• 206月

    qdcのイヤホン「SUPERIOR」を入手してみました。

    qdcはもう上位モデルを結構持っていたので今更感も自分の中ではあったのですが、現行モデルの傾向も知っておきたいかなと。
    以前にSUPERIOR用の4.4mmケーブルも入手してあったのでそれを活かすという本末顛倒な目的もありましたけど。

    箱に貼ってあるシールのとおり、色はVermilion Redに。
    上位もモデルほど凝ったフェイスプレートではないですけど角度によって光ったようにすら見える輝く赤が印象的です。
    ノズルも金属ですし、なかなか凝っていますね。

    ケーブルはわりと最初のうちに4.4mmに交換しました。
    3.5mmだと音の広がりがかなり少なくて狭めの音場になる傾向です。
    SUPERIOR Cable 4.4mmのほうも同じOFCの4芯線のPVC被膜なので、スマホなどのノイズを拾いやすい傾向はあまり変わらないようですけど、多少は音に広がりが出ます。

    第一印象としては低域がやや強めで中高域もややクセはありますが、透明感があって抜けが良い感じです。
    これだけ聴いていればもう十分なくらいの音質でDAPの違いもしっかり描き出してくれます。
    あえて欠点を挙げるとすれば低域が少し緩くて遅めな印象はあって、いわゆる日本的モニター系のバランスでチューニングされているような印象を受けます。
    誤解を招くかもしれませんが、個人的にはちょっとSONYっぽいチューニングだなと感じました。

    音の質感が若干軽く、沈み込むような深みという点で従来のqdcとは若干方向性が違うのかなと思います。
    そもそも従来のqdcはBA主体、SUPERIORはダイナミックなので違って当然ですけど、同じダイナミック型のDmagic Soloともまた違います。
    あちらはもっとはっちゃけてクラブ系みたいなところがありますからね。

    ただとにかく嫌な音は出ない傾向で、少し乾いた中域とともに優等生なサウンドです。
    ちょっとBGM的に感じてしまう部分もありますが、もうちょっとエージングが必要なのかもしれません。
    初期時点だと良く言えばイヤモニ的、ただちょっと味気ない、そっけない感じで下が伸びきっていない印象を受けます。
    IEMらしく音は近いんですが、音楽そのものにちょっと距離感があって客観視(聴)してるような不思議な感じです。
    前のめりな感じが伝わってこないところがあって、その点でもNEPTUNEとはかなり対極にあるので同じqdcだからという括りで捉えないほうが良いかもしれません。

    3SH SEとも比較してみましたが、SUPERIORのほうが音の抜けは良くてこもった感じは圧倒的に少ないです。
    ただ3SH SEのほうはさきほどから挙げている「説得力」といいますか音楽が染み込んでくる感覚があるのは不思議なところです。
    特性としてはどうか分かりませんが、サブベース付近の押しがしっかりしているからかもしれないなと勝手に推測しています。

    ここでケーブルをACOUSTUNE ARC22に交換してみると、かなり表情が変わりました。
    ARC22は2.5mmなのですが、どうやらケーブル自体が性能的にもかなり上なのかも。
    セパレーションも良いですし、スマホからのUSBケーブルが近くてもノイズが出づらいです。
    音の面でも低域の音階が潰れないようになりましたし、ボーカルの抜けも良く質感も潤いが出て適度に穏やかさもあって相性も良いのでしょう。
    埋め込み2pin用でケーブルが硬いのでちょっと装着が心許ないところはありますが。

    この状態で自分なりにそこそこエージングとケーブル交換で良くなったと思い、NEPTUNEと比べてみるとやっぱりNEPTUNEのほうがパッと視界が開けたような感覚があって、快活で爽快です。
    ジャズもちゃんとswingしている感覚があって、やはり同じメーカーという感じがしないくらい傾向が違うように思えます。
    SUPERIORはとても優等生ながら、どうもどこか内気な感じがするんですよね。

    さらにケーブルをLuminox Audio Day for Nightにしてみると、こっちはより下がズッシリガッツリになって重量感のあるサウンドになりました。
    ここまでケーブルにコストを掛けるのもちょっと違う気がしますが、純正ケーブルよりは良い選択肢がある可能性は高そうです。

    比較的シビアな評価になっていますけど、完全に価格を無視した場合の話であってこのクラスのイヤホンとしては驚くほど優秀な仕上がりだと思います。
    そのあとに出たSUPERIOR EXに手を出す方が増えているのも頷ける完成度です。
    そっちはそっちで価格的に他の選択肢が増えるという課題はあるかと思いますけどね。

