• 063月

    ACOUSTIC REVIVEさんから長尺カスタム長のRCAケーブル「RCA-3.1 TripleC」が届きました。

    前のAccuphaseのパワーアンプ「P-550」まではXLR入力があったのでXLR-3.0TripleCを使っていましたが、KRELL KSA-100にはRCA入力しかないんです。
    既存のXLRケーブルをプラグ交換などでRCAに変更することも問い合わせてみましたけど、XLRは3芯シールドでフレキシブル銅管の太さも異なるため、変更は難しいとのことでした。
    なおプリ-パワー間の使用でCDPなどではファインメット付きの同社ケーブルを使ってありますので、XLRもRCAもファインメットなし仕様にしていただいてます。

    早速つないで1発目の出音からごく自然です。
    直前まで使っていたWEのケーブルがナローレンジで、どこか強調された音色だったのがハッキリと分かってしまいます。
    他のケーブルをとっかえひっかえしても、どれもそこなりの味付けと言いますか、なんとなく雰囲気で鳴らして紛らす傾向があるのですけども、ACOUSTIC REVIVEにすると音源や機材の精度を最大限引き出してくれるので頼りがいがあります。

    もはやリファレンスケーブルとしての貫禄すら感じるもので、楽器の存在感がブレないのが他のケーブルとの大きな違いのひとつです。
    好音質な音源ではきっちりと奏者の存在が感じられ、そのサイズも等身大で再現されます。
    また、背景のザワザワ感が大きく減ったのもシールドの良さによるものでしょう。
    不思議な感覚として清涼感があるのもそうした現代的な対策のおかげでしょうし、オーディオ的な解釈で言い換えると歪みやノイズが少ないとも言えるのでしょうけれど、それとはまた違う感覚に訴えてくるものがあります。
    どうしても昨今はノイズ対策が謳われるあまり、過度に抑圧的になりがちなオーディオアクセサリが多い中、音楽のエッセンスは失わずにいてくれるのがとても好印象です。

    単線の良さもしっかり感じられていて、ボーカルの口も膨らまず、子音のキツさも出ない点はPC-TripleCの良さが活きているように思われます。
    低域が深く、立ち下がりが速いことでアンプの個性を生かしつつ、現代的なサウンドに近づけてくれる下支え的な役割も果たしてくれています。

    いつものように試聴を始めてもついつい曲を通しで聴いてしまうことが多くなり、やっぱりケーブルはコレで決まりだなと。
    音の良さはもちろん大切なのですが、それ以上に音楽を楽しむ上でしなやかさやウェットさが引き出されれてくるからではないかとも感じます。
    別の捉え方をすれば、ケーブルによる外連味や余計な誇張がないからだとも言えるでしょう。
    これでクレルの魅力がようやく本格的に引き出されてきた印象です。

    とはいえ、これまでの長尺ケーブルとの比較は試してみたので、また改めてポエム的な感想以外も交えて記事にしてみたいと思っています。

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    2022/03/06 3:00 pm | ACOUSTIC REVIVE RCA-3.1 TripleC レビュー 導入編 はコメントを受け付けていません
  • 023月

    Western Electricの単線を使った長尺のRCAケーブルを見つけたのでゲットしてみました。

    Western Electricと言っても復刻されたものもありますし、詳細は不明なのですが3mの長さと単線だということで入手しておいて良いかなと。
    届いてからプラグ内部を見える範囲で確認した感じでは同軸ではなく単線2本をノンシールドで網組チューブに通したもののようです。
    外側の皮膜はおそらく綿布にラッカー、その内側には紙と絹が使われているっぽく、復刻ものではなく古いものかなと推測されます。
    単線の外観は銀色ですので、おそらく錫メッキ銅線だと思いますが、銀線の可能性もあるのかもしれません。
    本格的に調べようと思うとケーブルをバラさないといけなくなるし、判明したからといって音が変わるわけでもないので追求はこのくらいにしておきます。

    かなり細いものですし取り回しはかなり気を使いますが、片方のプラグがL字なので装着はやりやすいです。
    向きは良くわからないですし、なんだかプラグカバーの色使いが入れ替わっているようですけど、これもはんだ付けからやり直さないと修正できないのでそのままにしてあります。

    音としては単線らしい音像のシャープさがあり、ざわざわした印象がない見通しの良い、いわゆるS/Nの良い音です。
    最初はやや中域が濃いめで多少低域が薄かったですが、ナローレンジな印象はそこまで強くはありません。
    聴感上では高域はCHORDより伸びているようにすら感じられますが、錫メッキや銀の中高域の派手さが多少出ているのかもしれません。
    周波数特性としてはほとんど変わらないようですけどね。

    そのわりに音量を上げてもうるさく感じないからボリュームが上がりがちなのは音の質感がスッキリしているからでしょうか。
    ただ音楽的な躍動感は失われておらず、音も前に出てきます。
    そこもむやみに出しゃばり過ぎず自然で、ノリが良い曲は楽しく、穏やかな曲ではしなやかに鳴らしてくれる印象です。
    女性ボーカルではやや高音域にキツさが出ることもあり、そこはさきほどのメッキの影響でしょう。
    外連味が魅力につながることもあるので一長一短ですし、再生機器によっても印象は異なる程度の色付けではあります。

