• 198月

    少し前になりますが、DALIのBluetoothヘッドホン「IO6」のキャラメルホワイトを入手しました。

    AKG Y600NCのノイズキャンセリングが意外と役立ったので、紗羅用にも追加したくなったのがきっかけでしたが、音質的に買い足す意義がありそうな機種を探していたら結局これになってしまいました。
    ちなみにライバル候補に最後まで残っていたのはSHURE AONIC 50でした。
    ノイズキャンセリングであればSHUREのほうが強力そうですし、どちらも甲乙つけがたい音質だと予想されますけれど、中高域の音のキツさみたいなものを多少感じたのもあってDALIのほうをチョイスしました。

    パッケージはなかなかオシャレな雰囲気で、同じ北欧のB&Oに近いような雰囲気を感じます。
    IO4というノイズキャンセリングがないモデルもあって、おそらく機能的にはノイズキャンセリング以外はほぼ同等だと思われます。
    どちらも50mmのフリーエッジ/ペーパーコーンのドライバを使っている点が他と違ったところでしょう。

    まずは肝心の音の具合ですけれども、とにかく音楽を聴いていたくなるヘッドホンです。
    とりわけピアノがとても心地よいのは以前から愛用している(今は眠ってますが)スピーカー「Royal Menuet II」に通ずるものがあります。
    密閉型のわりには音の広がりがあって、セパレーションがとても良く感じるのが特徴的で、その辺りもスピーカーメーカーとしてのこだわりが感じられます。
    帯域も意外と低域が伸びていますが、Bluetoothにありがちなブースト感はほぼなく、比較的フラットな音作りかと。
    スペックとしては10Hz〜20kHzとなっていて、聴感上も20Hzは余裕で出ていると思います。

    これまた他のモデル同様、3.5mmのミニケーブルでワイヤードとしても使用できます。
    そちらでも音傾向はほとんど変わらず、ヘッドホンとしての素性の良さを感じます。
    厳密に聴き比べると、ワイヤレスの時よりわずかに硬調で低域寄りになる印象はありますが、ほぼ同じ傾向の印象といって良いでしょう。
    インピーダンスは25Ωとアンプを選ばない傾向のはずですが、意外と音量は取りづらい傾向です。(OPUS#1Sで80[MAX100]くらい)
    ケーブルも付属のものからもっと凝ったものに変更すれば、さらに良くなる余地がありそうな気もします。

    BluetoothはAAC/apt-X/apt-X HDに対応していて、iPhoneでAAC、Windowsでapt-Xを使っていますが、どちらも大きな不満はありません。
    ノイズキャンセリングをオフにしていると自動電源オフがわりと早めに効くのがやや面倒ですが、操作もこなれていますし、音の途切れなども室内使用ではありますが一度も経験していません。

    ノイズキャンセリングはお世辞にも効きが良いほうではありません。
    ほぼ低域成分のみをキャンセルする感じですので、雑踏のようなノイズを抑えてくれる効果は非常に少ないです。
    音楽再生時に(ノイズレスではなく)静寂感をもたらすのが目的と捉えたほうが良いでしょう。
    また電源オン時は必ずノイズキャンセリングがオフとなってしまいます。
    他のモデルに比べてもイヤーパッドの遮音性がかなり高いので、バッテリーの保ちが良いIO4をチョイスするのも良いのかも。

    バッテリー残量は当初、iPhoneでも表示されなかったのですが、これはファームウェアを更新したら表示されるようになりました。
    Windowsだとファームウェア更新後も表示されませんけど。
    また、充電も含めてバッテリー管理はあまり高精度ではない感じで、そこはやっぱり専業メーカーにはかなわない部分があろうかと。

    細かい点としては、環境によっては主に左耳側でノイズを拾うことがあります。
    以前もbeyerdynamicのものでありましたけど、あそこまで激しくはないですが、DAC分離型のものにありがちな傾向なのかな?
    DALIがどういったチップ構成になっているかは非公表なので、あくまでも推測ですけれども。

    充電はUSB-Cケーブルですが、これを使ってパソコンなどに接続するとUSB-DACモードで使うことも可能です。
    ヘッドホン側の電源を入れてなくてもPCから認識はされましたが、ポート側の供給電力不足のためか、音は出ませんでしたのでヘッドホン側も電源オンにして使ってみました。
    PC側からの認識としては24bit/96kHzまでの対応っぽく、音質的にはコーデックが向上したような雰囲気になります。
    ノイズキャンセリングを使ったりすれば内部で諸々の処理が施されるでしょうし、どこまでリニアに処理されているかは不明ですが、ヘッドホン端子がないPCやアンプが貧弱な場合には有効な使い方かも。

