• 055月

    AccuphaseからCD専用プレーヤー「DP-450」が6月中旬発売予定だとか。
    お値段は税込みで396,000円ですから、前モデルのDP-430の363,000円から順当(?)なプライスアップのようです。
    今回はDP-570で開発したドライブをベースにした新しいメカと、DACチップをES9026PROに変更(DP-430はAK4490EQ)したのが大きな変化でしょうか。

    ドライブメカはピックアップの供給元はたしか前回変更になっていたはずですから、弾性ダンパーの装備がいちばん大きいところでしょう。
    静粛性を高めるには良いことだと思いますが、ブチルゴム系らしいので経年劣化は気になるような…。
    他社で似たようなダンパーを使ったメカはヘタって底を打つようになってるのを結構見かけますし。
    あとはディスク固定用の磁石を強力なものにしたらしいです。

    当然ながらCD専用機ですのでSACDは読めないわけですが、USB入力では11.2896MHzのDSDまで対応してます。
    SACDは不要でPCオーディオは必要というニーズにはピックアップの耐久性の点でも良いのかな。

    DACチップのほうはDP-570との差別化の意味もあるのか、ES9026PROを採用してあります。
    ES9028PROとのチップベースでのスペック上の大きな違いはTHDが9028PROは-120dB、9026PROだと-110dBというところかと。
    プレーヤーとしてのカタログスペックもそれを反映してか、全高調波歪率+雑音が0.0008%(DP-570は0.0006%)、S/Nが119dB(同120dB)、ダイナミックレンジが116dB(同117dB)と差別化されています。
    なお、4回路並列駆動というのは双方同じです。

    AK4490EQからの変更は供給の問題もありそうな気もしますが、スペック上もこれまたS/Nで2dB改善、ダイナミックレンジで3dB改善と「進化」しています。
    AK4490EQ自体のチップのTHDは-112dBなので、必ずしもどちらが上位とは言えないような気もしますけど。

    正直、全体的にはニーズもあってか、むりやりCD専用機に仕立てた印象が拭えませんが、アキュフェーズとしては最廉価なプレーヤーということになりますし、無難なところなのでしょう。
    他社はディスクリートDACに注力している傾向ですけど、あえて無難な構成でしばらく行くのでしょうか。

    Filed under: Audio
    2021/05/05 4:00 pm | Accuphase DP-450 はコメントを受け付けていません
  • 015月

    AKGブランドのBluetoothワイヤレスヘッドホン「Y600NC Wireless」をゲットしました。

    AKGはAKGなのですが、Galaxyとのコラボとして発売されたモデルです。
    コーデックがSBCとAACにしか対応してないのがやや気になるところですが、愛犬が18歳になり、リビングで看病がてらに動画を観ていることも多いので、ノイズキャンセリング機能付きが重宝するかなと。

    コーデックの確認からしてみましたが、MacでaptX強制にしてある環境で試してみても、やはりaptXには非対応のようです。
    ファームウェアも3.2.0に更新してみましたけど、そちらでも特に変化はありませんでした。
    なおファームウェア更新にはバッテリー残量が50%以上必要とのことで、充電はUSB-Cケーブルでおこないます。

    有線で使うことも可能でして、こちらはヘッドホン側が2.5mm3極というのがちょっと変わっている気がします。
    この手のワイヤレスヘッドホンだと3.5mm3極というパターンが多いんですけどね。
    また付属ケーブルはリモコン付きなのでDAP側は3.5mm4極となっています。
    ノイズキャンセリングとの併用も電源を入れておけば一応可能ではありますが、なんだか再生音量が小さめになりますし、正規の使い方とは言えないかも。
    そもそもノイズキャンセリングのOn/Offすらないのが若干不便です。

    ただ使い勝手はなかなか良好でして、導入以来、iPhoneでの動画鑑賞には常用しています。
    重さは322gと決して軽いほうではないのですが、意外と軽快な装着感ですし、ノイズキャンセリングも自然に効いて違和感が少なめです。
    ヘッドホンの側面を物理的に回転させるボリューム操作が慣れると使いやすく、よくあるタッチパネル式よりもタッチミスがなくて便利です。

