• 0712月

    for SMiLE labというところからバキューム式のレコードクリーニングマシン「Clean Mate NEO」が発売になったようで。

    アイコールから出ていたものを事業継承したんだそうで、中の人が独立したような形なのかなと予想してみたり。
    お値段はオープンではあるものの、すでに発売開始しているお店をみると税抜で13万円台と、アイコールの時よりはちょっと値上げされたかなという印象です。

    もちろんそのまま引き継いだわけではなく、まさしくNEOという感じにデザインもオシャレに進化しています。
    レコードラックのデザインなどを手掛ける方のデザインだそうで、オーディオルームに配置されることも多いであろうことを考えると良い雰囲気になったかなと思います。
    全体的に私の使っているClearaudioに雰囲気が似てしまった感はありますけど。

    見た目以外にも吸引力が120%に向上していたり、バキュームの動作音が65dB(従来モデルは90dB)と小さくなっていたりと、まるで掃除機の謳い文句のように進化をしています。
    おそらくバキュームの逆転だと思われるのですが、送出された風でレコードを乾燥させるドライ機能も装備してるんだとか。
    バキュームしてしまったらそんなに乾燥させなきゃいけないほど、液が残留していることはない気がしますし、むしろ残したまま乾燥させるほうが怖い印象はありますけどね。
    なお、クリーニング液は従来のアルカリ性の2液式から1液式の中性タイプに変更になったそうで、乾燥させても残留物ができにくくはなったのでしょう。
    個人的にはターンテーブルの逆回転でのクリーニングが結構好きだったりするので、そっちも搭載してほしかったかも。

    ほかにも除電用に和紙マットが標準装備されてるそうで、これも液体が溢れたら破れそうにも感じますけど、静電気が生じにくいそうですから、他のクリーニングマシンを使っている方も応用してみると良いかも。
    ブラシは従来のアルテに近いタイプのままのようですし、それなりに人気が出そうな気はしますが、巷のアナログレコード人気に反して意外とクリーニング界隈は市場が弱い印象もあるので、頑張って販売を続けていってほしいなと思います。

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    2020/12/07 3:00 pm | Clean Mate NEO はコメントを受け付けていません
  • 0512月

    ShanlingのBluetoothアンプ「UP4」を導入してみました。

    既存のヘッドホンやイヤホンを実質ワイヤレスにできるという点と、ヘッドホン端子のなくなったiPhoneで気軽に使えるということで以前から気になっている分野ではあったのですが、スマホ近辺で使うとノイズが出たり、音質的に不満があったりとなかなか良いものに出会えなかったというのが正直なところです。
    ただ、2.5mm4極にリケーブルしたイヤホンも増えてきましたし、将来的にはLDACに対応した機材も検討したいというのもあって定評のあるUP4をチョイスしました。

    サイズも予想以上にコンパクトで、それでいて質感はとても良く、それだけでも期待が高まるというものです。
    まずはファームウェア更新からやっておきたくなるのが性格でして、どうやらMacには非対応のようでWindowsから実施しました。
    iPhoneアプリはありましたから、そっちでもできたかもしれませんが。

    iPhoneアプリがまた良くできていて、本体だけでもゲインモードやDACのフィルタ切り替えはできますけど、本体にはディスプレイはないのでLEDの色などを頼りにボタンの複数回タップで操作しますから、アプリで変更できるとかなり便利になります。
    デジタルフィルタは以下の4種類から選べますが、ひとまず「Minimum phase fast roll-off」を多用しています。

    Linear phase fast roll-off
    Linear phase show roll-off
    Minimum phase fast roll-off
    Minimum phase show roll-off

    ES9218Pに備わったものだと思いますが、あまり変化を強調しすぎず、ちょっとしたニュアンスの違いが楽しめる感じです。
    Bluetoothによる欠落を補う意味もあってか、UP4自体、やや中高域にクセがあるようなところがあるので、やや温和な印象のデジタルフィルタをチョイスしたほうが良いのかなと個人的には感じました。
    イヤホンもOriolus Finschiを使う頻度が高くなっていて、そのあたりも相性が多少あるかもしれません。