    ガジェットとしてレビューすると欠点もそれなりにあるモデルでしょうけれど、実際の出音を聴くとそれらも全部吹き飛んでしまうほど、魅力的です。
    コーデックや接続方法に関わらず、音の細部にまで魂が宿る感覚とでも言うのでしょうか。
    そういうオーディオ的な魅力を身につけたヘッドホンに仕上がっていると感じています。

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    2021/08/19 3:00 pm | DALI IO6 はコメントを受け付けていません
  • 148月

    REVOXのCDプレーヤー「B226S」が先日、突然電源が入らなくなってしまいました。

    それまではほぼノートラブルで動いてくれていたのですが、ほんとに突然、電源ボタンを押しても全くの無反応に。
    この機種はそもそもコンセントを挿してあるとずっとスタンバイ状態で、電源ボタンやイジェクトボタンに即反応するはずなのですが、全てが機能しておらず、まるでコンセントを挿し忘れているかのようです。

    念のため、別系統のコンセントに挿し直してみたり、ケーブル類を全て外してしばらく放置してみたりしましたが、症状は変わらず。
    購入したのは今年の2月で、幸い(?)、お店の1年保証がありますので修理に出しました。(お店でも再現してるようです。)

    ノートラブルで使ってきたつもりでしたが、そういえば朝になると勝手に電源が入っていたりしたことが何度かありました。
    再生開始時にディスプレイが一瞬暗くなるといった症状もありましたし、そう考えると電源部にどこか異常があったのかな?
    電源回路部のトランジスタが故障しやすいという情報は目にしたことがあるので、いちばん怪しいのはその辺りでしょう。
    操作制御部のICに不具合があったりすると修理不可の可能性もありますが…。(その場合は返金ですね。)

    RKI-5005を入れたあたりからAccuphase DP-77がメインの座に返り咲いていましたし、QUADにリモコンを追加したり、DENON DCD-1550ARが思いの外活躍していたりと、少し拗ねてしまったところもあるかもしれません。
    元々メンテがなされているようでしたが、やはり年代物でもありますし、海外モデルを愛用するには手間と根気をもって愛情を注いであげないといけない部分も多いです。
    幸いにもCDプレーヤーはまだまだたくさん所有していますし、そこまで痛手ではありませんけど、できればしっかり修理されて戻ってきてくれればありがたいところです。

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    2021/08/14 4:00 pm | REVOX B226S、修理へ はコメントを受け付けていません
  • 138月

    サウンドエースさんのTwitterプレゼントキャンペーンでZONOTONEの電源ケーブル「6N2P-3.5 Power」が当選しました。

    ゾノトーンさんのケーブルは以前もモニターキャンペーンでRCAケーブルと電源ケーブルが当たったことがありますし、フォロワーさんからもスピーカーケーブルを抽選で譲っていただいたことがあるので、なにか縁があるのかもしれませんね。
    今回の「6N2P-3.5 Power」というのはどうも過去の製品には見当たらない気がしていて、類似しているのは「6N2P-3.5 Blue Power」でしょうか。

    ただケーブル上の記載が微妙に異なっていたり、2Pプラグの極性を示す突起がなかったりとちょっとした違いがあったりします。
    まあでも名前からして「超高純度6N・3種ハイブリッド 2芯(3.5スケア×2)・2P電源ケーブル」なのはほぼ間違いないでしょう。

    早速、QUAD 99 CDP-2で使ってみました。
    これまでは純正の電源ケーブルだったのですが、交換後はややメリハリが効いた感じになりました。
    QUADは少し眠い感じなのでちょうど良いかもしれませんね。
    元々、アースは結線されていない機種ですし、アースループを防ぐ意味でも無理に3Pのケーブルじゃないほうが安心です。

    サウンドエースさんは三重県伊勢市のオーディオショップさんで、Accuphaseの取り扱いが豊富です。
    通販もアウトレットの品揃えが魅力的ですし、自社開発のグッズなども取り揃えられているのが良いですね。
    今回のプレゼントでも「サウンドエース50周年記念ステッカー」をいっしょに送ってくださいました。
    このたびは大変ありがとうございました。

    Filed under: Audio
    2021/08/13 4:00 pm | ZONOTONE 6N2P-3.5 Power はコメントを受け付けていません
  • 068月