    音質面では低域がやや薄味なのはAKGらしい感じでして、さらにiPhoneでのBluetooth使用ではよりその傾向が強まる印象でした。
    専用アプリでイコライジングもできますが、アプリ上でヘッドホンを認識するのが遅かったりして使い勝手はあまり良いとは言えませんので、現状はイコライジングOffで使っています。

    いかにも高音質っぽい方向性ではないのですが、動画鑑賞を主体に考えると、穏やかで聴き疲れしないのが好印象です。
    ガツンと聴きたい時よりもリモートなどで長時間使うケースに向いているかもしれません。
    また、ドラマなどだと台詞やちょっとした物音などがとても聞き取りやすいです。
    ノイキャンで相対的な音量が確保されるというのもあるかもしれません。
    ホワイトノイズはそこそこあって、やや中高域寄りな質感ですが、何かしら音が鳴っていれば気にならないレベルです。
    リビングですとファンヒーターやエアコン、キッチンからの冷蔵庫などの音が入ってくるのですが、それらがほぼきれいに消えてくれるので、単なる消音器として十分良質な静けさをもたらしてくれるだけでもずいぶん重宝しています。

    対応コーデックが少ないのとノイズキャンセリングのOn/Offがないのはやや残念ですけど、実売価格がだいぶ下がってきていることを考慮して、AKGの音色が好みであればだいぶオススメできるヘッドホンになってきているかなと思います。

    Filed under: Audio
    2021/05/01 3:00 pm | AKG Y600NC Wireless はコメントを受け付けていません
  • 274月

    SUPEXの接点クリーナー「AC-16」を入手してみました。

    トーンアームやヘッドシェルのコネクタをクリーニングするグッズですが、昔はこういうものまで出ていたんですね。
    普段は綿棒でクリーニングする程度ですが、SAEC WE-407/23の接点がやや不良になりがちなので試してみようかなと。

    AC-16は接触部分にセーム革が使われていて、綿埃などが残りにくいように工夫されてあります。
    交換用のセーム革も元々のとおり5枚完備されていましたので、それに交換して元々付いていたものは中性洗剤で洗って保管しておきました。
    本体もすべて金属製のパーツでしっかり作られていて頑丈ですから、長く使えるのも良いですね。

    クリーニングの効果ですが、そちらは通常のクリーニングをしてあればそれほど変化はありませんでした。
    カートリッジの交換頻度がそこそこ高いユニバーサルアームですから、カートリッジ交換の際にササッと使うには良いグッズでしょう。
    また、定期的にコンタクトクリーナーも使っていますが、それが残りすぎるのを避ける意味でも良い気がします。

    今ならもっとシンプルに、端子クリンのトーンアームバージョンなんてのもあったら良い気がします。
    DIN端子クリーニング用の極細のは私も持っていますけどね。

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    2021/04/27 2:00 pm | SUPEX AC-16 はコメントを受け付けていません
  • 184月

    SHUREのカナル型イヤホン「AONIC 3」を追加してみました。

    きっかけはB&Wのイヤホン「C5 Series 2」が断線しかけになってしまったことです。
    紗羅のちょっと聴き用だったので、とりあえずfinal E2000くらいで代用できるかなぁと最初は思ったのですが、音質的にやはりやや不満があるようですし、できれば断線対策にリケーブルできて、もうちょっと上位のものを探すことに。
    手持ちのもfinalならE4000、E5000、Campfire Audio Dorado、Nova CK、SENNHEISER IE80Sなどがあるんですが、できればカナルじゃないほうが良いということだったので、まずはその方向で探していました。

    結果的に選んだAONIC 3はまさにSHURE掛け前提なんですが、かなり本体が小ぶりなのでfinal Eシリーズのように耳から提げるような装着もできないことはありません。
    ただ、ノズルが少し内側に傾斜しているので耳から提げる場合は左右逆にケーブルに装着したほうが良いみたいです。

    ただ結果的にはやっぱりSHURE掛けしたほうが空間的な広がりも出て良さそうで、当初の想定とはだいぶ違う使い方になっています。
    SHURE掛けした際の装着感は最高とまではいかないまでも、ノズルの傾斜もあってか、わりと悪くありません。