    ゲインは評判どおり、「Dual DAC Boostゲインモード」が音質面では圧倒的です。
    低域の駆動力も歪みの少なさもダントツで、消費電力を気にしないのであれば3.5mmアンバランスならこれで使うのがベストでしょう。
    バッテリーも「Dual DAC Boostゲインモード」で使って4時間ほどで100%→60%程度ですから、わりとバッテリーの保ちは良いと感じます。
    カタログスペックでは最大15時間(シングルエンド)、10時間(バランス)となっています。
    なお、2.5mmの場合は使えない(そもそもDual DACで動作する)ですが、2.5mm時のローゲイン/ハイゲインとの切り替えは自動的になされるようです。

    ほとんどはiPhoneで使っていますが、そうなるとコーデックはAACになりますので、そちらの音質面での限界はどうしても感じられました。
    AK300でaptX HDで接続すると音質的にはかなり底上げされますが、中高域のクセ自体はそんなに変化はないようでした。
    また、他のワイヤレスイヤホンなどと違い、UP4のボリュームはiPhone側のボリュームとは独立していて、64段階で操作できますので細かい設定ができて便利です。
    最新のファームウェアとiPhoneアプリを併用すればボリュームレベルの記憶もされますし。

    音楽を聴くのに使うだろうと思って導入したわけですが、実際にはドラマやラジオをUP4で楽しむ時間が増えました。
    中高域にややシャリつきはあるのですけど、これが小音量でも会話を聞き取りやすいというのにつながっているのも大きそうです。
    セパレーションもほどほどに良いので空間再現も良好ですし、TWSでありがちな左右の位相ズレが少ないのも聞きやすさにつながっているのかもしれません。

    先日のMDR-1ABTもLDAC対応ですし、AACの限界も感じ始めてきたので、LDAC対応機器も欲しい気はしています。
    できればApple製品自体が対応してくれればベストなのですけどね。
    ちなみにMacはaptXにも裏対応できているので、MDR-1ABTのほうはaptXで常用していますが、そのほうが音切れも少なく快適に使えています。

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    2020/12/05 1:30 pm | Shanling UP4 はコメントを受け付けていません
  • 2311月

    NOBUNAGA Labsの2.5mm4極MMCXケーブル「篠波」を導入してみました。

    Campfire Audio DORADOに使ってきたPW AUDIO The Flashがすっかり緑化してしまったのと、2.5mmのケーブルも1本くらいは本気なのを持っておきたいなと。
    篠波は4N純銀・金メッキ、4N純銀、6N OCCの3種を組み合わせた4芯構成となっています。
    金メッキ純銀はちょっと細めで7本x3、4N純銀と6N OCCはそれぞれ3本x2というかなり凝った構成で、合計33本x4というものです。

    金メッキのケーブルはイヤホン界隈では最近良く見かけますが、透明シースで見えるからという視覚的な部分も多少はあるのかもしれないですね。
    メーカーサイトでは「優れた解像度と奥行、高さといった立体的な音場空間を実現。明瞭で広がりのある中高域とタイトに締まった低域、自然で広がりのある豊かな音」を生み出すべくこの構成になったんだとか。

    早速DORADOに装着して聴いてみると、穏やかで自然だなというのがファースト・インプレッションです。
    俗に言う銀っぽいキツさは感じられず、手持ちのケーブルではALO AudioのCopper 22に似ている気がします。
    Copper 22と違って取り回しはとても良いので、扱いやすさも良い感じです。

    また、位相の乱れが少ないので脳内でぐるぐるする感が少ないのが印象的でした。
    静寂感が高いのは歪みが少ないからでしょうか。
    DORADOはどうしても低域が暴れがちなのですが、ここが穏やかにバランス良くまとまりつつ、力強さもしっかり引き出されてきます。
    艶やかさも癖を強く意識させない範囲の優雅さを感じるもので、弦楽器がとても艶やかです。