    Filed under: Audio
    2024/06/20 12:00 pm | qdc SUPERIOR はコメントを受け付けていません
  • 196月

    FiiOのスティック型DAC「KA3」を入手しました。

    すでにスティック型DACはShanling UA2、Lotoo PAW S1、AK HC2と所有しているので4本目ということになります。
    KA3はES9038Q2Mですし、ディスプレイや本体でのボリュームコントロールもないのでShanling UA2に近い感じですね。
    DSD512まで対応なのも同じ(DACチップが同じだから基本はそうなる)ですが、イヤホン端子が4.4mmと3.5mmという構成(Shanling UA2は2.5mmと3.5mm)です。

    まずはファームウェアを確認するとWindowsで更新ができるようだったので、Windowsに接続して最新の2.00.00に更新しておきました。
    ただ初期状態だとゲインがハイになっていてWindowsやiPhoneだとボリューム2段階上げたくらいですでに爆音という感じでしたので、AndroidにFiiO Controlというアプリを入れましてそれで設定変更しました。
    なお、このアプリではデジタルフィルタも選べます。
    iPhoneにも同名のアプリがありますが、それではKA3は認識されませんでしたので、ファームウェアと合わせるとWindowsとAndroidが必須という感じになってしまうのはやや残念です。(Appleが許可していない部分があるのかもですが。)

    音傾向としてはちょっと低域が厚めのこってり系といった印象です。
    上記の設定変更を除けば動作は安定していてLightningケーブルさえあればiPhoneでも問題なく動作します。(最近のiPhoneはUSB-Cですけど。)
    パワーはCS43198デュアルなAK HC2ほどではないですけど、AKM4377搭載で120mW/32ΩなLotoo PAW S1や195mW/32ΩのShanling UA2よりはパワフルな気がします。
    LotooやShanlingあたりはちょっと柔らかくてぼちぼち旧世代っぽさが出てきたかなぁという気もします。

    欲を言えばやっぱり本体でボリュームコントロールとゲイン変更くらいはできるとありがたいですね。
    ディスプレイまでなくても良いので、せめてボリュームだけでも付いたらなぁとは思った次第です。
    それならそういうDACを選べば良いわけですけど、スティックタイプは気軽さも特色なので気楽に聴ける要素も重要なのでそれらを総合すれば良い選択肢ではあるかなと思っています。

    Filed under: Audio
    2024/06/19 12:00 pm | FiiO KA3 はコメントを受け付けていません
  • 186月

    MOONDROPのイヤホン「CHACONNNE」を追加してみました。

    イントラコンカ型と呼ぶようですが、昔のウォークマンに付属していたようなオープンイヤー型と呼んだほうが私のような年代にはわかりやすいです。
    個人的にはブログ初期の頃にお借りしたことがあるNW-STUDIOを思い出しますし、カナルにはない解放感があるのが魅力ですよね。
    ただ装着感はかなり心配な部分で上手く装着しないと低音が抜けちゃうかなぁと。

    ひとまずシリコンリングを付けた状態と外して素の状態(メーカーはイヤーパッド必須としてますが)で聴きましたが、シリコンリングがないとすぐに落ちてしまうし、低域も抜けてしまいます。
    シリコンリングありでも低域はやはりちょっと物足りないところはあるのはカナル型に慣れてしまったからでしょう。
    ただ最初に動作確認でHIFIMAN EF400で鳴らした時はそこまででもなかったので、アンプにもよるかもしれません。
    CHORD Hugoでも鳴らしてみましたが、低域はあまり変わらず、中域の艶めかしさはグッと高まったので単に駆動力というわけでもないようですが。

    左右の空間表現は良いですし、空間が広くて包容力みたいなものがあるのは素晴らしいです。
    雰囲気はfinalのPiano Forteシリーズにも通じるものを感じます。

    また噂通り、ピアノとボーカルが特筆もので、しっかりしていて生々しいです。
    長く聴いても疲れないですし、小さめの音でも意外と音痩せしなくて良いです。

    しばらくシャコンヌを聴いた後にカナル型代表としてqdc 3SH SEを聴いてみました。
    帯域はやはりフラットで低域が出るんですが、こもって空気が詰まったような感覚があります。
    スピーカーでいうとバスレフと後面開放型を比べているような気分といったところでしょうか。
    qdcはそんなにハウジングを鳴かせる作りではないのにそれでも箱鳴り感を感じるくらいですから、ハウジングがシャコンヌは頑丈なのだと思います。