    QUADのCDプレーヤー「99 CDP-2」ですが、REVOX B226SやDENON DCD-1550ARの追加の影響もあって出番が低下していました。
    そこで本来備わっているDAC機能を使えるようにリモコンを追加してみました。

    もちろん本来は付属するものですけど、購入時には残念ながら付いていませんでした。
    多くの海外モデルはMarantzのメーカーコードで動作するので、それで大丈夫だろうとたかをくくっていたのですがダメでした。
    調べた感じでは77くらいまでは動いたみたいですけど、99やEliteは独自のコードになったようです。
    単売というのは基本的にはなくて、互換リモコンの類もほぼなさそうです。
    代理店から直接購入も可能なようですが、今回はオーディオショップさんが在庫してあったものを入手しました。

    当たり前ですが動作は完璧で、プレーヤー本体では操作できないデジタル入力の切り替えやボリューム操作も可能になりました。
    ちなみにDACは192kHzまでOKらしいですけど、確認は某Blu-rayプレーヤーの88.2kHzまでしかやっていません。
    サンプリング周波数は接続時にちゃんとLED表示されるので使い勝手は良好です。

    音質的には映像系などのエントリークラスには有効ですし、QUADらしい中域に厚みのあるサウンドになりますね。
    パワーアンプダイレクトみたいな使い方も面白いのかも。

    ただ出番としてはサブシステムはDENON DCD-1550AR直接のほうが好みかなと。
    さらにAccuphase DC-81も余っていたのでこれもサブシステムに投入して、そうなるとQUADの出番はないかも。

    これを機にオーディオ系のリモコンを揃えておきました。
    メインシステムはプリアンプにリモコンがないですから、あまりリモコンを積極的に使わないのですが、サブのほうでは便利かも。
    記憶リモコンにまとめてしまっても良いのでしょうけど、とりあえず純正で使っていこうかな。
    REVOXもリモコンがあると便利そうですが、これはコードもかなり特殊なようで入手は難しいかなと思ってるところです。

    Filed under: Audio
    2021/08/06 12:00 pm | QUAD 99 CDP-2にリモコン追加 はコメントを受け付けていません
  • 257月

    以前から気になっていたEMI Meterを導入してみました。

    電源に含まれる高周波ノイズを数値と内蔵スピーカーからの音で示すもので、有名なのは某メーカーのデモに良く使われていたMAINS NOISE ANALYSERでしょう。
    アレは計測している周波数帯域がいまいち不明瞭だったり、数値が相対的なもので分かりづらい気もしていましたし、そもそも結構高額なものなので、ちょっと気軽に測ってみたいというニーズには向かなかったですが。

    今回のは中華製で、数値の信ぴょう性はあまり過大に評価はできませんけれど、10kHz〜10MHzくらいを計測してくれるそうです。
    数値は測定範囲内のピークとなる周波数の電圧を示すらしく、音はノイズをなんらかの方法で可聴帯に変調したものだと思われます。
    まずはざっくりその辺のコンセントで測ってみました。

    パソコン周辺がやっぱり高く、1200mV近辺という数値を示します。
    廊下やキッチンなども高めで、そちらも似たような値でした。
    オーディオ系統はさすがに少し低めではありますが、それでも300mVくらいを示していました。

    あとは原因究明をしてみようと色々試してみましたが、疑っていたものはわりとことごとくハズレ(つまりノイズをそんなに出していない)なことも分かりました。
    最初に疑ったのはエアコン、LED照明、Mac、冷蔵庫、洗濯機、ガス湯沸かし器の凍結防止用のオートヒーター、それにスマホ等の充電器の類いですけど、これらを切ってもさほど大きな変化はありません。
    エアコンが多少悪化する程度でしょうか。

    逆に削減のための対策として、アースもほとんど影響ありません。
    Noise Harvesterやquiet lineといったオーディオ系グッズなども場所によっては50〜150mVくらいは下がりますけど、思ったほどは効いてくれません。
    ただ場所でずいぶん効き具合が違うので、色々試した結果、quiet lineは廊下に、Noise Harvesterはエアコン近辺に配置することにしました。
    ノイズフィルタ系ではサンリッツが多少効いてくれて、わりとノイズを出しがちなのに気づいたWDの外付けHDDのACアダプタをこれに通して、100mVくらい下がりました。
    ちなみにサンリッツの場合はフィルタを通した場合だけ効果があって、ただコンセントに挿しただけの並列設置では全く変化ありませんでした。