    銀線っぽさが薄い分、中高域は見た目の雰囲気よりは少し控えめで、その影響か、女性ボーカルは少し鼻詰まり傾向が感じられるケースがありました。
    ただこれは当初、Opus $1Sを使っていた影響もあったようで、そういう点ではDAPの性能差もしっかり表現してくれるといえるでしょう。
    なお、iPhone周りでも一応試しましたが、スマホからのノイズは拾いやすい傾向ですし、当たり前ではありますが、しっかり性能を活かすにはDAPのほうがオススメです。

    次はDAPをAK300+AK380AMPに変更してみます。
    こちらはボーカルがとても近く感じるのが印象的で、距離もそうですが純度が高いので「密接感」が高まります。
    2.5バランスでありがちな中抜け感も少ないですし、楽器の分離や音色も良好で申し分ありません。
    アコースティックギターの音色が特筆ものでした。

    そこでアンプをやめてAK300単体でも試してみました。
    こちらでも繊細な細やかさは出ますし、空間表現も豊かなので、Opus #1Sより現代的な表現力があるようです。
    これで十分な気もしたのですが、やっぱりAK380AMPの有無を比べてみるとやはりパワフルさが違っていて、とりわけ低域の芯の強さが異なってきます。
    イヤホンも含めてケーブル以外の違いがあるので当然違って当たり前なのですが、このケーブルに変えてからDAPやアンプの違いに敏感になっていて、それだけ今回のケーブル変更でイヤホン自体の潜在能力を引き出せたような気がします。
    ただ、さらに上を目指せば…という話でして、どの環境でも素直でクセはないので、その点でも扱いやすいケーブルです。

    最近はワイヤレスの利便性に流されていて、本格的にはヘッドホンという使い分けになりつつありましたが、リケーブルを楽しめるイヤホンの良さもまた再確認できました。
    ただ以前のようにいろいろ試すというよりは気に入ったイヤホンを厳選して長く楽しめたら良いなと思いますし、そのためにも良質なMMCXケーブルを手に入れられたのは良かったと思います。

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    2020/11/23 3:30 pm | 2 Comments
  • 1611月

    Stereo誌ムックの「EQカーブ調整型真空管フォノイコライザ」が12/24に発売予定だ来年1/19に延期されたそうで。

    型番としては「LXV-OT10」で、MM/MC対応のフォノイコライザにトーンコントロールと真空管バッファが付いた形です。
    昨今の状況による影響なのか、発売が多少遅れるかも!?というのも見かけたのですが、どうやら年内には発売されそうな雰囲気です。
    お値段は税込19,800円ですので、もはや付録というよりはエントリー製品という位置づけでしょうけれど。

    ムック自体は以下の目次を予定しているそうですが、説明書レベルでしょう。

    ・真空管フォノイコライザー・キットを作る
    ・ラックスマン開発陣に聞く、真空管フォノイコライザー製作話
    ・EQカーブを調整してレコードの真価を引き出せ
    ・真空管フォノイコライザー・キットを改造して楽しむ
     ①真空管を交換して楽しむ
     ②OPアンプを交換して楽しむ
     ③コンデンサを交換して楽しむ

    EQカーブでRIAA以外にも対応させようという趣旨ですが、実際にはイコライジングカーブ自体が変化するわけではなく、イコライザ回路の後ろにトーンコントロール回路が用意されているような構成のようです。
    それだとアンプ側のトーンコントロールでもそこそこ対応できる話で、あまり有用ではないような…。
    むしろ負荷容量などを自由に選べるほうが便利そうですけどねぇ。

