1410月
AccuphaseからSACDプレーヤー「DP-570」が11月下旬に発売予定だそうで。
2016年発売のDP-560の後継機という形で、同社らしい順当な進化という印象です。
お値段も60万から65万円(いずれも税別)に上がっていますが、良く考えてみれば1994年発売のDP-75も58万円だったわけですから、5シリーズとはいえど現状としては仕方ない価格なのでしょう。
いちばん大きな違いはDACチップがES9028PRO(560はES9018S)に変わったところです。
4回路並列駆動などは変わりませんが、いろいろと見直して歪みがだいぶ減ったようです。
ライバルメーカーはディスクリートやROHMなど、差別化戦略を取り始めているように見受けられますが、Accuphaseは意外と無難にESSやAKMを使う方針みたいです。
初期にディスクリートをやっていたからこそ、あの路線ではなかなか勝ち目がないという気持ちもあるのかもしれませんが、基板を眺めた印象としてはもうちょっとアナログ段だけでも凝った構成にしないのかなぁという気は正直しています。
またメカ部もだいぶ手を入れていて、静粛性向上に努めてあります。
フォーカシング時で8dBほど、トラッキング時で6dBほど動作ノイズを低減しているらしいです。
弾性ダンパーでのフローティング自体はDP-560でもやっていましたし、ピックアップもたしか560からD&Mのものに変更になっていたはずですから、使い方がこなれてきたという側面もあるのかも。
このほか、お店情報だと天板がアルミトップになっているといった変更点もあるみたいです。
ほかにもプログラム再生機能も付いたそうですが、昔のCDPだと当たり前の機能ですね…。
インデックスサーチはどうなってるのかなぁ。
とはいえ、いつも書いている気がしますがSACDプレーヤーがまだ発売され続けるだけでも良しとしなければならないのでしょう。
ピックアップも今のところは安定供給されるでしょうし、SONYのを使っていた頃のように短期間で部品払拭しなくて済めばなによりです。
ちなみに過去のモデルではDP-77,78に続いてDP-700やDP-800もピックアップのせいで一部修理不能となっています。
DP-700は2007年発売の機種ですし、その辺りの不安を持たずに済むのであれば良いのですけれど…。
1310月
山本音響工芸のボード導入時にスピーカー前方はもう少しライブでも良いかなと感じて、ブビンガの板を試しに導入してみることにしました。
元々は石膏ボードの壁に貼るような薄手の突板がないかなぁと探していたのですが、地元では見つけられそうもなかったんですよね。
壁紙自体も貼り替えようかと入手はしてあるんですけど、見た目はともかく音としてはあまり変化がなさそうですし…。
入手したブビンガの板は300x75mmほどで厚さは7mmですので、貼り付けるのには向いていないでしょう。
壁に貼るならもう少し薄くても良さそうです。
まずはホントに変化があるのかどうか、壁に立ててみました。
面積としてはごく限られたものですが、昔使っていたオーディオ機器のMDF製のサイドパネルですら効果はあったので多少の期待はありました。
実際、ハープの低域が濁らなくなって、全体的に楽器の音色が自然になったようです。
また大きさがACOUSTIC REVIVEの電源タップ「RTP-4 absolute」の下にほぼピッタリでしたから、こちらにも敷いてみました。
本来なら同社のTB-38Hを導入するのがベストなのでしょうけれど…。
厚さもアンダーボードとしては7mmでは薄いですが、実際の音の変化は予想よりも良い方向になりました。
まずはデジタル系のタップのみに敷きましたが、こちらもやはり雑味が減って穏やかになり、静寂感が高まったような印象です。
その後、アンプ系の電源タップ下やRPC-1の下にも敷いてみたところ、こちらは壁に立て掛けた場合に似て、ハープの弦が弾む感じがより明瞭になりました。
壁とどちらが効果があるか、と言われると壁のほうが音に潤いが出てくる部分が良いですが、電源タップのほうが濁りが減る点では魅力があるように感じられました。
ちなみに、MDFのサイドウッドはブビンガと比べてしまうと、ないほうが濁りがなくて良い印象だったので撤去しました。
最初は5枚だったので壁際に左右2枚ずつ、1枚をデジタル系の電源タップという配置でしたが、少し幅が狭い2枚を追加して、アンプ系の電源タップとRPC-1にも導入できました。
もっといろんな木材を試そうかと最初は思っていましたが、あまり導入し過ぎても響きが乗りすぎてしまうでしょうし、このくらいでちょうどよいでしょう。
全体的には、やはり楽器の音色が良くなったのが印象的で、音楽全体が澄み渡った感覚とそれぞれの楽器が混濁しないようになったようです。
