインを張れそうなものとしては以下の感じになりました。
ZYX Ultimate 100
ZYX RS30
Accuphase AC-1
Accuphase AC-2
Lyra Helikon
FR FR-2
後者2つを除けばZYX創始者、中塚氏の作によるものというのも面白いものです。
そういえば、ACOUSTIC REVIVEさんがMCカートリッジを鋭意開発中という噂も耳にしています。
そちらもとても楽しみです。