    誌面では改造にも言及がありますが、大半の部分はチップタイプの素子が使われているそうですから、普通は真空管とオペアンプ交換が主体でしょう。
    むしろスイッチング方式のACアダプタを交換するほうが音やノイズには影響は大きいでしょうが、そちらも内部でフォノイコライザーと真空管バッファ部が独立電源になっていたりしないと、そんなには効果が出ない可能性は高そうです。
    ちょっと何でも盛り込み過ぎてしまっているような気はしますが、いわゆる世間のアナログレコードの温かみみたいなものを楽しむには良いフォノイコライザーになるのかもしれません。

    ただ、おそらくそんなに部数を用意していない可能性も高いでしょうし、確実にゲットされたい方は早めに予約されることをオススメします。

    Filed under: Audio
    2020/11/16 2:30 pm | EQカーブ調整型真空管フォノイコライザ はコメントを受け付けていません
  • 0611月

    HIFIMANから「HE400i」の後継モデル「HE400i 2020」が11/5日に発売されました。

    HE400iは私も愛用していますが、ドライバーはそのままにヘッドバンドを新設計のものに変更したモデルということのようです。
    ワイヤレス兼用のDEVAが好評ですから、そちらと部品の共有化をしたところもあるのかも。
    正直、強度面などでもちょっと頼りない部分があったヘッドバンドだったので、そこが改良されたのは良いことでしょうね。

    ただ重さ自体は370gで変化ありませんし、イヤーパッドもおそらく同じものだと思います。
    ケーブルも妙に固くて、そのわりにヘッドホン接続部が曲がりグセが付きやすいのですけど、そこも変化ないっぽいです。
    ちなみにうちは「Crystalline Silver Cable−6.35mm Plug」というEdition X V2付属と同じ(ヘッドホン側プラグを3.5mmに換装済)ものに変更してあります。

    お値段は当初のHE400iのお値段に戻ることなく、17,000円(税抜)前後のまま維持されている模様。
    そこからするとHIFIMANの平面磁界型ヘッドホン入門としては変わらず人気モデルになりそうな気がします。

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    2020/11/06 3:30 pm | HIFIMAN HE400i 2020 はコメントを受け付けていません
  • 0411月

    Accuphaseからいつの間にかXLRケーブルのニューバージョン「ASLC-10B」が発売されていたようで。

    前モデルのASLC-10(と3mのASLC-30)は持っていますが、それのバージョンアップという形のようです。
    いちばんの違いはXLR端子がノイトリック製のAccuphaseロゴ入りのものに変更されている点です。
    C-3900もXLRはノイトリックになったようですし、ITT Cannonはもうやめたんでしょうか。

    ちなみにRCA版の「ASL-10B」というのもC-3900に付属するようですが、そもそもXLRのASLC-10Bも含めてまだ公式サイトには記載がないんですよねぇ。
    8芯のマルチハイブリッド構造とか7Nクラス高純度銅線+3種銅線、絶縁体の構成は変わっていませんが、導体抵抗は9mΩ/m(旧モデルは16mΩ/m)、静電容量は187.5pF/m(同:218pF/m)と変化しているので、プラグだけではないのかも。
    なおインダクタンスは0.51μH/m(同:500nH/m)で若干増えているようです。

    またお値段もASLC-10の35,000円から40,000円(税別)に値上げされています。
    以前は実売の値引き率も良かったので、実質的には結構な値上げ幅とも言えるでしょう。
    プラグが変わっただけじゃないのなら、もうちょっとしっかりアピールしたほうが良い気もしますけど…。

    個人的にはITTを使ってた時代のアキュフェーズ機を多用していますし、大半はACOUSTIC REVIVEのケーブルで統一しているから導入の予定はないでしょう。
    ASLC-10ですら、いざという時の予備のような形ですし…。

    なお、公式サイトでも注意書きがされていますが、同社の銘を語った偽物ケーブルも一部で出回っています。
    プラグにロゴを入れるのも良いですけど、ケーブルもシリアルナンバーで登録制にするなど、海賊版対策もやってくれると良いのかなとも感じました。

    Filed under: Audio
    2020/11/04 2:00 pm | Accuphase ASLC-10B はコメントを受け付けていません