色んな意味で話題になっているシグマのDP Quattroですが、FOVEON X3 Quattroの解像度がどんな具合になるのか、擬似的に検証してみました。
御存知の通り、FOVEON X3は三層が重なっているんですが、Quattroでは最上層のみが4画素でその下の2層は1画素で構成されています。
従来はそれぞれB,G,Rと説明されていましたけど、実際の分光特性としてはそうなっておらず、Quattroはそれを逆手に取って最上層で輝度情報を、残りの2つで色情報を取るような割り振る(これもそう簡単に切り分けられないでしょうけど)ことで、高感度ノイズやファイルサイズを抑制しつつ解像度を確保するような対策を取ってきたようです。
そんな仕組みは各所ですでに解説されていますから、ここではこれをLab表色系で近似しつつ、輝度に相当するLチャンネルをそのままに、aとbチャンネルを平均化フィルターを通して擬似検証してみようという企てです。
元画像にはSIGMA DP1で撮った写真を用い、より効果を分かりやすくする意味もあり、Quattroの4画素混合よりも効き目が強いはずの近傍9画素平均化としました。
Photoshopのカスタムフィルタを使ったからというのもありますが、実際のQuattroとは違い、移動平均的な意味合いになるので、あくまでも擬似検証ということだけは改めてお断りしておきます。
まずはオリジナルの画像から。
なお、一度Photoshopで開いてJPEG保存やLab→RGB変換を実施し、画素平均化以外の条件を揃えてあります。
(それぞれクリックすると元画像が表示されます。)
[ L,a,b フル解像度 ]
そしてa,bチャンネルだけカスタムフィルタで9画素混合した画像が以下のとおりです。
[ Lのみフル解像度、a,b 近傍9画素平均化 ]
ファイルサイズはたしかに2.9MB→2.7MBと減っていますから情報量は減ってるんだと思いますが、やや色が薄くなった印象はありますけど、それ以外はほとんど違いが分からないです…。
一般に人は輝度に比べて色の解像度には疎いと言われていますが、それにしてもこんなに分からないものなんですねぇ。
そもそもaチャンネルの画素混合は色ノイズの除去にも使える技でして、そういう意味ではFOVEONの欠点を補うには最良の手段なのかも。
参考のためにL,a,bそれぞれのチャンネルのみを表示させた画像も貼っておきます。
[ Lチャンネル ]
[ aチャンネル ]
[ bチャンネル ]
被写体がもう少し派手で色数の多いものだとまた違ってくるのかもしれませんが、aチャンネルは多少解像度が落ちてもあまり関係なさそうのは確かにその通りかなと。
FOVEONの画像だけでなく、X-Trans CMOSの写真などでも試してみましたが、そもそも9画素混合されたのかどうか目を疑ったようなケースもありました。
Photoshopをお持ちの方ならどなたでも簡単に試せると思いますし、ぜひ追試していただけると良いかと思います。
ちなみに今回のQuattroの仕様については個人的には賛成ですし、賛同する部分のほうが大きいです。
少なくともベイヤー配列を使いつつローパスレスでやってるよりは断然挑戦的で冒険心のある取り組みかと。
確かに将来的には「第二層も4画素にしました」なんてことになる可能性もありますし、ソフトウェア的に画素混合じゃダメだったのか、とかも考えますけどね。