    いちばん効果があったのはAMETEKの電源コンディショナー「POWERVAR ABC500-11MED」でした。
    アイソレーショントランスとサージアレスタとノイズフィルタを組み合わせたものですが、これを通した状態ではEMI Meterの数値は60mV程度まで大きく下がりました。

    さらに対策しようと追加したのが「Greenwave Dirty Electricity Filter」です。

    EMI Meterの数値を下げるにはとても効果的と知ってはいましたが、予想以上に下がります。
    パソコン系の大本になるタップにGreenwaveを装着しましたが、1000mVを切れなかったパソコン周りも160〜180mV近辺まで下がりましたし、オーディオ系統はPOWERVARを経由せずとも60mV近辺になりました。
    POWERVAR経由にいたっては12mVと、かなりの効果です。

    数値的にはもうこれで十分ですから、ここからは実際の出音でオーディオ機器の接続を探っていきます。
    ひとまずPOWERVARにサブシステムのSansui AU-D607FとDENON DCD-1550ARをつないでみました。
    少し低域は弱まる印象がありますが、歪みが少ない印象になって上品になります。
    次に微小なハムノイズが出音に混じっていたREVOXもPOWERVAR経由にしてみると、こちらも少し細身にはなりますが透明感は高まってギスギスした風合いが消えました。

    さらに調子に乗ってDP-77などのデジタル系、プリアンプなども試してみましたが、やや整理された感と平面的になった印象が出てきます。
    余韻はキレイになるような気もしますが、少し上品になりすぎた感もあります。
    また、C-280Lのフォノイコではなぜか残留ノイズが増えたので、最終的にはサブシステムとREVOXのみPOWERVAR経由という形とし、それ以外はこれまでどおりとなりました。
    Greenwaveの効果もあるでしょうし、この機会に電源周りを見直せたことで余分な電源ノイズからの隔離できたおかげか、全体的に澄んだ音にはつながってくれているようです。

    EMI MeterもGreenwaveも国内で気軽に入手しづらかったり、それなりのお値段だったりはしますが、闇雲にいろんなアクセサリに手を出すよりは良いかもしれません。
    ただ数値が下がることと音質面での評価は必ずしも直結しない部分もあるように感じられますので、出音側のノイズ計測や聴感での評価が大切な気はしています。

    Filed under: Audio
    2021/07/25 2:30 pm | EMI MeterとGreenwave Dirty Electricity Filterを試す はコメントを受け付けていません
  • 107月

    SAECからレコードスタビライザー「SRS-9」が9/10頃発売だそうで。

    もう何回か書いた気がしますが、今のSAECはサエクコマースで、トーンアームなど出していた頃は製造がオーディオエンジニアリング、販売をサエクコマースが担っていました。
    最近はケーブル類などが主体でしたが、トーンアームも復活させましたし、アナログアクセサリーの需要が高まっているのでしょうね。

    スタビライザーもレコードプレーヤーを持ってる人なら一度は試したアイテムでしょう。
    私も定番のオーディオテクニカに始まり、山本音響工芸、マイクロなどを使いましたが、今はスタビライザーを使っていません。
    うちはベルトドライブなのでプレーヤーへの負担はさほど心配ないですけど、音の変化もメリット・デメリット双方ありますからね。

    今回のSRS-9はその辺りを踏まえてか、SVM(Suppress Vibration Material)機構という特殊な形状に仕上げています。
    ミッチェル・エンジニアリングやドクトル・ファイキャルトのターンテーブルのように外周部分に異なる素材のウエイトを配置する構造と言えば分かりやすいでしょうか。
    多極モーターみたいな感じになるので、細かいことをいえばトルクむらが出るようにも思いますけど、9個のステンレス製ウエイトがほぼ隙間なく並んでるので、そこまで心配しなくても良いのでしょう。
    また本体部分は硬質アルミニウム、スピンドルにふれる部分は樹脂だそうで、複合素材なのは良さそうです。

    重さも298gとスタビライザーとしてはかなり軽量なので、ターンテーブルへの負担も少ない感じです。
    外周部にウエイトを集中させていますから、大きさのわりには慣性モーメントは高めになることでしょう。
    逆に真ん中は空洞っぽい感じになっていますので、サイズの適合するEPアダプタがあればEPレコードでも使えそうです。

    そういえば昔はターンテーブルシート「SS-300」を出していて、こっちも所有しています。
    アレの復刻はたぶんなさそうですけど、ヘッドシェルあたりは復活したら面白そうだなと思います。

    Filed under: Audio
    2021/07/10 1:30 pm | SAEC SRS-9 はコメントを受け付けていません