    1BAということで帯域はさほど広くないだろうとたかをくくっていましたが、ワイドレンジとはいかないまでもなかなか素直で鮮度のあるもので、その点は期待以上です。
    SHUREはSE215を持っていますが、あの路線とはやや違って、音の抜けが良く透明感があり、ボーカルが明瞭で聴き取りやすい印象です。
    これまでに聴いたことがあるものの中ではCampfire AudioのCometに似ている部分もあって、あれの金属的な響きが若干乗る部分を抑えて若干モニター寄りにしたような雰囲気です。

    付属品もしっかりしていて、中でもイヤーピースが充実しているのは助かります。
    標準はフォームタイプだと思いますが、ソフト・フレックス・イヤパッドで使うことにしました。
    ケーブルはリモコン付きでそこそこ悪くないものでしたが、せっかくなのでいくつか手持ちのケーブルを試した結果、ALO audioのCopper22にしました。
    このケーブルは硬くて取り回しが最悪なのですけど、音色的には高域の鮮度がぐっと良くなってAONIC 3に向いているようです。
    どちらかというと純銅のケーブルと相性が良いのではないかと予想されます。

    低域は1BAですから、さほど分厚くはありませんが、良質なブックシェルフのようなバランスの良さがあります。
    筐体の響きが強く出ないのもSHUREらしいところで、厳密に言えば若干のプラスチックっぽさはありますが、それが空間的な広がりを付加しているのか、過度に脳内定位にはなりすぎず、空間的な広がりがあるほうかと。

    DAP(というよりもアンプ部)の違いはかなり明瞭に出てくるほうで、HiFi-M8やAK380AMPを使うとぐっと中低域の厚みが出て、しかも中域のリアルさが高まります。
    HiFi-M8とは特に相性が良い印象で、1BAながら低域の駆動力がある程度あったほうがポテンシャルを引き出しやすいようです。
    そのあたりの理由はよく分かりませんが、BAユニットのインピーダンス特性や逆起電力なども関係しているのかもしれません。
    逆にNW-A55とはあまり相性がよろしくなく、各種カスタムファームウェアなども試しましたが、全体に音がドライで中高域がシャリつく印象を受けます。

    ケーブルもアンプもかなり格上と組み合わせるとぐっと魅力が増すというのが面白いところです。
    ある意味、そうした差も識別しやすいイヤホンとも言えるのでしょう。
    SHUREにしてはややクールな印象はあるものの、イヤモニらしさを感じる仕上がりですし、より上位モデルをお使いの方も使い分けが楽しい1台ではないかと思います。

    Filed under: Audio
    2021/04/18 2:30 pm | SHURE AONIC 3 はコメントを受け付けていません
  • 233月

    だいぶ前の地震でB&Wのスピーカー「Matrix 802 Series 2」が転倒しました。

    震度は公称だと5強となっていますが、長周期地震動もあったのかもしれませんし、我が家ではもうちょっと大きめの被害に感じられました。
    転倒自体はサウンドケアのスパイクを装着していたことも理由だと思いますが。

    エンクロージャもだいぶ傷が入りましたが、サランネットをしていたおかげでユニットは被害がなかったのが不幸中の幸いでした。
    サランネット自体はかなり変形していて、そのままでは装着できないくらいでしたけど、鉄製の枠だったのでなんとか補正できました。
    いちばんの問題はツイーターとスコーカーを構成しているヘッドユニットを固定するための特殊なボルトが破損&曲がってしまったことでしょう。

    写真ではすっかり取れてしまっていますが、この上部に本来は固定用の部品があるのですが、それがもぎ取れた形です。
    このネジ自体を補修することも考えましたけど、先だけ曲がった状態はちょっとどうしようもなさそうですし、代替品を探してみることに。
    ネジの長さは20cmほど、ネジの太さはノギスで測った感じではW5/16がいちばん近そうですが、厳密にはピッチが少し違ったようです。
    そこで28.5cmの寸切りボルト、それにアジャスターベースを調達しました。