    同じ単線を使ったケーブルとしてはACOUSTIC REVIVEを愛用していますが、このWEケーブルは音色でいうとCardasやaudioquestに類似している方向性でしょうか。
    大抵の音源ではバランスは保たれているのですが、稀に破綻する場合があって、ゴリゴリした感触を演出気味な傾向が、以前使っていたCardas HEXLINK-5C XLRに良く似ているなぁと思い出しました。

    そもそもオススメしようにも同じ仕様のケーブルを見つけることは不可能(どこかのショップが製作したらしいのですが、それがどこかも分かりませんでした)ですし、あまり見かけないものとは思いますが、単線の優位性とメッキの弊害はなんとなく感じ取ることができました。
    しばらく長尺ケーブル選定が続きますが、たぶん次回が最終回となるかと思いますのでもう少しお付き合いください。

    Filed under: Audio
    2022/03/02 12:00 pm | Western Electric RCAケーブル はコメントを受け付けていません
  • 272月

    CHORDの長尺RCAケーブル「COBRA VEE3」を見かけたのでゲットしてみました。

    RCAだと2.5mくらいまではわりと見かけるのですが、うちの今の配置だと3m以上は必要でして、なかなか出物に出会えません。
    今回のものは5mと長尺の中でもかなり長い部類でしょう。
    今の配置ではやや長過ぎるきらいはありますが、将来的に部屋を変更しても役立つかなと。

    COBRA自体はたしか以前にも入手したことがあって、わりと好感触だったと記憶しています。
    VEE3プラグは内部ははんだ付けの一般的なもので、それをプラスチック製のカバーで覆う形です。
    プラグは銀メッキ、はんだもたしか銀入りのものだったと思います。

    せっかく長いので壁沿いにゆったりと取り回してプリ-パワー間で試してみます。
    第一印象として、それまでのMOGAMI 2534を使ったものと比べ、中域の厚みが増して腰が据わったように感じます。
    温度感が高めで音楽性が高い雰囲気です。
    定位はやや曖昧ですが、空気感や場の雰囲気は心地良く再現されてキツさがないので、あまり神経質にならずに聴ける傾向です。
    最近のCHORDケーブルはもうちょっと現代的な色付けに変わっていると思いますが、個人的にはこの頃のもののほうがメーカーの特色がしっかり出ているようにも感じます。
    ただ、DENONとAccuphaseのCDプレーヤーの音色の違いも良く分かる点からして、意外とハイファイ的な部分もしっかり押さえられていると言えるでしょう。

    音像の前後方向の立体感が感じられるなど、オーディオ的色合いもMOGAMIよりだいぶ高まっています。
    それでもかなりケーブルの色は濃い印象で、やはり全体的な出音のCHORD色が強まる傾向はあります。
    ボーカルはかなりしっとりとして、低域はやや甘く、そこはKRELLやWind Bellなどとも傾向が重なりがちです。
    スピード感はもう少し欲しい場面もあります。

    音色でいうと、ヴァイオリンがいちばん大きく変わり、キツさがなく、これもオーディオ的に「自然」な音色へと変化しました。
    必ずしも本来の音の風合いに忠実とは言えないのでしょうが、気分良く聴けるのは良いでしょう。
    ボーカルはやや大きめでもう少しだけタイトなほうが好みですが、収録時のリバーブも含めた余韻などの描写は心地よいものです。

    5.0mという長さのわりには劣化が感じられず、ノイズが増えたといったこともないですから、基本性能は十分に高いと言えるでしょう。
    これからいくつか長尺ケーブルを試していくことになりますが、届かなければどうにもならないという場面はありますし、今後も重宝しそうです。

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    2022/02/27 1:30 pm | CHORD COBRA VEE3 はコメントを受け付けていません
  • 232月

    マイクロ精機のインシュレーター「HAI-60」を見つけたので入手してみました。

    あまり知名度も高くなく古いものですが、レコードからCDへの移行期に出したCDプレーヤー「CD-M2」などに搭載されていたものと同等らしいです。
    あのプレーヤー自体、中身はほぼMarantzだったと思いますから、こういうインシュレーターなどに凝っていたのでしょう。
    ダンピング・アロイとフェライト制振材、フェルトの複合構造で耐荷重が30kg/個とかなりヘビーなものでも大丈夫そうです。
    上下は入れ替えても使えるらしいですけど、ネジ止めするなら3点支持が下になる向きでしょうね。

    真ん中が空洞になっているのもかなり変わっていて、そのせいもあってか写真だと小ぶりに見えますけど、高さ20mmで直径52mmとごく一般的な機材の脚と同じくらいのサイズです。
    かなり年季が入っていますし、接着剤かなにかで補修した形跡もあってフェルトはもう機能してないっぽいです。
    ひとまずDENON DCD-S10IIの純正脚と交換してみました。

    下にテフロンシートみたいなスペーサが元々挟まっていますので、それはそのまま残しました。
    また、ネジ止め部の厚みが少し薄くなるので、ネジは少し短めのチタンネジに交換して装着です。