    装着感はシリコンリングだけではまだ不満だったので、ネットで見かけたイヤーフックを探して装着してみたところ、劇的に改善されました。
    低音はやや強くなる程度で音傾向自体はさほど大きくは変わらないですけど、むしろそのほうが好都合でしょう。
    イヤーフックがあれば極論、シリコンリングなしでも落ちないはずです。
    イヤーフックを外耳部分の内側(対輪とか舟状窩とか呼ぶらしい?)に添える感じなので、たぶんSサイズくらいで十分だと思われます。
    またシャコンヌはリケーブルできないので、イヤーフックのゴムを伸ばしてイヤホン本体を通す感じで取り付けました。

    コレをメインにするというのはかなり偏った感じになりそうですが、もう十分過ぎるほどイヤホンを所有されている方なら違う路線で聴いてみる価値は十分にある完成度のイヤホンかなと感じました。

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    2024/06/18 12:00 pm | MOONDROP CHACONNE はコメントを受け付けていません
  • 126月

    EFFECT AUDIOのHD800用リケーブル「Hades Thor Copper 8wire」を入手してみました。

    バランス接続にしたのに6.3mmアンバランスに逆戻りですが、8芯でノイトリックのプラグなのでその気になればプラグをXLR 4pinあたりに好感しても良いでしょう。
    調べてみたものの、HadesでHD800用のものが出ていたような情報はありませんでしたが、ヘッドホン側のプラグ部分にもEFFECT AUDIOの熱収縮チューブが付いているので特注したものかな?

    音の方向性としては穏やかな感じで、刺さることが全くありません。
    厚みが出たが膨らみもせず、極めてニュートラルな暖色といったところです。
    純正も含めて銀メッキのケーブルが多いので純銅の音傾向が出ているのかな?

    アンバランス接続になったせいもあってか、HIFIMAN EF400だとこれまでのローゲインよりもハイゲインのほうが良いかも。
    サンプリングモードはOSのほうが穏やかで、NOSだともう少し上が華やかになって硬質寄りになる傾向に感じられました。
    やはりバランス接続のほうがアンプ側としては優位な印象もありますけど、1.3mという長さや取り回しの気楽さも含めると今のほうが使いやすいかな。
    前述のようにケーブルのバランス接続改造も将来的には考えるとして、今はひとまずこのまま使ってみようと思っています。

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    2024/06/12 12:00 pm | EFFECT AUDIO Hades Thor Copper 8wire HD800 はコメントを受け付けていません
  • 106月

    ACOUSTUNEのイヤーピース「AEX70」を追加してみました。

    イヤーピースはイヤホンやケーブル以上に変化が多いので評判をちょっと検索して定番っぽいAEX70を試してみようかと。
    以前にAEX07は導入していてアレはわりとゴムっぽい普通の質感の材質でしたが、AEX70は形状記憶ポリマー「SMP iFit」というのが使われています。
    形状はAEX07を基にしつつ素材の違いなどを考慮して「形状の微調整や肉厚の変更など」を施してあるそうです。
    触ってみるとほんとにプニプニの触感がちょっと変わっています。

    まずはqdc NEPTUNEで試してみます。
    かなり音が近い印象で、特にボーカルでそれが顕著です。
    若干Unique Melody Petal Ear Tipsと似ている部分も感じますが、高域はやや華やかにちょっとドンシャリ傾向で、さらに中域も強めという3つ山があるような感覚です。

    イヤホンの性質が出ている可能性もあるので、次はqdc 8SEに使ってみましたがやはり音傾向は同じように感じられます。
    装着感がSpinFit W1よりさらに良く、耳への密着が高いので音が漏れないおかげで中高域はやや強めにはなるようです。
    低域は下が伸びていて音場は若干近くなりますが、それが音楽への距離を近づけてくれてかぶりつきで聴いてるような体感も与えてくれます。

    再度SpinFit W1に戻してみると音が遠いのと、空気が抜けているような感じがします。
    ただスピーカーから聴いてるような感覚が出るのはSpinFit W1のほうかな。
    AEX70は同じMサイズと言っても大きさが少し小さめなのもあるかもしれないので、普段がMサイズの方は少し大きめを選ぶと良いかも。