ボーカルも明瞭になっていますが、場合によってはやや響きが乗りすぎている感もあるので、分量としてはこれ以上増やさないほうが良さそうです。
ブビンガの背後にミュートパネルを置いてみるのも試しましたが、これは全く逆効果でせっかく明瞭に展開するようになった音場が細身になってしまいました。
この辺りは部屋のライブさなどにも寄るのでしょう。
ともあれ、山本音響工芸のボードも含めて、全く木材を導入してなかった時とは雲泥の差になったと感じています。
かといって入れ過ぎも良くないこともだいたいわかってきましたので、今の板を多少調整する程度で詰めていければと思います。
0910月
DS Audioのスタイラスクリーナー「ST-50」を入手してみました。
粘着タイプのクリーナーはすでにゼロダストとMiCoraSound SDR-5010を持っていましたので、これで3つめです。
粘着部の材質はゼロダストがウルトラソフトプラスチック、MiCoraSoundとST-50はウレタンゲルですけれども、MiCoraSoundは乾式でベタつきが全くといって良いほどないタイプ。
ST-50は半導体用の粘着度がほどほどにあるタイプのものです。
公式にどの材質という記載はありませんけど、おそらくテクノゲルのような製品を加工したものでしょう。
見た目はまるで耐震ジェルそのものですけれど、あれよりも粘着度は弱い感じです。
試しに水洗いもしてみましたが、手で触った場合の質感ももうちょっとコリッとした硬さがあるように感じられました。
外観は筐体がアルミの削り出しでニッケルメッキやレーザー刻印まで施されていて、さらに底面は革も貼ってあるなど、とても凝ったものです。
ただ、サイズがやや小さいわりに重いので、ターンテーブルに載せる使い方を考えると持ち方に慣れるまでは落としやすそうで気を遣いました。
蓋も同じくアルミ削り出しで特にロック機構もなく乗っかっているだけなので、こちらも落下が不安ではあります。
価格も含めてちょっと凝る方向性が偏ってる感は否めませんが、ターンテーブルの周辺に置くアイテムとしては高級感があって良いのかもしれません。
肝心の使い心地ですが、クリーナー本体が薄手なのでターンテーブルの上に置いてトーンアームのリフターで針を数回おろしたり上げたりするだけでクリーニングができますから、扱いやすいです。
ゼロダストは手で当てる形で使っているのですが、手加減が慣れないとカンチレバーの破損が怖いですし、その点では安全度は高いでしょう。
粘着度もちょうど良い感じで、3種類とも甲乙付けがたい感じでクリーニングできます。
ただ、ゼロダストのほうが素材が柔らかくて手動で手加減ができる分、沈み込みも調整可能なので針の根本部分やスタイラスの裏側(進行方向から見て)に付いた汚れはゼロダストのほうが落ちやすい印象です。
また、毛が付着した場合などはブラシを併用する必要もありました。
ただ導入して慣れてくると、実際に使う頻度が高いのは意外とST-50だったりします。
理由はやはりアームリフターで気軽にできるところにあるのでしょう。
サイズが小さいのでターンテーブルのすぐ側(アンダーボード上には余計なものは置かないようにしてるので、ラック天板上ですが)に置きやすいというのもあるのかも。
ゼロダストをすでにお使いの方が導入するほどではないかもしれませんが、見た目の質感も良くて安全性の高いクリーナーを検討されている方にはオススメできるかと感じました。
0610月
Accuphaseからプリメインアンプ「E-280」が10月下旬に発売予定だそうで。
2016年11月に発売された「E-270」の後継機という形で、このシリーズはおおよそ4年周期くらいでモデルチェンジしてます。
お値段はE-270から3万円ほど上がって33万円(税抜)とのこと。
最初と言って良いであろうE-210は1995年で17万円でしたが、同社としてはエントリークラスということもあってか、他のモデルに比べれば値上がり幅は小さいといって良いのかもしれません。
パワートランジスタやコンデンサ、トランスなど主要な部分はあまり変化ないようで、見た感じもかなり似通っています。
いちばんの違いはAAVAの強化でしょうか。
こちらも基板をざっくり見比べた感じではさほど変更がないような印象もあるのですが、S/Nが1dB改善しているそうです。
また定番のダンピングファクターも400から500に向上していて、こちらはパワーアンプからスピーカー端子までの引き回しで改善したとのことです。
なおリレーを廃したMOSFETスイッチはすでにE-270から搭載されていました。
オプションスロットもこれまで通り2スロット用意されていますが、ここはあまり見直す予定はないのでしょうか?