    音はかなり澄んだ方向性に変化して、当時のDENON色がかなり薄まった気がします。
    低域の甘さが減っているのがまさにその色合いが薄まったところですけれども、キツくならずウェルバランスでまとまっています。
    空間的な広がりが感じられ、滲まずに音場の再現性も高いです。

    多少のエコー感はあるのですが、それがライブ感、セッション感といった生っぽさをほのかに演出してくれて、重厚さから僅かに軽快さ、スピード感に振った形です。
    音は引っ込まずに前に出てくるのに、それでいて上品さが備わっていて、そのさじ加減がとても心地よいのは演出の巧さを感じます。
    多少の色付けはありますし、DENONの良さを相殺する部分もあるとは思いますが、なかなか心地良く鳴ってくれています。
    正直、これこそがWind Bellに期待した方向性だったのですが、私個人がリジッドな方向性が好みだからというところもあるのかもしれません。

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    2022/02/23 2:30 pm | MICRO SEIKI HAI-60 はコメントを受け付けていません
  • 202月

    ずいぶん前に同軸端子の接触不良でお蔵入りしたままになっていたJAVSのUSB-DDC「X-DDC」を修理してみました。

    きっかけは他の買い物ついでにはんだ関連のグッズをいくつか入手したことでした。

    買ったのは、コテ台、銀メッキ用のはんだ、それに吸い取り線と吸い取り器です。
    特に使うあてはなかったのですが、そのまま持っておくだけというのも面白くないですしね。
    内部は以前の写真しか撮っていませんけど、同軸ケーブルを揺するとロックが外れるという症状でした。

    内部構造はその時に把握していたので、単純に同軸端子を再ハンダしただけです。
    別に銀メッキではないですけど、まぁ銀入りのハンダでも特に問題はないでしょう。
    それでもダメなら同軸端子ごと交換することも考えましたが、DACもロックにはかなりシビアなほうですけど、その後は192kHzまで問題なく安定動作しています。

    それまではhiFace Two ProにBus-Power Proをつないで使っていましたが、ひとまずはhiFace Two ProをX-DDCに置き換えた形です。
    X-DDCは9〜12Vの外部電源も使える仕様になっていたり、正面のLEDと液晶をオフにすると音質が向上するらしいですが、特にそれらの対処をしなくてもhiFaceよりは安定感がある気がします。

    他には特に修理したいものはありませんが、DENONのCDプレーヤーをオペアンプ交換可能にする、なんてのもやってみても面白いかも。
    それには半田ごても温調のものに替えたほうが良いかもしれないですけどね。

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    2022/02/20 12:00 pm | JAVS X-DDCを修理 はコメントを受け付けていません
  • 192月

    Accuphaseからステレオパワーアンプ「P-7500」が近日発売予定のようで。

    P-7300の後継モデルという形ですが、外観はいつものようにソックリなものの、出力が125W/8Ωから300W/8Ωと大きくアップしています。
    なぜかプリメインアンプには180W,240Wとハイパワーなものがあるのに、パワーアンプは出力控えめなスペックで逆転現象みたいな形が続いていたんですよね。
    もちろん数値的な定格出力はそんなに関係ないと思いますし、そもそも実際に鳴らす上では10Wですらかなりの音量になるケースがほとんどだとは思いますが。

    消費電力を見てみますと、無入力時で142W(P-7300:117W)、電気用品安全法で800W(P-7300:820W)、8Ω定格出力時で1050W(P-7300:535W)と、たしかにハイパワー寄りの増幅回路にはなっているものの、電源部はほぼ同規模っぽいと推測されます。
    コンデンサを60000μF(P-7300は56000μF)と少し大きくしているようですし、まだカタログがないので詳細は不明な部分はありますけど。

    ちなみにKRELLの前まで使っていたP-550は無入力時200Wで、おそらくA級動作範囲がやや広めなのかなと推測していました。
    定格出力のアップも大切ですけど小出力時の品位向上にはA級動作範囲を広げるのも有効だとは思うのですけどね。
    それをやっちゃうと発熱も多くなるし、素子、ひいては製品寿命も短くなるので、あまりやりたくないのかもしれません。

    なおパワートランジスタの10パラレルプッシュプルは変わらずですけど、P-7300は東芝製でしたがやっぱり昨今の機種同様、フェアチャイルドになっているのかな?
    以前はコレクター損失がいくらで…(たとえばP-550だと130W)といったところもウリ文句にしていましたけれど、最近はあまり書かなくなってしまいましたね。
    まぁトランジスタの型番が分かるのであれば、調べればすぐに分かる(P-7300は2SA1943NでPc:150W)ことですけど。

    どちらかというと(かなり?)ネガティブな感想になりましたが、要は出音次第なのでスペックから分かることだとこの程度が限界です。
    お値段はP-7300の120万円(税別)から135万円(税別)に上がっていますけど、パワフルさを求めるのであればそれなりに期待に応えてくれそうな気はします。

    Filed under: Audio
    2022/02/19 1:00 pm | Accuphase P-7500 はコメントを受け付けていません