    耳へのフィット感が良いのと素材のおかげで耳への物理的な負担は少ないですが、音傾向としてはちょっと耳が疲れるようなところが感じられました。
    あと軸の太さからか、装着から時間が経つとイヤーチップ全体がさらに柔らかくなって、8SEだと耳から外す時にイヤーチップが抜けて耳に残ることもあり、ここは一旦SpinFit W1に戻しました。

    全体的には派手な傾向のイヤホンにはあまり向かないかもしれませんね。
    同社のHS1300SSにはしっかり合っているように思われます。
    また、イヤホンの特色差が若干分かりづらくなるような傾向も感じられたのが不思議なところです。
    空間的な広がりを矯正してまっすぐ耳に届けるようなところがあるからかなぁと推測していますが、それだけ廉価なイヤホンでも実力を引き出してくれるとも言えるでしょう。
    かなりシビアに聴き比べての話ですので、ノズルの太さや音傾向さえ合えば耳への負担の少なさなど魅力の多いイヤーピースだと感じました。

    Filed under: Audio
    2024/06/10 12:00 pm | ACOUSTUNE AEX70 はコメントを受け付けていません
  • 086月

    qdcのイヤホン「Dmagic Solo」を追加してみました。

    ぶっちゃけAnole V16 3in1ケーブルの使い勝手がとても良かったのでSOLO 3in1 Cableが付属するイヤホンごと入手してしまえ、という不純な動機です。

    それまでに入手したqdcのイヤホンと違ってDmagic Soloはダイナミック型一発というのもあって違いを聴いてみたかったというのもあります。
    噂通り低域はかなり強めで、Dmagic Turboテクノロジーというバックロードホーンみたいな構造(かなり端折った解釈なので実際は違うでしょうけど)が強烈な個性になってる感があります。
    ただ聴感上の能率はわりと低めなのでアンプは多少選ぶ傾向のようです。

    イヤーピースは高域を少し出す方向性のものを選ぶ形で選んでいき、最終的にSpinFit W1にしました。
    それでもちょっと酔うくらいの低域が出てきて、言葉が適切かどうかは分かりませんが「クラブ系」と感じてしまうほどです。
    サブベースが出ているというわけではなく、400Hzくらいからだら上がり傾向だと思うのですけどね。

    ただDmagic Soloをしばらく聴いてからNEPTUNEにすると物足りなく感じてしまうので、時代的にもやはり新しい感じになってるとは感じます。
    かなり毛色も違うので一概には言えない部分もあると思いますが、NEPTUNEのほうは音が解れていないように感じられるところもたまにあるので、そのあたりは進化しているでしょう。
    ただNEPTUNE独特の和む雰囲気もそれはそれで良い魅力ですし、リコーダーなどの管楽器の伸びやかな音色は今でも一線級ですから、同じメーカーながらちょっと別物という感すらあります。

    3SH SEも一応聴き比べましたが、方向としてはNEPTUNEに近くて全体に帯域を広げたような感覚でした。
    BA独特の音色はやはり感じ取れますし、やや帯域ごとに音傾向の違いが出ている(特に低域)ようにも感じ取れる部分があります。
    まぁこのあたりはユニットのクセというよりも広がりを感じられるように音導管に方向性を持たせてあるんじゃないかなと推測してます。
    その影響か、ちょっとしたイヤーピースのズレで定位が不安定になる傾向があるのですが、しっかりハマると装着してるのを忘れるほど自然に音楽が広がってイヤホンなのを忘れるほど気分良く聴けるんですよね。
    そういうシビアさはDmagic Soloにはなく、いつでも安定して使えるのは逆に利点でもあるでしょう。
    ちなみに8SEはやはり別格で、真に深い低域と透明感、空間の広さなど全てが違います。

    肝心のSOLO 3in1 CableはAnoleのと比べるとロックがないなどの違いがあってプラグもだいぶ意匠が異なっています。
    それぞれに装着してみて上位互換があるのかは確認していません。
    ケーブルのほうもあまり妙な小細工はしない素直な特性のようで、クラス的にはNEPTUNEで使っているLuminox Audio Kilowatt Jet Blackくらいの感じでしょうか。
    それでもプラグ形式を選ばなくて良いのはとても便利で、むしろ全てのイヤホンがこうなってほしいくらいです。

    同じqdcといえど、最近はだいぶ傾向も変わってきているのかなぁというのは確認できました。
    いろいろ使い分けるのも楽しいですし、気分でそれぞれ出番を作ってあげたいなと思います。

    Filed under: Audio
    2024/06/08 12:00 pm | qdc Dmagic Solo はコメントを受け付けていません