    寸切りボルトはちょっと長すぎますし、ピッチもやはり少し違いましたが、固定側はナットくらいの厚さなのでなんとかなりました。
    逆に言えばここが薄いからネジの先端部分で曲がってしまったのでしょう。

    アジャスターベースを選んだのは元の部材に形状が似ていたからです。
    普通のナットではヘッドユニットの穴に余裕がありすぎて、固定できないんですよね。
    直径も運良くちょうど良い感じで、かなりしっかり固定できました。

    ちなみにメーカーには問い合わせていませんが、Matrix 802 S2はかなり古いモデルですし、マイナーチェンジモデルのS3では固定方法がそもそも違うらしいので、部品はおそらく残っていないでしょう。
    寸切りボルトを適度な長さで切れば見た目もほぼ分からない程度になりそうですが、現状はまだそのままにしてあります。
    場所としてはこの部分に物を置くと音がかなり変わってしまうのですけどね。

    エンクロージャ側の傷は運良くそこまでひどくなかったので、ワトコオイルを塗る程度にしました。
    色はどれが合うかは厳密には分からないですし、いちばんお安くなっていたマホガニーを選んでみました。
    本来の色合いに近いのはミディアムウォルナットかもしれません。

    傷もそうですが経年劣化による褪色を補修する意味合いもあったので、まずは左側のスピーカーのほうに1回塗りしてみたのが上の写真です。
    色自体が少し濃いのもありますが、なかなか良い風合いになります。
    さらに左右とも2回塗りした後が下の写真です。

    実際にはこのあと、24時間以上乾燥させ、さらに乾拭きを何度かやりましたが、なかなかキレイに仕上がった気がします。
    サランネット焼けが見えないほどには塗っていないですし、本来なら240〜400番くらいの耐水ペーパーで研磨(ウェット研磨も)したほうが良いのでしょうけれど、エンクロージャに関してはそこは省きました。

    傷も良く見ればまだ残っていますけど、転倒した時の悲惨な感じはあまりなくなったかなと。
    まだ地震も続き気味ですし、一応スパイクはやめています。
    転倒した直後は次のメインスピーカー候補を考えてみたりもしましたが、愛着もありますし、まだもうちょっと愛用していこうかと思っています。
    次の機材を探す楽しみもそれはそれでありますけどね。

    Filed under: Audio
    2021/03/23 3:30 pm | B&W Matrix 802 S2、転倒と簡易補修 はコメントを受け付けていません
  • 063月

    ACOUSTIC REVIVEのターンテーブルシート「RTS-30」を導入してみました。

    RTS-30はシリコン系の制振材に幾何学的な溝を刻んだターンテーブルシートで、さらにシート内には貴陽石、トルマリンなどの天然鉱石を浸させてあります。
    独特の溝の模様は同社のRGC-24KやREM-8でも似たような形状を見かけますが、12インチと7インチに合わせてややテーパー状になるように配慮されたであろう配置がまさにジャストフィットな印象を受けました。

    うちのレコードプレーヤーはMICRO BL-99VとDENON DP-6000と、通常のターンテーブルシートが使いづらい機種ばかりなのですが、前者は吸着を使わない前提ならばなんとかなるだろうと。

    以前、SAEC SS-300を試した時にサクション用のゴムと干渉しないことは確認できていたので、最悪2枚重ねにすることも考えていましたが、さすがにそれだと高さが高くなりすぎてトーンアームをかなり持ち上げなければならず、2枚重ね方式は断念しました。

    幸い、RTS-30も外周部のサクションゴムとは干渉せず、中央部はシートの自重で十分押し下げられるので、吸着ポンプを外した状態でも問題なく使用できました。(もちろん吸着自体は使えませんけれど。)

    早速、RTS-30を装着した状態でーンアームの高さを調整し、聴き慣れた盤から聴いていきます。
    まず感じたのは音に芯が通ったなぁという点です。
    この時点ではカートリッジにFR-2を使っていましたが、ちょっとした変動でセンター定位がブレやすい傾向のあるカートリッジなのですが、定位が安定し、それでいて左右のスピーカー外の広がりはフワッと広大になりました。
    サクションすると盤の反りは相当に補正されるのですが、細かいフラッター的な歪みはやはり多少残るわけで、そうした細かな上下動や振動の影響が減ったからでしょう。