フォノイコライザーは標準搭載されていないので必要な時にこちらに追加することになるわけですが、隣どうしにDACと並べるというのはどうも…。
せめてシールドされた形で収められるくらいの余裕があると良い気がするんですよね。
もちろん過去の機種との互換も大切でしょうから、大きな変更は難しいのでしょうけれど。
そうは言いつつも、まだなんとか手が届きやすい価格帯のモデルもラインナップされていることに感謝すべきなのかもしれません。
309月
LINNのターンテーブル「MAJIK LP12」の標準トーンアームが11月からClearaudio製に変更になるそうで。
元々はPro-JectだったのがJELCOに変わったんですけど、そのJELCOが活動停止してしまったからやむを得ず…といったところでしょうか。
JELCOを除けば自社でもターンテーブルを出しているメーカーなわけですが、そもそもトーンアームを製造しているメーカーがとても少なくなっていることを考えると選択肢がなかったとも言えるのでしょう。
その辺り、なんとなくCDプレーヤーの光学ピックアップにも似ていて、悲しい気分になります。
Clearaudioは私自身、クリーニングマシンを持っていて、トーンアームもリニアトラッキングから多種多様なモデルが以前から出ていましたし、性能はおそらく結構高いでしょう。
単体のトーンアームでいえば、いちばん安いVerifyですら実売で15万円超えですので、そういう点ではMAJIK LP12のコストパフォーマンスはなかなか高まった可能性があります。
ただしMAJIK LP12の販売価格も52万円(税別)となっていますので、その前の43万円からすると9万円のアップとなっています。
JELCO製だったMajik Tonearmは単品で12万円で販売していた時期がありましたから、ベアリングシステムのKAROUSEL(13.5万円)が標準搭載になっていることを考えるとトーンアーム自体は大きな価格差はないのかな?
ちなみに今回のトーンアームKRANEは今のところは単売予定はないとのことです。
Pro-Jectの9ccからは10万円でJELCOのにアップグレードできたわけですし、今回もKAROUSELと合わせてそういうサービスが実施される可能性はありそうですけどね。
ただ、LP12も最廉価で50万超えとなってしまうと、なかなか気軽に導入するのは厳しいかも。
昔はLINNにも下位モデルがあったりしましたが、さすがにもうそういう機種は出さないのでしょうね。
279月
山本音響工芸のスピーカー・アンプ用プレート型ベース「B-60」を2枚ほど追加してみました。
その前に1枚試してみたので、これで3枚ということになります。
スピーカー側壁に壁代わり的に立てるのが思った以上に良かったので、両壁に立てたいというのと、ラック部分の強化にも試してみたいなと。
まずは壁側ですが、最終的には少し角度をつけ、後方側の裏にWS-1を置くような感じにしました。
これで痩せ気味なセンター部が厚くなり、ボーカルが驚くほどセンターにビシッと決まるようになりました。
単純に反射板的な部分だけではなく、弱い壁を補う形で低域の濁りが減って音階が明瞭になっています。
ラック部分の強化は、ラックに入っていないSCD-777ESの下と迷いましたが、今回はレコードプレーヤーの下に使うことに。
BL-99Vの寸法がわりと大きいのでB-60の大きさを活かせるという側面もありました。
もちろん、これまで通りマグネットフローティングインシュレーター「RMF-1」は併用していますので、ラック天板の鳴きを減らす目的です。
やはり透明感が高まる方向で、中低域の濁りが減ってベースのキレが向上しています。
いわゆるレコードの音というような曖昧さが減って、スピーカーからの再生中でもヘッドホンでモニターしてるいる時と変わらない音色になっていますから、ハウリングがかなり低減されているのでしょう。
板そのものはそこそこ響く印象なのですが、同じ木材とはいえ、異種素材が組み合わさっているから有効に働いているのでしょう。
ただ音への変化の度合いからいけば、やはり反射板的な使い方のほうが影響は大きいです。
とりわけ、やや斜めに配置したことでさらに音像がクリアになり、四重奏曲などの配置や収録されたホールの反響などがとても明瞭に感じ取れるようになったと思います。
こちらも本来ならRWL-3をさらに大量投入できれば完璧なのかもしれませんが、壁全体を覆うのはなかなか難しいでしょうし、適宜移動させやすいという点でも使いやすい素材かなと。
これに慣れてくれば慣れたで、アサダ材なりの響きも気になったりもしますけど、そこは別素材を組み合わせたり、シルクで補助するなどして、少しずつ詰めていきたいと思っています。