    また、聴き比べるとこれまではやっぱりターンテーブル素材の響きが乗っていたのだなというのが良く分かりました。
    とりわけ中高域で埋もれていた楽器の音色が存分に引き出されてきて、音数そのものも明らかに増えています。
    明瞭な質感で力と歯切れの良い低域は特筆ものですし、これならむやみにカートリッジやプレーヤーを買い換える前にターンテーブルシートを試してみる価値は十分以上にあると言えるでしょう。

    通常のターンテーブルシートで感じがちな、ゴムのような弾む感じの中低域の付帯音もなく、キレも抜群です。
    また、Fo.Qのような制圧され過ぎるところも皆無で、デッドニングのマイナスイメージは微塵も感じられません。
    スタビライザーのような窮屈さも出ず、開放感ありつつも緻密なサウンドになっています。
    アナログ再生はターンテーブルやカートリッジ、ヘッドシェルなど様々な要素を楽しめるという面白さもありますが、一方でそれらのクセが重なり合って強くなり過ぎる部分もあるように感じています。
    その点、RTS-30はそれらのマイナス要素を上手く補正してくれるところがあるように思います。
    方向性としてはカンチレバーやヘッドシェルの剛性が高まったかのような変化ではないでしょうか。

    さらに内周に行くにつれ、その効果は一層高まっていきます。
    明らかに静電気が起きづらくなっていて、再生後に盤をターンテーブルから持ち上げる時に冬場はパチパチと盤が吸い付けられるほどだった静電気が、RTS-30を使ってからはほとんど感じられない程度にまで減少しています。
    再生前に除電したり対策はなるべくやっているつもりですが、再生中に帯電していく部分について低減してくれるのはうれしい効果です。
    音質にも大きな影響があって、帯域がこれまでよりも狭まらない感じを受けますし、歪っぽさも少なくなりました。
    とりわけクラシックだと内周で盛り上がるものが多く、そうした盤では特に違いが顕著で、単に歪まないだけでなく、余韻まで鮮明になっています。
    内周外周といった違いはもちろん、外部からの振動などの変動要素を吸収して安定感を上げてくれるおかげで、ピーキーさが大きく減退して、安心して聴けるサウンドになりました。

    ハウリングマージンも大幅に高まっていて、ボリュームを上げていってハウリングが起きるボリューム位置がグンと上がったのはもちろんとして、フォノイコライザーの残留ノイズがスピーカーからかなり聞こえてくるような状態でもノイズ自体の質感が変化せず、ハウリング直前の膨張感自体が起きづらくなっているなと感じます。
    RTS-30の効果ももちろんですし、サクションユニットの電源をオフにしたのも影響しているのでしょう。

    しばらくFR-2で使い続けた後、ZYX Ultimate 100にカートリッジを交換してみました。
    こちらでもベールが剥がれたような清々しさがありますし、FRよりもさらに音の芯がハッキリしていて余計な響きが少ないように感じるのはカーボンカンチレバーの効果かもしれません。
    ただそんなカーボンカンチレバーもこれまではややドライになりがちな印象があったのですが、RTS-30導入後は色彩感も満ち溢れてきて、カートリッジの音色を強調するというよりも本来の性能を活かせる土台がしっかり構築された感があります。
    Absolute LEAD WIREの真価も発揮されてきたとも言えそうな骨太な低域が素晴らしく、内周でも瑞々しさを失わず躍動的です。

    カートリッジなどでの音色の変化もアナログ再生の楽しさではあると思いますし、レコードプレーヤーの性能も重要でしょう。
    ただ、お気に入りの機材が持つ本来の性能を引き出すという意味でも、RTS-30はまさに「縁の下の力持ち」であると感じた次第です。

    Filed under: Audio
    2021/03/06 2:00 pm | ACOUSTIC REVIVE RTS-30 レビュー 導入編 はコメントを受け付けていません